がんによって現れる症状は、軽微なものから重いものまで様々です。( がんの概要 がんの概要 がんは、細胞が異常に増殖する病気です(通常は1つの異常な細胞から発生します)。がん細胞は正常な制御メカニズムを失っているため、増殖を続けたり、周辺の組織に侵入したり、体の離れた部位に移動したり、がん細胞が栄養を獲得できるように新しい血管の成長を促したりすることができます。悪性(がん)細胞は全身のあらゆる組織から発生する可能性があります。... さらに読む と がんの症状 がんの症状 がんは初めのうちは小さな細胞のかたまりで、特に症状はありません(がんの概要も参照)。がんが増殖するにつれて、それ自体が物理的に隣接する組織に影響を及ぼすようになります(がんの警戒すべき徴候も参照)。さらに、一部のがんは特定の物質を分泌したり、免疫反応を誘発したりして、それによりがんから離れた他の部位に症状が起こります(腫瘍随伴症候群を参照)。 ときに最初の徴候が、別の理由で行われた臨床検査の異常な結果である場合もあります(例えば、結腸が... さらに読む も参照のこと。)
乳房の痛みのないしこりなど、一部の症状はがんの早期に現れますので、がんの警戒すべき徴候として重要で、医師の診察を受ける必要があります。体重減少や発熱など、がんが進行した後にのみ現れる症状もあります。また排便習慣の変化、血便、嚥下(えんげ)困難など、体の特定の部位にできたがんを示す徴候となる症状もあります。
がんはあまり進行していないうちに治療を開始すれば治癒の可能性が高くなるため、早期発見が極めて重要です。いくつかの症状はがんの早期の警告になることがあるため、医療機関を受診するきっかけとするべきです。幸いにも、こうした症状の大半は、がんよりはるかに軽い病気によって生じているのが通常です。それでもなお、警戒すべきがんの徴候がみられた場合には、無視してはいけません。
警戒すべき徴候の一部は一般的な変化です。これはつまり、特定のがんを正確に突き止めるのには役に立たない漠然とした変化ということです。しかし、それらがみられるという事実は、がんの診断を否定したり確定したりするために必要な身体診察と臨床検査を行うという医師の判断に役立ちます。一方で、もっと特徴的で、医師ががんの種類や部位を特定する手がかりになる症状もあります。
がんの警戒すべき徴候としては、以下のものがあります。
原因不明の体重減少
疲労
寝汗
食欲不振
新たに生じた持続する痛み
繰り返す吐き気や嘔吐
尿への血液の混入
血便(見て分かるもの、または特別な検査で検出できるもの)
排便習慣が最近変化した(便秘、下痢)
発熱を繰り返す
慢性的なせき
ほくろの大きさや色の変化、治らない皮膚潰瘍の変化
リンパ節の腫れ
治らないただれ
大きくなったり見た目が変わったりする皮膚のできものやしみ