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移植の概要

執筆者:

Martin Hertl

, MD, PhD, Rush University Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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移植とは、生きて機能している細胞、組織、臓器を体から摘出して、同じ人間の別の部分、または別の人間の体に移し替えることをいいます。

一番よく行われている移植は輸血です。毎年、何百万人もが治療として輸血を受けます。しかし、一般には移植というと臓器(実質臓器移植)や組織の移植を指します。

移植には以下の組織が用いられます。

  • 患者本人の組織

  • 患者と遺伝子が完全に一致する一卵性双生児から採取した組織

  • 患者と遺伝子が一致しない別の人間から採取した組織

  • まれに、異種動物(ブタなど)から採取した組織

移植される組織には以下の種類があります。

臓器移植は輸血とは異なり大きな手術であり、免疫系を抑制する薬(コルチコステロイドなどの免疫抑制薬)を使用します。また、感染症や拒絶反応などの重篤な合併症のリスクを伴い、死亡のおそれもあります。しかし、重要な臓器が機能しなくなった患者にとっては、臓器移植が生き延びるための唯一の手段であることもあります。

手や顔の移植といった一部の手術は、受ける人の生活の質を大きく改善する可能性がありますが、生命を救うために行われるものではありません。これらの手術でも臓器移植とほぼ同程度のリスクがあり、まだ実験段階です。

ドナー(臓器提供者)

組織や臓器を提供するドナーには以下の場合があります。

  • 生きている人(血縁がある場合もない場合もある)

  • 死亡した直後の人

生きているドナーの組織や臓器の方が健康であることが多いため、望ましいのはこちらです。生きているドナーが提供する組織で一番多いのは幹細胞(骨髄または血液に含まれる)と腎臓です。腎臓は体に2つあり、1つでも十分機能するため片方を提供しても通常は問題ありません。また肝臓や肺の一部も提供できます。通常、生きているドナーの臓器は摘出後、数分以内に移植されます。米国では臓器を有償で提供するのは違法ですが、細胞と組織については有償での提供が認められています。

心臓など、当然ながら生きているドナーから取ってしまうことができない臓器もあります。

死亡したドナーから臓器が提供されるのは通常、ドナーが事前に臓器提供に同意していた場合です。米国では多くの州で、臓器提供に関する自分の意思を運転免許証に記載できる制度がありますが、運転免許証に意思表示をしていたとしても、実際に死亡した場合は遺族が意見を述べることができます。亡くなった人の臓器提供の意思がはっきりしない場合、臓器提供について家族の許可を得ることが可能です。病死した人だけではなく、大きな事故で死亡した、健康であった人がドナーになることもあります。終末期患者や脳死患者の生命維持装置を取り外すことを家族に提案する際に、医師が患者の臓器提供の可能性を考慮に入れることはありません。

1人のドナーが数人に臓器提供することもできます。例えば1人のドナーは、2つの角膜、1つの膵臓、2つの腎臓、2つの肝臓の一部、2つの肺、小腸、および1つの心臓を提供することが可能です。人間が死亡すると臓器は急速に劣化し、なかには、体外でほんの数時間しかもたない臓器もあります。しかし、冷蔵すれば数日間保存できるものもあります。

知っていますか?

  • 例えば1人の死亡したドナーは、2つの角膜、1つの膵臓、2つの腎臓、2つの肝臓の一部、小腸、2つの肺、および1つの心臓を提供することが可能です。

臓器の割り当て

米国では国の機関である全米臓器分配ネットワーク(United Network for Organ Sharing)がコンピュータのデータベースを使って、移植のためのドナーとレシピエントのマッチングを行います。データベースには移植待機リストにのっている人がすべて、組織型などの情報とともに一覧になっています。臓器が移植可能になると、その情報を入力してマッチングを行います。

