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血液の構成要素

執筆者:

Ravindra Sarode

, MD, The University of Texas Southwestern Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 1月
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本ページのリソース

血液の主な成分

  • 血漿(けっしょう)

  • 赤血球

  • 白血球

  • 血小板

血漿

血漿は血液の液体成分で、その中に赤血球、白血球、血小板が浮遊しています。血液量の半分以上を血漿が占めており、そのほとんどが水分で、その中に塩類(電解質)やタンパク質が溶けています。血漿中の主なタンパク質がアルブミンです。アルブミンは血液の液体成分が血管から組織に漏れ出るのを防ぎ、またホルモンや薬などの物質に結合して運搬する働きをしています。血漿中のタンパク質には、このほかにウイルス、細菌、真菌、がん細胞などから体を保護する役割を担う抗体 抗体 獲得免疫(特異免疫)は、生まれたときには備わっておらず、後天的に獲得されるものです。獲得のプロセスは、免疫系が異物に遭遇して、非自己の物質(抗原)であることを認識したときに始まります。そして、獲得免疫を構成する要素が、それぞれの抗原について最良の攻撃方法を学習し、抗原を記憶していきます。獲得免疫が特異免疫とも呼ばれているのは、過去に遭遇した抗原に対し、それぞれに応じた(特異的な)攻撃をするからです。その優れたところは、学習し、適応し、記... さらに読む 抗体 (免疫グロブリン)や、出血を止める血液凝固因子 血栓について 止血とは、傷ついた血管からの出血を止めようとする体の働きです。止血には血液の凝固が伴います。 血液が凝固しすぎると、出血していない血管までふさいでしまうことがあります。 凝固が不十分すぎると、軽いけがでも過剰な出血が生じやすくなります。 ゆえに体には、凝固を抑制し、もはや必要なくなった血のかたまりを溶かすための仕組みが備わっています。この... さらに読む などがあります。

血漿には別の働きもあります。水分の貯蔵庫として、組織に水分が不足していれば補給し、余分になると吸収します。つまり、体内の組織に水分が足りなくなると、まず血漿中の水分がそれを補う供給源になります。血漿は血管を満たして絶えず流れていることにより、血管がつぶれたり詰まったりするのを防ぎ、血圧と全身の循環を維持するのに役立っています。また、血漿が循環することで、体の芯となっている組織で発生した熱が、腕や脚、頭など熱の逃げやすい部分を通って運ばれるため、体温を調節する役割を果たすことにもなります。

赤血球

赤血球は、血液量の約40%を占めています。赤血球にはヘモグロビンというタンパク質が含まれていて、血液の色が赤い原因になっていますが、これがあるために肺から酸素を取り込んで全身の組織に酸素を届けることができます。細胞は酸素を使って体に必要なエネルギーを生み出し、老廃物として二酸化炭素を出します。赤血球はこの二酸化炭素を組織から肺へ運びます。赤血球の数が少なすぎる状態(貧血 貧血の概要 貧血とは、赤血球の数やヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)の量が少ない状態をいいます。 赤血球には、肺から酸素を運び、全身の組織に届けることを可能にしているヘモグロビンというタンパク質が含まれています。赤血球数が減少したり、赤血球中のヘモグロビンの量が少なくなったりすると、血液は酸素を十分に供給できなくなります。組織に酸素が十分... さらに読む )になると、十分な量の酸素を運ぶことができず、疲労感や脱力感などの症状が現れます。赤血球の数が多すぎる状態(赤血球増多症 真性多血症 真性多血症とは、骨髄増殖性疾患の一種で、骨髄中の造血細胞の異常によって全種類の血液の細胞が過剰生産される病気です。 原因は不明です。 疲労感や脱力感を覚えたり、ふらつきや息切れを感じたりすることがあり、血栓に起因する症状が現れることもあります。 診断には血液検査を行います。 瀉血(しゃけつ)という処置を行って、過剰な赤血球を抜き取り、場合によってはアスピリンを服用し、ときに他の薬を使用します。 さらに読む 、真性多血症でみられるような)になると、血液が濃くなりすぎて固まりやすくなり、心臓発作 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) 急性冠症候群は、冠動脈が突然ふさがる(閉塞)ことによって起こります。閉塞の位置と量に応じて、不安定狭心症か心臓発作(心筋梗塞)が起こります。 急性冠症候群を発症すると、通常は胸部の圧迫感や痛み、息切れ、疲労などが起こります。 急性冠症候群が起きたと思ったら、まず救急車を呼んでから、アスピリンの錠剤を噛み砕いて服用します。 病院では心電図検査と血液中の物質を測定する検査により、急性冠症候群かどうかを診断します。... さらに読む 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) 脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中は、脳に向かう動脈が詰まったり破裂したりして、血流の途絶により脳組織の一部が壊死し(脳梗塞)、突然症状が現れる病気です。 脳卒中のほとんどは虚血性(通常は動脈の閉塞によるもの)ですが、出血性(動脈の破裂によるもの)もあります。 一過性脳虚血発作は虚血性脳卒中と似ていますが、虚血性脳卒中と異なり、恒久的な脳損傷が起こらず、症状は1時間... さらに読む のリスクが高くなります。

白血球

白血球の数は赤血球 赤血球 血液の主な成分 血漿(けっしょう) 赤血球 白血球 血小板 さらに読む 赤血球 に比べて少なく、赤血球600~700個に対して1個の割合です。白血球の主な働きは、体を感染から守ることです。白血球には5つのタイプがあります。

