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免疫グロブリンが正常な選択的抗体欠損症

執筆者:

James Fernandez

, MD, PhD, Cleveland Clinic Lerner College of Medicine at Case Western Reserve University

最終査読/改訂年月 2018年 6月
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免疫グロブリンが正常な選択的抗体欠損症は、抗体(免疫グロブリン)の量が正常またはそれに近いにもかかわらず、特定の種類の抗原(体内に入った異物)への反応が不十分で、他の種類の抗原への反応は正常であるという特徴があります。

  • 免疫グロブリンが正常な選択的抗体欠損症の患者では、副鼻腔や肺の感染症が頻繁にみられます。

  • 血液中の免疫グロブリンの量を測定し、ワクチンに対する反応の程度を評価することにより診断を下します。

  • 治療では、肺炎球菌結合型ワクチンの接種、感染症を予防するための抗菌薬を用いるほか、ときには免疫グロブリン製剤を使用します。

ワクチン 能動免疫 予防接種(ワクチン接種)を行うことで、特定の細菌やウイルスが原因で起こる病気に対する体の抵抗力を高めることができます。免疫(特定の細菌やウイルスによって引き起こされる病気から自らを守る体に備わった能力)は、細菌やウイルスにさらされることで自然に生じる場合と、予防接種を受けることで人為的に得られる場合があります。ある病気に対して免疫ができる... さらに読む には、防御する対象として意図されている細菌やウイルスから抽出した抗原が含まれています。正常であれば、ワクチンを接種すると体の免疫システム(免疫系)が反応して、物質(抗体 抗体 獲得免疫(特異免疫)は、生まれたときには備わっておらず、後天的に獲得されるものです。獲得のプロセスは、免疫系が異物に遭遇して、非自己の物質(抗原)であることを認識したときに始まります。そして、獲得免疫を構成する要素が、それぞれの抗原について最良の攻撃方法を学習し、抗原を記憶していきます。獲得免疫が特異免疫とも呼ばれているのは、過去に遭遇した抗原に対し、それぞれに応じた(特異的な)攻撃をするからです。その優れたところは、学習し、適応し、記... さらに読む 抗体 など)を産生し、ワクチンに含まれている特定の細菌やウイルスを識別して攻撃する白血球を動員します。それ以降、接種を受けた人がその細菌やウイルスにさらされるたびに、免疫系が自動的に抗体を産生するなどして、病気の予防や軽減を図ります。選択的抗体欠損症の患者では、多糖体ワクチンに反応した抗体の産生が行われません。

患者には副鼻腔や肺の感染症が多くみられ、ときに慢性的な鼻汁や鼻づまり(鼻炎)、発疹、喘息などのアレルギーの症状がみられます。この病気の重症度は様々です。

一部の小児では、時間とともに自然に回復することもあります。

診断

  • 免疫グロブリンの量とワクチンへの反応を測定する血液検査

年齢の低い健康な小児でも副鼻腔や肺の感染症がしばしばみられ、特定のワクチンへの反応が弱いことがあるため、2歳に達するまでこの病気の検査は行いません。

検査では血液検査を行い、免疫グロブリンの量を測定するとともに、ワクチンに反応して免疫グロブリンが十分に産生されるかどうかを調べます。抗体の量が正常で、特定のワクチンへの反応が不十分な場合に診断が確定します。

治療

  • 肺炎球菌結合型ワクチンの接種

  • 感染症を治療するための抗菌薬

  • 場合により免疫グロブリン製剤

通常行われる小児予防接種の一環として、肺炎球菌感染を予防するために、小児に肺炎球菌結合型ワクチン 肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌 Streptococcus pneumoniae(肺炎双球菌)によって引き起こされる細菌感染症の予防に役立ちます。肺炎球菌感染症としては、耳の感染症、副鼻腔炎、肺炎、血流感染症、髄膜炎などがあります。 詳細については、CDCによる肺炎球菌結合型(PCV13)ワクチン説明書(Pneumococcal Conjugate [PCV13] vaccine... さらに読む を接種します。免疫グロブリンが正常な選択的抗体欠損症がある小児は、このワクチンには反応します(このワクチンは肺炎球菌多糖体ワクチンとは異なります)。

副鼻腔や肺の感染症とアレルギー症状を治療します。ときとして、感染症が治療後にも再発し続ける場合、感染症の再発を予防するために抗菌薬(アモキシシリンやトリメトプリム/スルファメトキサゾールなど)を投与します。

まれですが、これらの抗菌薬の使用にもかかわらず、感染症を頻繁に繰り返す場合は、免疫グロブリン製剤(免疫系が正常な人の血液から採取した抗体)を注射します。免疫グロブリン製剤は静脈内または皮膚の下に注射します。

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