まず12の地域に臓器が割り振られ、その後に地方の臓器調達組織(Organ Procurement Organization)に割り振られます。臓器が割り振られた最初の地域に適切なレシピエントがいなければ、他の地域に再度割り振られます。一部の臓器(肝臓や心臓)では、待機患者の疾患の重症度に基づいてレシピエントが選択されます。その他の臓器(腎臓、肺、腸)では、疾患の重症度、待機期間の長さ、またはその両方に基づいてレシピエントが選択されます。

移植前スクリーニング

移植には一定のリスクを伴うことに加え、ドナーの臓器は貴重であるため、候補のレシピエントに対し、移植成功の可能性に影響を与える要素についてスクリーニングを行います。

組織の適合性

免疫系は通常、異物を攻撃しますが、移植組織も例外ではありません。この反応を拒絶反応といいます。拒絶反応の引き金になるのは、免疫系が細胞の表面にある特定の分子を異物として認識することです。この細胞表面の分子を抗原と呼んでいます。

輸血の場合は拒絶反応を比較的容易に抑えることができます。これは赤血球の表面の主要な抗原はA、B、Rhの3種類しかないからです。この3種類の抗原が血液型を決定しており、医師はドナーとレシピエント双方の血液に含まれる抗原が完全に一致することを検査で確認します。

しかし輸血とは異なり、臓器移植には様々な抗原が関係します。これらの抗原は、ヒト白血球抗原(HLA)または主要組織適合抗原複合体(MHC)と呼ばれています。これらの抗原は体を構成するあらゆる細胞の表面に存在しています。人間は一人ひとりが固有のHLAをもっていて、このHLAが組織型を決定します。移植する際にはドナーとレシピエントの組織型が完全に一致しているのが理想です。しかしそのようなケースはめったになく、病気が重く、組織型の適合性の高いドナーが現れるのを待っていられない患者もいます。このような場合には、完全に一致してはいなくても近い組織型をもつドナーの組織を使うことがあります。HLAの適合性が高ければ拒絶反応は起こりにくくなり、起きたとしても比較的軽度で済みます。また、レシピエントの長期的な経過も向上します。ただし、免疫抑制薬による治療がより効果的になってきたことから、移植が成功するかどうかは適合性にそれほど影響されなくなっています。

事前にレシピエントの血液をスクリーニングし、ドナーの組織に対する抗体をもっていないか調べます。レシピエントの体が輸血、過去の移植、妊娠などを通じて、このような抗体をつくっているおそれがあるからです。もしこれらの抗体が確認された場合には、重い拒絶反応が即座に起こるため、移植ができない可能性があります。高い適合性が得られない場合は、抗体を除去または抑制して移植を可能にするために、血漿交換 と免疫グロブリン製剤の静脈内投与が行われています。(免疫グロブリン製剤は、免疫系が正常な人から採取した血液から抽出した抗体です。)これらの治療法は高価ですが、有望とみられています。

ドナーのスクリーニング

移植で伝播する可能性のあるがんや感染についてドナーのスクリーニングが実施されます。医師はドナーの病歴を詳細に確認したり、手術室でドナーの体から臓器を摘出した際に慎重に臓器を調べたりして、ドナーにがんがないか調べます。臓器にがんが見つかれば、もちろん移植には使いません。移植する臓器とは別の臓器に以前、がんができたことのあるドナーの臓器を使うかどうかは、がん細胞がその時点で残っている可能性や、移植する臓器にまで広がっている可能性があるかどうかに基づいて判断します。

細菌感染症についてはドナーの全般的な健康状態から明らかな場合が多く、通常は臓器提供を決める以前に診断され、治療されています。十分な治療が行われていれば臓器移植しても安全ですが、レシピエントには念のために抗菌薬を追加で投与することがあります。

ウイルス感染については、はっきり分からないことが多いため、通常ドナーの血液検査を実施して特定のウイルス感染について調べ、伝播を防ぎます。検査する感染症には、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン-バー(EB)ウイルス、B型肝炎およびC型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV:ヒトTリンパ球向性ウイルスとも呼ばれます)などがあります。ドナーがある種のウイルスに感染していれば(HIV感染など)、感染が抑制できない限り、移植はできません。CMVやEBウイルスなど移植が可能なウイルス感染もありますが、レシピエントは移植の後で抗ウイルス薬を服用しなければなりません。