最も数が多いのが好中球で、細菌や真菌を殺して取り込んだり、異物を取り込んだりすることによって体を感染症から守っています。

リンパ球には3つの種類があり、そのうちT細胞(Tリンパ球)とナチュラルキラー細胞は、ウイルス感染から体を守っており、がん細胞を発見して破壊することもありますし、B細胞(Bリンパ球)は、抗体をつくる細胞になります。

単球は、死んだ細胞や損傷した細胞を取り込み、感染の原因になる様々な微生物から体を守ります。

好酸球は、寄生虫を殺し、がん細胞を破壊するほか、アレルギー反応にも関係しています。

好塩基球も、アレルギー反応に関係しています。

白血球には血流に乗ってスムーズに流れているものもありますが、多くは血管の壁に付着していて、なかには血管の壁を通り抜けて別の組織に入り込むものもあります。白血球は感染を起こしたところや問題のあるところに到着すると、さらに多数の白血球を呼び寄せる物質を放出します。白血球の働きは軍隊に似ていて、全身にくまなく分布していますが、微生物が侵入するとすぐに集まってきて撃退する準備を整えています。この任務を成し遂げるため、白血球 白血球 は、微生物を飲み込んで分解したり、抗体を産生したりしますが、この抗体が微生物にくっつくことによって、さらに撃退しやすくなります。

白血球数が少なくなりすぎた状態(白血球減少症 白血球の病気の概要 白血球は、感染性微生物や外来物質から体を守る重要な役割を担っています(免疫系)。体を十分に守るためには、感染性微生物や外来物質が体内に侵入したというメッセージを受けた十分な数の白血球がその場所に向かい、有害な微生物や物質を殺して消化する必要があります( リンパ系:感染に対する防御を補助する)。... さらに読む 白血球の病気の概要 )になると、感染を起こしやすくなります。白血球数が正常値より多くなった状態(白血球増多症 白血球の病気の概要 白血球は、感染性微生物や外来物質から体を守る重要な役割を担っています(免疫系)。体を十分に守るためには、感染性微生物や外来物質が体内に侵入したというメッセージを受けた十分な数の白血球がその場所に向かい、有害な微生物や物質を殺して消化する必要があります( リンパ系:感染に対する防御を補助する)。... さらに読む 白血球の病気の概要 )になったとしても、直接それによる症状が現れることはありませんが、感染症や炎症、白血病 白血病の概要 白血病は、白血球または成熟して白血球になる細胞のがんです。 白血球は骨髄の幹細胞から成長した細胞です。ときには成長がうまくいかずに、染色体の一部の並びが変化してしまうことがあります。こうして異常となった染色体により正常な細胞分裂の制御が失われ、この染色体異常がある細胞が無制限に増殖するようになったり、細胞がアポトーシス(不要になった細胞が... さらに読む などの基礎にある病気の徴候として白血球数が増えることがあります。

血小板

血小板は、細胞に似ていますが細胞ではなく、赤血球や白血球より小さい粒子です。血小板の数は赤血球より少なく、赤血球約20個に対して1個の割合です。血小板は血液の凝固作用に関与していて、出血しているところに集まって凝集し、血栓という血のかたまりをつくって血管の損傷部分をふさぎます。同時に、さらに凝固を促す物質を放出します。血小板の数が少なすぎる状態(血小板減少症 血小板減少症の概要 血小板減少症とは、血小板の数が少なくなった状態で、出血のリスクが高まります。 血小板減少症は、骨髄で作られる血小板が少なすぎる場合や血小板が破壊されすぎたり、腫大した脾臓に蓄積されすぎたりした場合に発生します。 皮下出血やあざがみられます。 血液検査を行って、診断を確定するとともに、その原因を特定します。 ときには治療(血小板輸血、プレドニゾン[日本ではプレドニゾロン]、または脾臓摘出)が必要になることがあります。 さらに読む 血小板減少症の概要 )になると、あざや異常な出血が起こりやすくなります。血小板が多すぎる状態(血小板血症 原発性血小板血症 血小板血症とは、血小板が過剰に作られ、血液の凝固や出血にかかわる異常が生じる病気です。 手や足に灼熱感や発赤、チクチクした痛みを感じたり、指先が冷たく感じたりすることがあります。 通常は、血液検査で診断が得られますが、骨髄生検が必要になることもあります。 症状を抑え、血小板の生産量を減らす治療が行われます。 (骨髄増殖性疾患の概要も参照のこと。) さらに読む )になると、血液が固まりやすくなり、一過性脳虚血発作 一過性脳虚血発作(TIA) 一過性脳虚血発作(TIA)は、脳への血液供給が一時的に遮断されるために起こる脳機能障害で、典型的には症状は1時間以内に消失します。 TIAの原因と症状は虚血性脳卒中と同じです。 TIAは、通常1時間以内に症状が消失し、恒久的な脳損傷を残さない点で虚血性脳卒中と異なります。 症状に基づいてTIAが疑われますが、脳画像検査も行われます。 TIAの原因を特定するために、他の画像検査や血液検査も行われます。 さらに読む の原因になります。血小板の数が極端に多くなると、血小板が血液凝固に関わるタンパク質を吸収し、逆に出血の原因となります。

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