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輸血の概要

執筆者:

Ravindra Sarode

, MD, The University of Texas Southwestern Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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輸血とは、血液や血液成分を健康な供血者(ドナー)から病気の受血者(レシピエント)に移すことです。

米国では毎年約2500万件の輸血が行われています。輸血を行うことで、血液が酸素を運ぶ能力を高め、体内の血液量を回復させるとともに、血液凝固の障害を正常にします。典型的な輸血の受血者は以下のような人達です。

米国では、食品医薬品局(FDA)が血液とその成分の採取、輸送、保管を厳しく規制しています。これらの規制は供血者と受血者の両方を守るために設けられたものです。これに加えて、アメリカ赤十字社(適格基準を参照)、AABB(旧米国血液銀行協会)などの機関や、州と地域の保健当局がそれぞれ基準を設定しています。これらの規制があるため、献血や輸血は極めて安全です。それでも、輸血を受ける人には、アレルギー反応、発熱や悪寒、血液量過剰、細菌感染やウイルス感染などのリスクが依然としてあります。輸血によってエイズや肝炎、その他の感染症にかかる可能性は非常に低くなっているものの、医師はこれらのリスクをよく理解しており、輸血以外に選択肢がないときしか行いません。医師は、輸血を行う前に、輸血の危険性を受血者に説明し、その危険性について理解した上で輸血を受けることに同意する文書に署名を求めます(インフォームド・コンセントと呼ばれます)。まれに、供血者にもめまい、低血圧、吐き気、採血用に針を刺した部位のチクチク感やしびれなどの副作用が供血後に生じることがあります。

血液型検査

血液型は人によって異なります。血液型は、赤血球の表面にある特定の抗原(糖やタンパク質の分子の複合体[血液型A抗原とB抗原およびRh因子])の有無によって決定されます。これらの抗原が免疫反応のきっかけとなります。

血液型の主な4つは、A型、B型、AB型、O型です(カッコ内の数字は一般人口での割合を示します)。

  • A型:A抗原が存在しますが、B抗原は存在しません。(40%)

  • B型:B抗原が存在しますが、A抗原は存在しません。(10%)

  • AB型:A抗原とB抗原が存在します。(5%)

  • O型:A抗原もB抗原も存在しません。(45%)

また、血液にはRhプラス(赤血球の表面にRh因子が存在し、85%の人が当てはまります)とRhマイナス(Rh因子が存在せず、15%の人が当てはまります)があります。

正常であれば、A抗原やB抗原がない場合、欠けている抗原に対する抗体が自然にできます。例えば、A型であれば、自然に抗B抗体ができ、O型(A抗原とB抗原がどちらもありません)であれば、自然に抗A抗体と抗B抗体ができます。A抗原とB抗原に加えて、ほかにいくつかの血液型の抗原があり、赤血球上にも存在します。しかし、これらの抗原に対する抗体が自然に生じることはありません。このような抗体は、その抗原が輸血により現れた場合にのみ産生されます。

各血液型の人口に占める構成比には偏りがあります。米国の白人で最も多い血液型はO型Rhプラス(37%)とA型Rhプラス(33%)で、続いてB型Rhプラス(9%)、O型Rhマイナス(8%)、A型Rhマイナス(7%)、AB型Rhプラス(3%)、B型Rhマイナス(2%)、AB型Rhマイナス(1%)の順です。

適合する血液型

適合する血液型

最も安全に輸血が行えるのは、輸血する血液型が輸血を受ける人の血液型とRhにマッチする(つまり、血液型が適合する)場合です。そのため、血液バンクでは、輸血の前に供血者の血液と受血者の血液で血液型検査および交差適合試験と呼ばれる検査が行われます。この検査によって、危険な副作用や死に至るかもしれない副作用が生じる可能性を最小限に抑えます。

さらに、赤血球に対する特定の抗体の有無について、受血者の血液が検査されます。そのような抗体は輸血された血液と反応することがあります。

また一方で、緊急の際には、O型の赤血球をすべての人に輸血することできます。そのため、O型の人は万能供血者といわれています。AB型の人は逆に、どの血液型の献血者からも赤血球の輸血が受けられ、万能受血者として知られています。

Rhマイナスの人に輸血できるのはRhマイナスの血液に限られますが(ただし、生命を脅かす緊急事態の場合は除きます)、Rhプラスの人には、Rhプラスの血液でもRhマイナスの血液でも輸血できます。

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