血液に生じる病気は、血液疾患または血液学的疾患と呼ばれます。多くの血液疾患があり、血液中の細胞(血球)の量や機能が変化したり、 血液凝固系 血栓について 止血とは、傷ついた血管からの出血を止めようとする体の働きです。止血の過程では、血液の凝固が起こります。 凝固の働きが弱すぎると、軽いけがでも、大量の出血が起きるようになります。 凝固の働きが強すぎると、出血が起きていない血管がふさがれてしまうことがあります。 そのため、人の体には、血液の凝固を抑制し、必要なくなった血のかたまりを溶かすため... さらに読む または 免疫系 免疫系の概要 人間の体には、異物や危険な侵入物から体を守るために、免疫系が備わっています。侵入物には以下のものがあります。 微生物( 細菌、 ウイルス、 真菌など) 寄生虫(蠕[ぜん]虫など) がん細胞 移植された臓器や組織 さらに読む で働くタンパク質が影響を受けたりすることがあります。
以下の血液疾患では、血球数が減少します。
以下のように血球数が増加する血液疾患もあります。
その他に、以下のような 血球または血漿 血漿 血液の主な成分 血漿(けっしょう) 赤血球 白血球 血小板 さらに読む (血液の液体部分)中のタンパク質に影響を与える血液疾患もあります。
ヘモグロビンと呼ばれる赤血球内の酸素を運ぶタンパク質
血液は全身を流れて各細胞に達しており、身体のすべての臓器の健全性や機能に重要です。
血球は骨髄でつくられ、多くの血液中のタンパク質は肝臓や血球自体でつくられます。血球と血液中のタンパク質は、以下の機能を果たしています。
赤血球にはヘモグロビンが含まれており、ヘモグロビンは、身体の各部分に酸素を運びます。
白血球と抗体は、感染やがんを排除する役割を果たしています。
血小板と血液凝固因子は、出血を止めたり、出血しないように防止したりします。
血液疾患 血液疾患の症状 血液疾患では、ほぼすべての身体部位に様々な症状が現れる可能性があります。最も一般的には、血液成分の減少により症状が生じます。 赤血球とヘモグロビンが減少すると、疲労、脱力感、息切れなどの 貧血の症状が現れることがあります。 白血球や 免疫系のタンパク質が減少すると、 発熱や感染症が繰り返し起こることがあります。... さらに読む では、上に述べた機能が損なわれることによって症状が現れ、有害な影響を受けた組織や臓器に症状がみられます。
医師は、症状について尋ね、 身体診察 血液の病気に関する病歴聴取と身体診察 医師は最初に病歴を聴取します( 症状や職業上またはその他の曝露状況、家族の情報について尋ねます)。次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察の所見は、どの 臨床検査が必要かを医師が判断するのに役立ちます。 医師は、出現しうる多種多様な症状に基づいて血液疾患を疑います。さらに、病歴に特定の要因があれば、血液疾患のリスクがあることが分かります... さらに読む を行います。しかし、多くの場合は、医師が一般検診時に一式の検査を行う際や、身体の不調を訴える人の検査を行う際に、血算(CBC)などの 血液検査 血算 医師は、症状と 身体診察の結果に基づいて血液疾患の診断に役立つ検査を選択します。症状が認められず、別の理由で臨床検査を実施した際に、血液疾患が発見されることがあります。例えば、定期的な健診の一部として実施した血算により 貧血が明らかになることがあります。血液疾患が疑われる場合は、具体的な診断を行うために、血算やその他の検査を行う必要があり... さらに読む を実施することで、はじめて血液疾患が発見されます。通常は血液疾患の診断を下すために、さらなる血液検査を行う必要があります。また、 骨髄生検 骨髄検査 赤血球、ほとんどの 白血球、 血小板は、骨髄という骨の中にある脂肪に富んだ柔らかい組織でつくられます。場合によっては、血球が異常となった原因や、特定の種類の血球が少なすぎたり、多すぎたりする原因を特定するために、骨髄サンプルを調べなければならないことがあります。骨髄サンプルを採取するには、次の2つの方法を用いることができます。... さらに読む が必要になることもあります。