医師は最初に病歴を聴取します(症状 血液疾患の症状 血液疾患では、ほぼすべての身体部位に様々な症状が現れる可能性があります。最も一般的には、血液成分の減少により症状が生じます。 赤血球とヘモグロビンが減少すると、疲労、脱力感、息切れなどの 貧血の症状が現れることがあります。 白血球や 免疫系のタンパク質が減少すると、 発熱や感染症が繰り返し起こることがあります。 血小板や 血液凝固因子が減少すると、異常な 出血やあざ(皮下出血)がみられることがあります。... さらに読む や職業上またはその他の曝露状況、家族の情報について尋ねます)。次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察の所見は、どの 臨床検査 血液疾患に対する臨床検査 医師は、症状と 身体診察の結果に基づいて血液疾患の診断に役立つ検査を選択します。症状が認められず、別の理由で臨床検査を実施した際に、血液疾患が発見されることがあります。例えば、定期的な健診の一部として実施した血算により 貧血が明らかになることがあります。血液疾患が疑われる場合は、具体的な診断を行うために、血算やその他の検査を行う必要があります。 最も多く行われる血液検査は、血算(CBC)です。血算では、血液中のすべての血球成分(赤血球、... さらに読む が必要かを医師が判断するのに役立ちます。
病歴聴取
医師は、出現しうる多種多様な症状に基づいて血液疾患を疑います。さらに、病歴に特定の要因があれば、血液疾患のリスクがあることが分かります。いくつかの例を以下に示します。
家族の1人が血液疾患
出血を引き起こすおそれのある薬(アスピリン、非ステロイド系抗炎症薬、ワルファリンなど)の使用
出血や骨髄損傷を引き起こすおそれのある化学物質への曝露(例えば、職業曝露)
身体診察
身体診察では、血液疾患に関係する可能性のある特定の身体所見がないかを調べます。
皮膚や粘膜(まぶたの裏側や口の中など)を診察し、蒼白、異常な血管(毛細血管拡張症 毛細血管拡張症 毛細血管拡張症は、細い静脈が拡張して皮膚の上から透けて見えるようになったものです。 ( 静脈系の概要も参照のこと。) 毛細血管拡張症(脚のくも状血管腫とも呼ばれる)は、細い静脈が拡張することで、皮膚の上から透けて見えるようになったものです。 毛細血管が拡張した状態である毛細血管拡張症は、 静脈瘤の有無にかかわらず、多くの人にみられます。毛細血管は、心臓から全身に血液を送る動脈と全身から心臓に血液を戻す... さらに読む
)、あざ(皮下出血)、小さな赤色や紫色の斑点、赤い発疹がないか調べます。
首、わきの下、脚の付け根に触れて、リンパ節が腫れていないか調べます。
関節を診察して、圧痛や腫れがないか調べます。
腹部を診察して、脾臓や肝臓が腫れていないか触診します。
直腸の診察(直腸診)を行い、便に血液が含まれていないか調べます。