レシピエントのスクリーニング

レシピエントもがんや感染症についてスクリーニングを受け、全般的な健康状態が評価されます。レシピエントは移植時に高用量の免疫抑制薬の投与を受けることになるため、活動性の感染症やがんにかかっているレシピエントは、これらの病気がコントロールされるか治癒しない限り移植を受けられません。免疫抑制薬の投与により感染症やがんが悪化するおそれがあります。

レシピエントの全般的な健康状態が悪かったり、ある種のウイルス感染があったり、移植を要する臓器の機能不全のほかにも医学的な問題があったりすると、移植しても成功する確率は高くありません。移植に踏み切るかどうかは、患者の年齢を含め一人ひとりの状況に合わせて判断します。

心理社会的スクリーニングが実施されます。これは、移植した臓器を機能させ続けるためには、生涯にわたる薬剤の使用、治療、およびフォローアップのための来院が絶対に欠かせないためです。しかし、レシピエントの中にはこの指示に従う気がなかったり、従えなかったりする人がいます。そのため、看護師と医師だけでなく精神科医とソーシャルワーカーも参加して、患者とその家族に長期的な治療継続の必要性と、移植を受けることで起こる困難について理解してもらいます。その患者への臓器移植が適切かどうか判断する上で、すべての関係者の意見が重要です。

免疫系の抑制

輸血とは異なり、臓器移植ではたとえ組織型の適合性が高くても、拒絶反応を予防する対策をとっておかなければ通常、移植臓器に対する拒絶反応が起こります。拒絶は、レシピエントの免疫系が移植臓器を攻撃するために生じます。軽い拒絶反応で容易にコントロールできる場合もあれば、重度の反応で移植臓器の破壊に至る場合もあります。

通常は免疫抑制薬と呼ばれる薬を投与して拒絶を制御しますが、この薬は免疫系を抑制するため、体が異物を認識して破壊する能力も低下します。免疫抑制薬を使うことで、移植臓器が機能し続ける可能性が高まります。

この薬は一生使い続けなければなりません。通常、高用量で使用する必要があるのは移植後数週間、または拒絶反応が起きている間だけです。その後はたいていの場合低用量で拒絶反応を防ぐことができます(維持免疫抑制と呼ばれる)。レシピエントが重篤な感染症にかかったり、免疫抑制薬の副作用が問題になったりする場合は、免疫抑制薬の量をさらに減らす必要が生じることがありますが、それによって拒絶反応のリスクが高まります。

拒絶反応の徴候が現れたら免疫抑制薬の量を増やしたり、種類を変えたり、他の免疫抑制薬を追加したりします。

免疫抑制薬には多くの種類があり、それぞれ免疫系の異なる部分を標的としています。そのため、いくつかの薬を同時に使用することがあります。コルチコステロイドのような薬は、免疫系全体を抑制します。他の薬も様々な方法で白血球の産生と活性を阻害します。白血球は、移植臓器の細胞のような外来細胞を認識して破壊する働きを担っています。

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移植による拒絶反応の予防に用いる薬剤

起こりうる副作用*

備考

コルチコステロイド(強力な抗炎症薬で、免疫系全体を抑制する)

デキサメタゾン

プレドニゾロン

プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)

動脈硬化

顔面多毛

顔が腫れる

皮膚の脆弱化

高血圧

血糖値の上昇(糖尿病の場合と同様)

筋力低下

骨粗しょう症

胃潰瘍

水分貯留(むくみ)

移植時に高用量のコルチコステロイドを静脈内投与

その後、徐々に用量を減らし、維持量の経口投与として通常は生涯にわたり内服

免疫グロブリン製剤(特定の細胞を標的にした抗体の集まり)

抗リンパ球グロブリン

抗胸腺細胞グロブリン

通常は初回ないし2回目の投与時に起こる発熱と悪寒を伴う重いアレルギー反応(アナフィラキシー反応)

