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免疫性血小板減少症

(特発性血小板減少性紫斑病、免疫性血小板減少性紫斑病、ITP)

執筆者:

David J. Kuter

, MD, DPhil, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2018年 5月
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免疫性血小板減少症(ITP)は、血小板に影響を及ぼす別の病気がない場合に、血小板の数が減少することで発生する出血性の病気です。

  • 皮膚に小さな紫色の斑点(点状出血)ができ、出血しやすくなることがあります。

  • 診断には、血液検査を行って、血小板の数を測定します。

  • 血小板の破壊を防ぐために、コルチコステロイドなどの薬が投与されます。

  • 血小板の生産を増やす薬が有効な患者もいます。

  • 成人では、ときに脾臓が摘出されることがあります。

血小板は、骨髄で作られて血液中を循環している細胞で、血液凝固を助けます。血液には、通常1マイクロリットル当たり14万~44万個の血小板が含まれています。血液中の血小板数が1マイクロリットル当たり約5万個を下回った場合は、比較的軽いけがでも出血する可能性があります。しかし、出血リスクが最も大きくなるのは、一般に血液中の血小板数が1マイクロリットル当たり1万~2万個を下回ってからです。血小板数がここまで少なくなると、傷が認められなくても出血するようになります。

免疫性血小板減少症は、抗体ができて血小板が破壊される病気です。抗体ができる原因は不明ですが、小児では、免疫性血小板減少症がしばしばウイルス感染後に発生します。骨髄では血小板の生産が増加して破壊された分を補おうとしますが、通常、必要量に追いつくことができません。血小板を破壊している抗体が骨髄も攻撃して血小板の生産を低下させることがあります。

成人では、免疫性血小板減少症は通常長く持続します(慢性)。小児では、免疫性血小板減少症はしばしば自然に回復します。

症状

免疫性血小板減少症では、症状が突然現れる場合もあれば、徐々に潜行的に現れる場合もあります。

血小板数低下の最初の徴候は、皮膚の内出血です。しばしば下腿の皮膚に小さな赤い斑点(点状出血)が多数現れ、ちょっとした打ち身で黒っぽい青あざ(斑状出血または紫斑)が広がることがあります。歯ぐきから出血する場合や、便や尿に血液が認められる場合があります。月経の出血や鼻出血が多量になることもあります。また、出血が止まりにくくなります。

血小板の減少が進むと、こうした出血傾向が悪化します。血小板数が非常に少なくなると、消化管から多量の血液が失われたり、外傷がなくても生命を脅かす脳内出血を起こしたりします。

診断

  • 血小板の数を測定する血液検査

血液中の血小板数が1マイクロリットル当たり10万個を下回り、かつ赤血球や白血球の数に同様な減少がみられない場合で、さらに感染や特定の薬の使用など、血小板減少症の明確な原因がほかにない場合に免疫性血小板減少症と診断されます( 血小板減少症の原因)。免疫性血小板減少症であることを十分に確定するような確立された検査法はありません。

血小板数を自動計測器で測定して、血小板減少症の程度を判定することがありますが、血液サンプルを顕微鏡で検査して、原因の手がかりを得る必要があります。免疫性血小板減少症を血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)や溶血性尿毒症症候群(HUS)と区別するには顕微鏡検査が欠かせません。血栓性血小板減少性紫斑病と溶血性尿毒症症候群は、血小板を破壊することで血小板減少症を引き起こしますが、別の病気です。

まれですが、血小板生産についてさらに詳しく調べるために、骨髄の組織を採取して顕微鏡で観察します(骨髄生検と骨髄穿刺)。

治療

  • コルチコステロイド

  • 免疫グロブリン静脈内注射、トロンボポエチン受容体作動薬、免疫抑制薬(例えば、リツキシマブ、アザチオプリン、ミコフェノール酸)

  • ときに脾臓摘出

  • まれに血小板輸血

免疫性血小板減少症では、血小板を破壊する抗体の影響をプレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドの投与や免疫グロブリン製剤の静脈内注射により一時的に食い止めることが可能で、これにより血小板数を増やすことができます。小児では、治療から数週間ないし数カ月で回復するのが普通です。

一部の成人では、1年間で回復しますが、それより長くなるのがほとんどです。コルチコステロイドで十分な効果がみられない成人では、血小板の生産を高める薬(トロンボポエチン受容体作動薬)や、リツキシマブ、アザチオプリン、ミコフェノール酸など、免疫系を抑制する別の薬が必要になる場合があります。

トロンボポエチン受容体作動薬(ロミプロスチムやエルトロンボパグ)は、血小板生産速度を速め、数年間にわたり効果が持続する可能性があります。これらの薬は、脾臓摘出術を受けることができない(またはその意思がない)場合に特に有用です。

免疫性血小板減少症の一部の成人(通常は小児以外)は、最終的に脾臓を切除する手術(脾臓摘出術)を受けて、血小板を増やすことが有益となります。脾臓摘出術のマイナス面は、血栓やがん、特定の生命を脅かす感染症のリスクが高まることなどです。脾臓摘出術を受けた場合は、感染リスクを抑えるために(完全になくすことはできません)、特定の抗菌薬やワクチンが投与されることがあります。脾臓摘出術ではなく薬物療法が使用されることが増えてきています。

生命を脅かす出血がある場合は、血小板輸血が行われることがあります(コルチコステロイドや免疫グロブリン製剤の静脈内投与への追加として)。

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