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高ナトリウム血症(血液中のナトリウム濃度が高いこと)

執筆者:

James L. Lewis III

, MD, Brookwood Baptist Health and Saint Vincent’s Ascension Health, Birmingham

レビュー/改訂 2020年 4月
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高ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が非常に高い状態をいいます。

  • 高ナトリウム血症には脱水がかかわっていますが、この脱水の原因としては、水分の摂取不足、下痢、腎機能障害、利尿薬など様々なものがあります。

  • 主にのどの渇きを覚えるほか、高ナトリウム血症が悪化した場合は、錯乱や筋肉のひきつり、けいれん発作を起こすことがあります。

  • 血液検査を行い、ナトリウム濃度を測定します。

  • 治療では通常、静脈内に輸液を投与し、血液中のナトリウム濃度をゆっくり低下させます。

  • 水分の摂取量が少なすぎる

  • 嘔吐

  • 下痢

  • 利尿薬(排尿を増やす薬)の使用

  • 大量の発汗

水分摂取量の不足が通常は主要な役割を果たしています。

糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に産生しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 神経を損傷し、知覚に問題が生じます。 血管を損傷し、心臓発作、脳卒中、慢性腎臓病、視力障害のリスクが高まります。... さらに読む で高血糖の人は大量の尿が出るため、それによって脱水を起こすことがあります。脱水は腎疾患や 尿崩症 腎性尿崩症 腎性尿崩症では、尿細管がバソプレシン(抗利尿ホルモン)に反応しないために、ろ過された水分を体に再吸収することができず、薄い尿が大量に作られます。 腎性尿崩症の多くは遺伝性ですが、腎臓に影響を及ぼす薬や病気によって引き起こされる場合もあります。 症状としては、強いのどの渇きや大量の排尿などがあります。 腎性尿崩症の診断は、血液検査と尿検査の結果に基づいて下されます。 水分の摂取量を増やすことは、脱水の予防に有用です。 さらに読む (高血糖ではないにもかかわらず、大量の尿が出る病気で、バソプレシンの分泌が不十分であるか作用が低下することによる)によって引き起こされることもあります。

症状

典型的には、のどの渇きがみられます。最も深刻な高ナトリウム血症の症状は、脳の機能障害によるものです。重度の高ナトリウム血症は、錯乱、筋肉のひきつり、けいれん発作、昏睡につながり、死に至ります。

診断

  • 血液中のナトリウム濃度の測定

血液検査でナトリウム濃度が高ければ、高ナトリウム血症の診断が下されます。

治療

  • 輸液

高ナトリウム血症は水分を補うことで治療します。ごく軽症の場合を除いて、希釈液(水と少量のナトリウムを混ぜて濃度を慎重に調整した補液)が静脈内投与されます。血液中のナトリウム濃度を急速に下げると、永久的に重度の脳損傷を引き起こす可能性があるため、濃度はゆっくりと下げていきます。

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