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遺伝性および後天性の血管性浮腫

執筆者:

Peter J. Delves

, PhD, University College London, London, UK

最終査読/改訂年月 2018年 1月
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遺伝性血管性浮腫(遺伝性の病気)および後天性血管性浮腫(後天性C1インヒビター欠損症)は、免疫系の一部であるC1インヒビターの欠損または機能不全により発生します。いずれの疾患でも、皮下の腫れが繰り返し発生します。

遺伝性血管性浮腫と後天性血管性浮腫は、アレルギー反応で引き起こされる血管性浮腫と似ており、皮下組織が腫れます。しかし、じんま疹は現れず、原因は異なります。

後天性血管性浮腫はまれな疾患で、遺伝性血管性浮腫とは異なります。 リンパ腫 リンパ腫の概要 リンパ腫とは、リンパ系および造血器官に存在するリンパ球のがんです。 リンパ腫は、リンパ球と呼ばれる特定の白血球から発生するがんです。この種の細胞は感染を防ぐ役割を担っています。リンパ腫は、Bリンパ球やTリンパ球のいずれの細胞からも発生する可能性があります。Tリンパ球は免疫系の調節やウイルス感染に対する防御に重要です。Bリンパ球は抗体を産生... さらに読む リンパ腫の概要 などの特定のがんまたは 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデスは、関節、腎臓、皮膚、粘膜、血管の壁に起こる慢性かつ炎症性の自己免疫結合組織疾患です。 関節、神経系、血液、皮膚、腎臓、消化管、肺、その他の組織や臓器に問題が発生します。 血算と自己免疫抗体の有無を調べる検査を行います。 活動性の全身性エリテマトーデスでは、コルチコステロイドやその他の免疫の働きを抑制する薬がしばしば必要となります。 全身性エリテマトーデスの患者の約70~90%は、妊娠可能な年齢の女性ですが、小児(... さらに読む 全身性エリテマトーデス(SLE) などの自己免疫疾患や 皮膚筋炎 自己免疫性筋炎 自己免疫性筋炎は、筋肉の炎症と筋力低下(多発性筋炎)または皮膚と筋肉の炎症(皮膚筋炎)を引き起こす自己免疫リウマチ疾患のグループです。 筋肉が損傷すると筋肉痛が発生し、筋力低下によって、肩より上に腕を上げること、階段を昇ること、または座った姿勢から立ち上がることが困難になることがあります。 医師は、筋肉の酵素(筋酵素)の血中濃度を調べ、場合によっては筋肉の電気的活動性を検査し、筋肉のMRI(磁気共鳴画像)検査、筋肉組織の一部を採取して調... さらに読む 自己免疫性筋炎 によりC1インヒビターが欠損した場合に発生します。症状は、この欠損を引き起こす病気にかかった後、通常は高齢になってから現れます。

遺伝性と後天性のいずれの血管性浮腫も、以下によって腫れ(血管性浮腫)が誘発されます。

  • 歯科処置で発生することがあるような軽い傷

  • ウイルス感染

  • 特定の食品

  • 妊娠

  • 寒冷な環境にさらされる

歯科処置や外科処置の予定または実施に起因するようなストレスは、血管性浮腫を悪化させることがあります。

症状

顔、唇、舌、手や足の甲、性器などの部位が腫れたり、口、のど、気道、消化管を覆っている粘膜が腫れたりすることがあります。一般に、腫れた部位がわずかに痛みますが、かゆみはなく、じんま疹は現れません。よくみられる症状は吐き気、嘔吐、けいれん性の腹痛です。

声帯(喉頭)、のど、舌が腫れて、呼吸が妨げられることがあります。息を吸うときにあえぐような音がすることがあります。

血管性浮腫の画像

診断

  • 血液検査

以下のどちらもが認められる場合は、遺伝性または後天性血管性浮腫が疑われます。

  • 顔、唇、舌、手、足、性器などの部位に腫れがみられるが、じんま疹はみられない。

  • 腫れが再発し、原因が明らかではない。

これらの症状が家族にもみられる場合、遺伝性血管性浮腫が疑われます。

血液を採取して、C1インヒビターの量や活性を測定することで、遺伝性または後天性血管性浮腫と診断されます。

治療

  • エカランチドなどの薬または精製C1インヒビター

  • 新鮮凍結血漿

  • 将来の発作を予防する薬

エカランチドやC1インヒビター製剤(ヒトの血液に由来)などの特定の薬により、ときに腫れが緩和されます。しかし、このような薬が常に利用できるとは限りません。そのような場合は、 新鮮凍結血漿 血漿 血液には、以下のような様々な成分が含まれています。 赤血球 血小板 血漿(けっしょう) 白血球 さらに読む 血漿 、または欧州連合ではトラネキサム酸を投与できます。抗ヒスタミン薬やコルチコステロイドは、効果的ではありません。

痛み止め、吐き気を抑える薬(制吐薬)、輸液などが症状緩和に役立つことがあります。

緊急の治療

気道が突然腫れて呼吸困難になった場合、医師は気道を確保しなければなりません。そのためには、アドレナリンを皮下または筋肉内に注射して、腫れを抑えます。しかし、アドレナリンでは、速やかに腫れを抑えたり、十分な期間にわたり腫れを抑えたりすることができないことがあります。その場合、口や鼻から呼吸用のチューブを気管まで挿入します(挿管)。

ときに、気管の上の皮膚を小さく切開して、呼吸用のチューブを挿入しなければならないことがあります。

発作を予防する薬

合成男性ホルモンであるスタノゾロールやダナゾールがその後の発作の予防に役立つことがあります。これらの薬は、発作を誘発する可能性がある歯科処置や外科処置の前後数日間に投与できます。あるいは、長期にわたって発作防止のために投与することもできます。

これらの薬は内服で使用され、C1インヒビターをより多く産生するように体を刺激しますが、後天性血管性浮腫に対する効果はあまり高くありません。

ただし、これらの薬には男性化の副作用があるため、女性に長期にわたって投与する場合は、できるだけ早く投与量を減らし、またできるだけ少量の内服に留めます。

歯科処置や手術の1時間前にスタノゾロールやダナゾールの代わりに可能であればC1インヒビターを投与されることがあります。

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