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慢性リンパ性白血病(CLL)

執筆者:

Ashkan Emadi

, MD, PhD, University of Maryland;


Jennie York Law

, MD, University of Maryland

最終査読/改訂年月 2018年 11月
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慢性リンパ性白血病は通常ゆっくりと進行する病気であり、成熟しているように見えるリンパ球ががん化し、徐々にリンパ節の正常な細胞と入れ替わります。

  • 症状が現れないこともありますが、疲労感、発熱、寝汗、意図しない体重減少などの全身症状がみられることもあります。

  • リンパ節が腫れたり、脾臓の腫大による腹部膨満感を覚えたりすることもあります。

  • 診断には血液検査が必要です。

  • 治療には、化学療法薬やモノクローナル抗体などがあり、ときには放射線療法も使用されます。

慢性リンパ性白血病(CLL)は、全体の4分の3以上の患者が60歳以上で、小児にはみられません。北米や欧州では、最も多くみられる白血病が慢性リンパ性白血病です。日本や東南アジアではまれにしかみられないため、慢性リンパ性白血病の発症は遺伝が一因となっていることを示しています。

慢性リンパ性白血病では、成熟しているように見えるリンパ球ががん化して、最初に血液中や骨髄中、リンパ節内で増殖します。がん化したリンパ球は、続いて肝臓と脾臓に広がり、これらの臓器が腫れて大きくなってきます。骨髄では、がん化したリンパ球が正常細胞と入れ替わり、血液中の赤血球が減少し、正常な白血球と血小板の数も減少します。抗体(感染から体を守る役割を担うタンパク質)の量も減少します。このタイプの白血病では免疫系に異常が生じることもあり、本来なら微生物や異物に対する防御を担っている免疫系が、正常な組織に対して反応し、破壊してしまうことがあります。こうした免疫機能の異常によって、赤血球、好中球、または血小板が破壊されることがあります。

慢性リンパ性白血病は、アグレッシブリンパ腫に変化することがあります。この変化が起きた状態をリヒター症候群と呼び、2~10%の症例で発生します。

慢性リンパ性白血病は、ほとんどの場合、Bリンパ球(B細胞)の病気です。

知っていますか?

  • 慢性リンパ性白血病は、小児にはみられません。

症状

初期の慢性リンパ性白血病では一般に症状がみられず、白血球数の増加から診断されます。後に現れる症状には以下のものがあります。

  • リンパ節の腫れ

  • 疲労

  • 食欲不振

  • 体重減少

  • 寝汗

  • 運動時の息切れ

  • 脾臓の腫れに起因する腹部膨満感

慢性リンパ性白血病が進行するにつれて、顔色が青白くなったり、あざができやすくなったりすることがあります。細菌、ウイルス、真菌などの感染症は、通常病気が進行するまで発生しません。

診断

  • 血液検査

慢性リンパ性白血病は、別の理由で血算を行ったときにリンパ球が多いことから偶然発見されることがあります。異常なリンパ球の特徴を明らかにするために、採血を行ってその中に含まれている細胞を調べるための特殊な血液検査(フローサイトメトリーや細胞表面マーカー検査と呼ばれます)を行うことがあります。血液検査でも、赤血球、血小板、抗体が減少していることが明らかになります。

骨髄検査は慢性リンパ性白血病の診断には必要ありませんが、行った場合には、しばしばリンパ球の増加がみられます。

予後(経過の見通し)

通常、慢性リンパ性白血病はゆっくり進行します。医師は、生存期間を予測するために、病気がどの程度まで進行しているかを判定します(病期分類)。病期診断は、以下のいくつかの要因に基づいて行います。

  • 血液中のリンパ球数

  • 骨髄中のリンパ球数

  • 脾臓の大きさ

  • 肝臓の大きさ

  • 血液中の赤血球数

  • 血液中の血小板数

慢性リンパ性白血病の早期患者の多くは診断後10~20年以上生存し、初期の段階で通常は治療を必要としません。赤血球が少ない(貧血)場合や血小板が少ない場合は、直ちに治療を行う必要があり、予後は良くありません。慢性リンパ性白血病による死亡は、骨髄で正常な細胞が十分に作られなくなり、酸素の運搬、感染に対する防御、出血の抑止といった機能が果たされなくなることが原因です。

慢性リンパ性白血病では皮膚がんや肺がんといった別のがんが生じやすく、これは免疫系の変化に関係があると考えられています。慢性リンパ性白血病は、リンパ系のがんでさらに進行が速いタイプへ変化することもあります(リンパ腫)。

治療

  • 化学療法

  • 免疫療法

慢性リンパ性白血病はゆっくりと進行するため、リンパ球の数が増え始めたり、症状が現れたり、リンパ節が腫れだしたり、または赤血球や血小板の数が減少したりしない限り、数年は治療を必要としません。

薬物療法

化学療法薬免疫療法薬(モノクローナル抗体など)などの薬物療法は、症状を緩和したり、腫大したリンパ節や脾臓を小さくしたりするのに役立ちますが、白血病を治癒させるわけではありません。治療を行うことで、数年間にわたって慢性リンパ性白血病を抑えることができ、再発時にもしばしば同じ治療が行われ、効果が得られます。

慢性リンパ性白血病に使用される薬剤について、標準とされている組合せはありません。B細胞系の慢性リンパ性白血病に対する最初の薬物療法では、通常はフルダラビンやシクロホスファミドなどの薬剤が使用され、がん細胞のDNAに作用して死滅させます。現在、慢性リンパ性白血病の治療には化学療法薬とリツキシマブと呼ばれるモノクローナル抗体も使用されています。通常、この併用療法により、慢性リンパ性白血病を抑制する(寛解に導く)ことができます。やがて、ほとんどの慢性リンパ性白血病がこれらの薬剤に抵抗性を示すようになります。次に別の薬剤や別のモノクローナル抗体を用いた治療が考慮されます。

イブルチニブは、慢性リンパ性白血病の一部の患者で持続的な寛解をもたらしている新しい薬剤です。最初の治療や、ほかの治療で効果が出る可能性が低い慢性リンパ性白血病、ほかの治療で効果がみられなかった(難治性)または再発した慢性リンパ性白血病で使用できます。再発した人には、ときに造血幹細胞移植を行うことができます。

慢性リンパ性白血病の症状を改善する治療(対症療法)

赤血球数の減少による貧血は、輸血により治療しますが、場合によっては、エリスロポエチンやダルベポエチンという薬剤(赤血球の生産を促進する薬)の注射で治療することもあります。血小板数が不足している場合は血小板を輸血し、感染症には抗微生物薬を使用します。リンパ節、肝臓、脾臓などの腫大が不快感をもたらし、化学療法で効果が得られない場合は、腫れを軽減させるために放射線療法が用いられます。

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