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供血方法

執筆者:

Ravindra Sarode

, MD, The University of Texas Southwestern Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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供血(献血)は極めて安全に行われます。(輸血の概要 輸血の概要 輸血とは、血液や血液成分を健康な供血者(ドナー)から病気の受血者(レシピエント)に移すことです。 米国では毎年約2500万件の輸血が行われています。輸血を行うことで、血液が酸素を運ぶ能力を高め、体内の血液量を回復させるとともに、血液凝固の障害を正常にします。典型的な輸血の受血者は以下のような人達です。... さらに読む 輸血の概要 も参照のこと。)全血(つまり、すべての細胞成分を含む血液)として供血する場合は、全体で約1時間かかります。米国では、供血者は17歳以上で体重が約50キログラム以上でなければなりません(訳注:日本では献血の量と種類によりますが16~69歳、男性45キログラム以上、女性40キログラム以上)。さらに、健康状態が良好でなければなりません。脈拍、血圧、体温を測定し、採血して貧血 貧血の概要 貧血とは、赤血球の数やヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)の量が少ない状態をいいます。 赤血球には、肺から酸素を運び、全身の組織に届けることを可能にしているヘモグロビンというタンパク質が含まれています。赤血球数が減少したり、赤血球中のヘモグロビンの量が少なくなったりすると、血液は酸素を十分に供給できなくなります。組織に酸素が十分... さらに読む がないか調べます。健康状態、健康に影響のある事柄、訪れた国などについての質問も行われます。特定の疾患や因子があれば、恒久的に、または一定期間にわたり供血できません。典型的には、供血者にとって献血を危険にする要因や受血者への感染症伝播のリスクをもたらす要因が、不適格な因子とされます。供血を受け入れるか、拒否するかの決断が複雑なことがあります。 アメリカ赤十字社では、ウェブサイトで詳細な情報を提供しています(献血の適格基準[Blood Donation Eligibility Requirements]を参照) 。

知っていますか?

  • 献血が恒久的に不適格となる病気はほとんどありません。

  • 献血が不適格となる病気のほとんどが一時的なものであるため、最初に不適格となったとしても、最終的に供血できる場合がほとんどです。

  • 献血血液は、様々な感染症について検査されるため、その血液を介して感染症が伝染する可能性はほとんどありません。

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一般に、供血には56日以上の間隔を空けることになっています。供血者に謝礼を渡す慣行はほとんどなくなりました。それは、この慣行によって貧しい人々がすすんで供血者になろうとし、さらには不適格な状態を隠して献血に来るということもあったためです。

供血に適していると判断されると、リクライニングチェアに座るか、簡易ベッドに横になります。肘の内側の静脈が調べられ、どこから採血するか決定されます。採取する静脈の付近が完全に消毒されてから、針が刺され、一時的に滅菌テープで針が固定されます。通常は針を刺すときにチクッとした痛みを感じますが、あとは痛くありません。血液は針を通って採血バッグに入ります。採血にかかる時間は10分程度です。

米国における供血量の標準単位は、約450ミリリットルです(訳注:日本では200ミリリットルまたは400ミリリットル)。供血された血液は、保存剤と血液凝固防止剤の入った血液バッグに封入されます。各供血から少量のサンプルを取り、エイズ ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症とは、ある種の白血球を次第に破壊し、後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすことのあるウイルス感染症です。 HIVは、ウイルスやウイルスに感染した細胞を含む体液(血液、精液、腟分泌液)と濃厚に接触することで感染します。 HIVはある種の白血球を破壊し、感染症やがんに対する体の防御機能を低下させます。... さらに読む ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ウイルス性肝炎 急性ウイルス性肝炎の概要 急性ウイルス性肝炎は、5種類の肝炎ウイルスのいずれかの感染によって肝臓に炎症が起きる病気です。多くの場合、炎症は突然始まり数週間続きます。 症状は、何もみられない場合から重症の場合まであります。 感染すると、食欲不振、吐き気、嘔吐、発熱、右上腹部の痛み、黄疸などの症状がみられます。 医師は身体診察と検査用の採血を行います。 ワクチンはA型、B型、E型の肝炎を予防できます。 さらに読む 、その他の一部のウイルス性疾患、梅毒 梅毒 梅毒は、梅毒トレポネーマ Treponema pallidumという細菌によって引き起こされる性感染症です。 梅毒の症状は、見かけ上は健康な時期をはさんで、3段階で生じます。 まず患部に痛みのない潰瘍が現れ、第2期では、発疹、発熱、疲労感、頭痛、食欲減退がみられます。 治療しないでいると、第3期には、大動脈、脳、脊髄、その他の臓器が侵されることがあります。 医師は通常、患者に梅毒があることを確認するために2種類の血液検査を行います。 さらに読む 梅毒 などの原因になる感染微生物の有無が検査されます。

供血された血液の感染検査

供血された血液に感染微生物が含まれていると、輸血を介して感染症が伝染するおそれがあります。このため、供血資格は以前より厳しくなり、血液検査も以前より徹底的に行われるようになりました。供血された血液は、ウイルス性肝炎、エイズ、その他の一部のウイルス性疾患(ジカウイルスやウエストナイルウイルスなど)、シャーガス病、梅毒などを引き起こす微生物による感染がないか、必ず検査されます。

  • ウイルス性肝炎

    供血された血液は、輸血で感染を起こす型のウイルス性肝炎(B型とC型)を引き起こすウイルスについて検査されます。

    これらの検査で、感染している血液を必ず識別できるわけではありませんが、検査法や供血者のスクリーニングがより厳格になったことで、C型肝炎の感染リスクはほとんどなくなりました。米国では現在、2,000,000単位の輸血で1件未満の感染例がみられるくらいのリスクしかありません。

    B型肝炎はいまだに輸血による感染の可能性が最も高く、米国では1,000,000単位の輸血で約1件の感染例がみられる程度のリスクがあります。

  • エイズ

    米国では、供血された血液は、エイズを起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV)の有無についても検査されます。HIVに感染してから数週間は検査結果が陽性とならないことから、この検査は100%正確とはいえません。しかし、エイズが疑われる供血者にはスクリーニングの一環として問診が行われます。この問診では、エイズの危険因子に関すること、例えば、エイズが疑われる供血者かそのセックスパートナーに麻薬注射の経験がないか、男性同性愛者と性的関係をもったことがないかなどが尋ねられます。このような血液検査とスクリーニング問診が行われるため、米国では輸血を介してHIV感染が発生するリスクは極めて低くなり、最近の推定値によれば150万~200万件に1件の割合です。

  • 梅毒

    輸血で梅毒が伝染することはめったにありません。供血者のスクリーニングと梅毒の原因微生物についての血液の検査だけでなく、供血された血液を低温保存することで病原体を死滅させる対策もとられています。

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