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発疹チフス

執筆者:

William A. Petri, Jr

, MD, PhD, University of Virginia School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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発疹チフスは、発疹チフスリケッチア Rickettsia prowazekiiによって引き起こされ、コロモジラミによって広まるリケッチア感染症です。

  • 発疹チフスになると、発熱、激しい頭痛、極度の疲労感が現れ、4~6日後に発疹が現れます。

  • 感染症を診断するために、医師は発疹のサンプルを検査し、ときに血液検査を行います。

  • シラミが付着した衣類は高温で洗濯、乾燥することで感染の拡大を予防できます。

  • 発疹チフスは抗菌薬で治療されます。

リケッチアは他の生物の細胞内でのみ生存できる細菌です。発疹チフスの原因になるリケッチアは、一般的に人間を宿主として住みついています。しかし、北米では、これらのリケッチアはムササビの体内にも住みつきます。

発疹チフスは世界中で発生しています。この感染症は通常はコロモジラミが媒介し、その糞が、人間の皮膚にできた傷や、ときには眼または口の粘膜から体内に入ることで感染します。米国では、人間がムササビに接触した後、発疹チフスにかかることがあります。

この感染症は、過去に大流行(epidemic)を引き起こし、多くの人を死に追いやったため、英語ではepidemic typhusと呼ばれています。現在、そのような流行はまれですが、近年アフリカで小規模な流行が発生しました。発疹チフスは、戦争や紛争、極度の貧困地域をはじめ、人の密集した非衛生的な環境で最も容易に広がります。

症状

発疹チフスの症状は、体内に細菌が侵入した7~14日後に突然起こります。発熱や激しい頭痛、ひどい疲労感が生じます。4~6日後に発疹が現れます。発疹は通常、胸から始まり、腕や脚に広がります。

ときに、脾臓が腫大します。感染症が重度の場合、血圧が非常に低くなり、腎臓が機能不全に陥り、壊疽(えそ)や肺炎が発生することがあります。

発疹チフスは治療しなければ死に至ることがあり、特に50歳以上の人では注意が必要です。

診断

  • 医師による評価

  • 発疹の生検と検査

  • 血液検査

発疹チフスの診断は、症状から疑われ、特にその人にコロモジラミがついているか、その人が発疹チフスの流行があった地域に行ったことがある場合、可能性が高くなります。

診断を確定するため、発疹から採取(生検)したサンプルを蛍光抗体法で検査することがあります。あるいは、より早く細菌を検出するため、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法が用いられることもあります。

血液検査を行って、原因となる細菌に対する抗体を検出することもあります。ただし、この検査を1回実施するだけでは不十分です。抗体の値の上昇を確認するには、1~3週間後に検査を再度行う必要があります。そのため、抗体検査は患者の発症直後に感染症を診断する役には立ちませんが、後に診断を確定する助けになります。

予防

シラミを制御する対策がこの感染症の拡大を防ぐ助けになります。例えば、シラミが付着した衣類や寝具は、お湯で洗って高温で乾燥させるか、ドライクリーニングにかけるべきです。また、ムササビやその巣との接触を避けるべきです。

シラミに寄生されている人には、リンデン(lindane)やマラチオン(malathion)という皮膚に塗布する薬を処方して、シラミを駆除することがあります。ただし、コロモジラミは(アタマジラミやケジラミと異なり)皮膚ではなく衣類や寝具に住みついているため、通常は衣類や寝具の処理だけで十分です。

治療

  • 抗菌薬

発疹チフスの治療では、抗菌薬のドキシサイクリンを経口で投与します。抗菌薬の投与は、患者の状態が改善し、24~48時間にわたって発熱がみられなくなるまで続けます。ただし、最短でも7日間は使用する必要があります。

クロラムフェニコールも効果的ですが、重篤な副作用が起こる場合があり、米国では利用できません。

ブリル-ジンサー病

ブリル-ジンサー病は再発した発疹チフスであり、最初の感染から数年後に発症する場合もあります。

発疹チフスを引き起こした細菌の一部は体内に残ります。免疫機能が低下すると、残存している細菌が再び活性化します。

ブリル-ジンサー病の症状はほとんど常に軽症で、発疹チフスに似ています。発熱が7~10日ほど続き、発疹はみられません。

ブリル-ジンサー病の診断治療は、発疹チフスの場合と同様です。

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