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腎移植

執筆者:

Martin Hertl

, MD, PhD, Rush University Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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本ページのリソース

不可逆的腎不全(腎臓が機能せず、治療しても治らない)の患者にとって、年齢にかかわらず腎移植は透析に代わる救命法です。米国では毎年約1万7000件の腎移植が行われています。最も多いタイプの臓器移植です。

腎移植は以下の病気がある場合に必要になります。

  • 進行した不可逆的腎不全

以下に当てはまる場合、70代の人と、場合によっては80代の人にも移植が適切になることがあります。

  • 他の点では健康で、自立して生活することができ、十分な社会的支援がある。

  • 推定余命がかなり長い。

  • 移植により、ただ透析が不要になるだけでなく、日常生活と生活の質が大きく改善する可能性が高い。

1型糖尿病の患者には、膵腎同時移植または腎移植後膵臓移植が適切となることがあります。

重度の心疾患やがんなど、特定の病気がある場合、腎移植は行われません(禁忌)。よくコントロールされていない糖尿病(腎不全につながる)や移植後に必要な薬を使用することで悪化する可能性があるウイルス感染症(進行したC型肝炎など)にかかっている場合、特別な対策が必要です。そうした薬は、免疫系を抑制することによって感染を防御する能力を弱めてしまいます。

移植から1年後の時点で、約94~98%の腎移植レシピエントが生存しています。移植された腎臓が機能し続ける割合は以下の通りです。

  • 生きているドナーからの腎臓:約95%

  • 死亡したドナーからの腎臓:約88%

その後1年経過する毎に、生きているドナーからの腎臓の3~5%、死亡したドナーからの腎臓の約5~8%が機能しなくなります。しかし移植した腎臓が30年を超えて機能し続けることもあります。

移植が成功すれば、通常は活動的な生活を普通に送ることができます。

ドナー(臓器提供者)

半数を超える移植された腎臓が、かつては健康であった死亡したドナーから提供されたものです。これらの腎臓の約3分の1は損傷していますが、移植の需要が非常に多いため使用されています。移植に使用される残りの腎臓は、生存しているドナーから提供されたものです。

方法

通常は数カ所小さく切開し、細い器具と小さなビデオカメラを挿入して、ドナーから腎臓を摘出します(腹腔鏡下手術)。ときには、もっと大きな切開(開腹手術)が必要になることもあります。摘出された腎臓は冷蔵状態で速やかに病院へ輸送され、そこで血液型と組織型が適合しており、ドナーの組織に対する抗体を産生しない人に移植されます。

腎移植は大手術です。電解質異常がある場合や、老廃物を除去できないほど腎臓が損傷していて血液中に老廃物が蓄積されている場合は、手術前に透析が必要になることがあります。レシピエントの腹部を切開してドナーの腎臓を骨盤腔に入れ、レシピエントの血管と膀胱につなぎます。通常、レシピエントの機能していない腎臓は摘出せずにそのまま残しますが、ときには、感染が理由で摘出されることがあります。

移植を行った日から、コルチコステロイドなど免疫系を抑制する薬(免疫抑制薬)の使用を開始します。免疫抑制薬は、レシピエントが移植された腎臓を拒絶するリスクを低下させるのに役立ちます。

合併症

移植によって様々な合併症が生じる可能性があります。

拒絶反応

免疫抑制薬を使用しても腎移植後に1回以上の拒絶反応がみられることがあります。

急性拒絶反応は腎移植後3~4カ月以内に現れます。発熱、尿の産生量の低下(体重増加を伴う)、移植部位の痛みと腎臓の腫れ、血圧の上昇が起こります。腎臓の機能が低下しているかどうかは血液検査で分かります。こういった症状は感染症や薬の使用によっても起こるため、拒絶反応の診断を確定するために腎臓の針生検が必要になることがあります。

慢性拒絶反応は移植後数カ月、ないし数年間にわたって生じ、比較的頻繁にみられ、移植した腎臓の機能が徐々に低下します。

通常は、高用量コルチコステロイドや抗リンパ球グロブリンにより拒絶反応を効果的に治療できます。これらの薬が無効な場合は、腎臓の機能が徐々に失われ、再び透析を開始しなければなりません。透析は、別の腎移植が可能になるまで続けられます。

発熱、圧痛、血尿が続くようでなければ、拒絶反応が起きた腎臓はそのまま体内に残しておくことができます。2度目の移植でも成功率は初回の移植とほぼ同じです。

がん

腎移植のレシピエントは一般の人と比べて約10~15倍もがんを発症しやすくなります。この原因はおそらく、免疫抑制薬の使用により、感染症だけでなくがんの発生からも体を守っている免疫系の機能が抑えられてしまうからです。特にリンパ系の悪性腫瘍(リンパ腫)の発生率は一般の人の30倍も高くなりますが、それでもリンパ腫の発症自体は多くありません。皮膚がんがよくみられます。

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