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心臓移植

執筆者:

Martin Hertl

, MD, PhD, Rush University Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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心臓移植は、以下のいずれかの疾患があり、薬や移植以外の手術では有効な治療効果が得られない場合に限って行います。

  • 重い心不全

  • 冠動脈疾患

  • 不整脈

  • その他の重度の心疾患

薬物治療が効かなかった重度の肺高血圧症(肺動脈の血圧が高くなる病気)がある場合、心臓移植を行うことはできません。

一部の医療機関では、適合する心臓が見つかるまでの数週間から数カ月間、人工心臓で生命を維持できます。また、新しく開発された植込み型人工心臓(補助人工心臓)も移植用の心臓が手に入るまで使用されています。これらの装置は大幅に改良されているため、代用として長期間使用されることが増えてきています。その結果、心臓移植の必要性はある程度減少しています。

心臓移植を受けた人(レシピエント)の約95%は、移植前と比べて運動機能や日常生活機能が大きく改善されます。70%を超える患者がフルタイムの仕事に戻ります。心臓移植のレシピエントの約85~90%が1年以上生存しています。

ドナー(臓器提供者)

移植用の心臓は、すべて死亡直後のドナーから提供されます。ドナーは、60歳未満で、冠動脈疾患などの心疾患にかかったことがない人でなければいけません。さらに、ドナーとレシピエントの血液型と心臓の大きさが適合していなければなりません。

提供された心臓は、4~6時間以内に移植しなければなりません。

方法

レシピエントの胸部を切開して機能を失った心臓の大部分を摘出しますが、上部の心腔(心房)のいずれかの後壁だけは残し、この部分とドナーの移植心臓を縫い合わせます。

心臓移植には約3~5時間かかり、手術後の入院期間は通常7~14日間です。

移植を行った日から、コルチコステロイドなど免疫系を抑制する薬(免疫抑制薬)の使用を開始します。免疫抑制薬は、レシピエントが移植された心臓を拒絶するリスクを低下させるのに役立ちます。

合併症

移植によって様々な合併症が生じる可能性があります。

心臓移植後に発生する死亡のほとんどは、手術直後の拒絶反応または感染によるものです。

拒絶反応

移植した心臓に対する拒絶反応を防ぐため、免疫抑制薬を投与しなければなりません。

拒絶反応が起こった場合、脱力感および頻脈やその他の不整脈が現れることがあります。拒絶反応が起こると、移植した心臓が十分に機能しない可能性があり、血圧が下がったり、両脚やときとして腹部に水がたまり、浮腫と呼ばれる状態が生じたりします。肺に水分がたまって、呼吸困難が生じることもあります。しかし多くの場合、拒絶反応は軽度です。軽度の場合は症状が出ないこともありますが、心電図検査により心臓の電気的活動に変化が見つかる場合があります。

医師が拒絶反応を疑う場合、たいてい生検を行います。頸部を切開してそこからカテーテルを静脈に挿入し、心臓まで通します。次にカテーテルの先端の小さなメスで心臓の組織をごく小さく切り取って、顕微鏡で観察します。拒絶反応が深刻な結果となる可能性があるため、年に一度、定期的に生検を実施して、まだ症状として現れていない拒絶反応が起きていないか調べます。

移植に関連する動脈硬化

心臓移植を受けた患者の約4分の1は冠動脈の動脈硬化を起こします。

治療法としては、血液中の脂質(脂肪)値を下げる薬やジルチアゼム(血管が狭くなるのを予防するために役立つ薬)などがあります。

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