ときに薬剤に含まれる異物タンパク質に対する反応がみられ、発熱、発疹、関節痛が起こる(血清病)

ときに腎臓の障害

静脈内投与

移植時に他の免疫抑制薬と同時に使用することで、他の薬を低量で安全に使用できるようにする

拒絶反応が発生した場合にも使用される

モノクローナル抗体(白血球を標的として、それを抑制する抗体)

バシリキシマブ

重いアレルギー反応(アナフィラキシー反応)

静脈内投与

移植時、または拒絶反応が起こった際に使用

カルシニューリン阻害薬(白血球の産生と活性を妨げる薬)

シクロスポリン

糖尿病

過剰な体毛(男性型多毛症)

痛風

歯ぐきの腫れ

高血圧

コレステロールなどの脂質量増加

リンパ腫のリスク上昇

腎障害

肝傷害

神経損傷

振戦

経口投与

移植時や臓器移植のレシピエントに対する維持免疫抑制に使用

単独で使用できるが、通常は拒絶反応の予防に有用な他の薬と併用する

タクロリムス

糖尿病

下痢

痛風

脱毛

頭痛

高血圧

コレステロールなどの脂質量増加

リンパ腫のリスク上昇

不眠

腎障害

肝傷害

吐き気

神経損傷

振戦

経口投与

移植時や臓器移植のレシピエントに対する維持免疫抑制に使用

拒絶反応が発生した場合に使用される

ラパマイシン(白血球の産生と活性を阻害する薬)

エベロリムス

シロリムス

脚のむくみ(浮腫)

貧血

高血圧

コレステロールなどの脂質量増加

肺損傷

発疹

傷の治りが遅い

経口投与

腎移植または肝移植のレシピエントが維持のためにコルチコステロイドまたはシクロスポリンとともに使用

エベロリムス:腎移植や肝移植の拒絶反応を予防するために使用

有糸分裂阻害薬(細胞分裂を抑えることで白血球の産生を妨げる薬剤)

アザチオプリン

疲労

肝炎(まれ)

白血球数の減少

経口投与

移植時や臓器移植のレシピエントに対する維持免疫抑制に使用

低用量のカルシニューリン阻害薬とよく併用される

ミコフェノール酸モフェチル

下痢

リンパ腫のリスク上昇

白血球数の減少

吐き気

嘔吐

経口投与

臓器移植のレシピエントの維持免疫抑制に使用

コルチコステロイドとシクロスポリンまたはタクロリムスと併用

*これらの薬はすべて感染のリスクを高めます。また、すべての薬にアレルギー反応を引き起こす可能性がありますが、一部の薬ではそのリスクが高くなります。

白血球は、外来細胞を認識して破壊する働きを担っています。

妊娠と移植

また、多くの免疫抑制薬は胎児に有害なため、妊娠中は移植を受けることができません。しかし、女性が移植を受けた場合、移植臓器の機能が安定すれば、妊娠して健康な子どもを産める可能性があります。妊婦が服用する免疫抑制薬は、必要に応じて特別に調節したり切り替えたりすることができます。

移植後の合併症

移植後に発生する可能性がある合併症には、以下のものがあります。

  • 拒絶反応

  • 感染症

  • がん

  • 動脈硬化

  • 腎臓障害

  • 痛風

  • 移植片対宿主病

  • 骨粗しょう症

免疫抑制薬の使用によっていくつかの合併症が発生する可能性があります。免疫抑制薬は、移植臓器に対する免疫系の反応を抑制するだけでなく、免疫系が感染に抵抗する能力や、がん細胞を破壊する能力も抑制してしまいます。そのため移植レシピエントでは、感染症やある種のがんを発症するリスクが高くなります。

拒絶反応

拒絶反応が起こる場合、しばしば移植直後から始まりますが、数週間後、数カ月後、ときには数年後にさえ起こることがあります。

拒絶反応の症状は、移植した臓器の種類と拒絶反応が生じた時期に依存します。移植直後に拒絶反応が起こった場合の症状としては、発熱、悪寒、吐き気、疲労感、急激な血圧の変化がみられることがあります。

