(貧血の概要も参照のこと。)
体内の鉄分を使いきるには数カ月かかるため、鉄欠乏性貧血はゆっくりと進行するのが普通です。鉄の貯蔵量が減少すると、骨髄の赤血球産生が徐々に低下します。貯蔵された鉄分がなくなると、赤血球の数が減るだけでなく、大きさも異常に小さくなります。
鉄欠乏は貧血の原因として特に多いものの1つです。成人の場合、鉄欠乏になる最も一般的な原因は失血です。男性や閉経後女性で鉄欠乏がある場合は、消化管からの出血が疑われます。閉経前の女性では、月経出血が最もよくみられる鉄欠乏の原因です。乳児や幼児、青年期の女子、妊婦では、食事 で摂取する鉄分が少なすぎるために鉄欠乏を生じることがあります。
症状
診断
治療
鉄欠乏の原因として最もよくみられるのは過剰な出血であるため、まず出血の場所を特定し、出血を止めます。
慢性出血により鉄が不足している場合、普通の食事からの鉄分摂取だけで補うことは困難です。また、体内には極めて少量の鉄しか貯蔵されません。そのため、鉄剤を服用して失った鉄を補給する必要があります。
鉄分補給による鉄欠乏性貧血の治療は、出血が止まったとしても、通常3~6週間は必要になります。通常は鉄剤を内服します。鉄剤を服用すると、便の色が濃くなったり、黒くなったりして、しばしば便秘になります。鉄分は、オレンジジュースやビタミンCのサプリメントとともに朝食の30分前にとると、最も効率良く吸収されます。血球数が正常になった後も、体内の鉄分の貯蔵量が十分に回復するまで、通常は、鉄分補給をさらに6カ月間続けます。ときとして、大量の鉄分が必要な場合や口からの鉄分摂取に耐えられない場合に、鉄分を静脈から投与(静脈内投与)することがあります。
定期的に血液検査を行って、鉄分補給が十分かどうかを確認します。
鉄欠乏を治療することで異食症も治ります。