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サラセミア

(地中海貧血、サラセミアメジャーおよびサラセミアマイナー)

執筆者:

Evan M. Braunstein

, MD, PhD, Johns Hopkins School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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サラセミアは、ヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)を形成する4つのアミノ酸の鎖のうち1つの鎖の産生が不均衡なために生じる遺伝性疾患群です。

  • サラセミアの種類によって症状が異なります。

  • 黄疸のほか、腹部の膨満感や不快感を訴える人もいます。

  • 通常、診断には特別なヘモグロビン検査が必要です。

  • サラセミアが軽い場合は、ほとんど治療を必要としませんが、重症になれば、骨髄移植が必要になることもあります。

貧血の概要も参照のこと。)

ヘモグロビンは、2組のペアになったグロビンの鎖からつくられています。通常、成人ではアルファ鎖が1ペアとベータ鎖が1ペアで構成されています。ときには、これらの鎖のうち、1つ以上の鎖が異常になっていることがあります。サラセミアは、このように異常となったアミノ酸の鎖に基づいて分類されています。主に次の2種類があります。

  • アルファサラセミア(アルファ鎖に異常が生じる)

  • ベータサラセミア(ベータ鎖に異常が生じる)

アルファサラセミアは黒人に最も多く(25%が異常遺伝子を少なくとも1つ保有)、ベータサラセミアは地中海地域と東南アジア地域出身の人に最も多くみられます。

サラセミアは、欠陥遺伝子のコピーがいくつあるかによっても以下のように分類されます。

  • サラセミアマイナー:欠陥遺伝子のコピーが1つ(1対のうち1つが欠陥遺伝子)

  • サラセミアメジャー:欠陥遺伝子のコピーが2つ(1対のうち両方が欠陥遺伝子)

サラセミアの症状

サラセミアはいずれも同様の症状を示しますが、重症度は様々です。

アルファサラセミアマイナーとベータサラセミアマイナーでは、軽度の貧血だけで症状はありません。

アルファサラセミアメジャーでは、疲労感、息切れ、蒼白、脾腫(腹部の膨満感や不快感につながります)など、中等度ないし重度の貧血症状が現れます。

ベータサラセミアメジャー(ときにクーリー貧血と呼ばれます)では、疲労、脱力感、息切れなど重度の貧血症状が現れ、黄疸(皮膚や白眼が黄色くなります)、皮膚潰瘍、胆石などもみられることがあります。脾腫もみられることがあります。骨髄の活動が過剰になり、特に頭部と顔面の骨が厚く大きくなります。腕と脚の長管骨が弱くなり、骨折しやすくなります。

ベータサラセミアメジャーの小児は成長が遅く、思春期に達するのが正常より遅れます。鉄の吸収量が増加する場合があることに加え、頻繁な輸血が必要になる(さらに多くの鉄が供給される)ため、過剰な鉄が心筋に集まって沈着し、最終的には鉄過剰症や心不全が引き起こされ、早期死亡に至る場合もあります。

サラセミアの診断

  • 血液検査

  • ヘモグロビン電気泳動検査

  • 出生前検査

サラセミアの診断には血液検査を行います。血算を行い、血液のサンプルを顕微鏡で調べます。赤血球の特徴的な異常が認められることがあります。

別の血液検査であるヘモグロビン電気泳動検査も行われます。電気泳動では、電流を流すと様々な種類のヘモグロビンが分離されるため、異常なヘモグロビンが特定されます。1滴の血液を電気泳動で調べる検査が役立つこともありますが、特にアルファサラセミアでは診断の確証を得にくい傾向があります。このため、通常は特殊なヘモグロビン検査と遺伝様式の判定を基に診断を行います。

サラセミアを検出するために出生前に遺伝子検査を行うことがあります。

サラセミアの治療

  • ときに輸血、脾臓の摘出、または鉄キレート療法

  • 幹細胞移植

軽度のサラセミアではほとんどの場合、治療は必要ありません。

より重度のサラセミアの場合は、手術による脾臓切除(脾臓摘出術)、輸血、鉄キレート療法が必要になります。キレート療法では、余分な鉄が血液中から除去されます。鉄キレート療法は、デフェラシロクスやデフェロプリン(deferiprone)の経口投与や、デフェロキサミンの皮下または静脈内投与によって行われます。

重症のサラセミアの場合は、幹細胞移植が必要になることもあります。

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