感染症

以下のように、移植のレシピエントが感染症にかかるリスクを高める要因がいくつかあります。

  • 手術

  • 免疫抑制薬の使用

  • 移植が必要になる原因となった臓器の機能不全による免疫系の問題

レシピエントにみられる感染症には、手術後の回復期の患者にみられるものと同じものがあります。このような感染症には、手術部位や移植臓器への感染、肺炎や尿路感染症があります。

また、主に免疫機能が低下している人がかかる珍しい感染症(日和見感染症)にかかるリスクもあります。日和見感染症の原因には以下のものがあります。

  • 細菌(リステリア Listeria属やノカルジア Nocardia属など)

  • ウイルス(サイトメガロウイルス、BKウイルス、エプスタイン-バーウイルスなど)

  • 真菌(ニューモシスチス・イロベチイ Pneumocystis jiroveciiやアスペルギルス Aspergillus属など)

  • 寄生虫(トキソプラズマ Toxoplasma属など)

移植後には、感染症予防のためほとんどの患者に抗菌薬が投与されます。6カ月後には、約80%の患者で感染リスクが移植前のレベルに戻ります。

がん

一部のがんは、移植後などに免疫抑制薬を長期間使用していると発生しやすくなります。そのようながんには、一部の皮膚がん、リンパ腫、子宮頸がん、カポジ肉腫などがあります。

治療法は、移植を受けていないがん患者と同様です。ただし、ときにがんの治療中に免疫抑制薬を中断したり、用量を減らしたりすることがあります。

動脈硬化

一部の免疫抑制薬はコレステロールなどの脂質の量を増加させるため、動脈硬化(動脈に主に脂肪で構成される物質が沈着する)が発生することがあります。これらの脂肪が動脈の壁に蓄積し、血液の流れが低下したり遮断されたりすることで、心臓発作や脳卒中を引き起こす可能性があります。

動脈硬化は典型的に、腎移植から約15年後に発生します。

腎臓に起こる問題

臓器移植を受けた患者の約15~20%で腎臓の異常が発生し、特に小腸の移植の場合に多くみられます。腎臓が老廃物を除去する能力が衰えて、血液中に老廃物が蓄積します。

腎臓の異常の発生に関与することがある要因としては以下のものがあります。

  • 高用量の免疫抑制薬(特にシクロスポリンとタクロリムス)

  • 移植手術の身体的ストレス

痛風

痛風はよくみられ、特に心臓や腎臓の移植後に発生します。症状が重度になったり、急速に進行したりすることがあり、特に移植前に痛風があった場合やシクロスポリンまたはタクロリムスを使用した場合には、その可能性があります。

移植片対宿主病

移植片対宿主病は、ドナー由来の白血球(移植片)がレシピエント(宿主)の組織を攻撃することによって発生します。この病気は幹細胞移植のレシピエントで最も多く発生しますが、肝移植や小腸移植のレシピエントでも起こる可能性があります。

症状には、発熱、発疹、黄疸、嘔吐、下痢、腹痛、体重減少、感染のリスク上昇などがあります。これらの副作用により死に至ることもあります。しかし、メチルプレドニゾロンなどの特定の薬により、レシピエントの移植片対宿主病を解消したり、程度を軽くしたりできます。

骨粗しょう症と発育不良

移植前の時点で骨粗しょう症が発生するリスクが高い人は、免疫抑制薬(特にコルチコステロイド)の使用により、骨粗しょう症になる可能性があります。具体的には、体を動かさない生活習慣の人、喫煙や飲酒をする人、腎疾患がある人などです。

小児では、免疫抑制薬の使用によって発育不良が生じることがあります。

ほとんどの場合、移植を行う前に骨粗しょう症の検査が行われます。レシピエントには、骨量の減少抑えるためにビタミンDや骨量の減少を予防する薬(ビスホスホネート系薬剤など)が使用されることがあります。

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