(甲状腺の概要 甲状腺の概要 甲状腺は幅約5センチメートルの小さな腺で、首ののどぼとけの下方の皮膚のすぐ下にあります。甲状腺は2つの部分(葉)に分かれ、中央で結合し(峡部と呼ばれます)、蝶ネクタイのような形をしています。正常な甲状腺は外見では分からず、かろうじて触れることができる程度ですが、甲状腺が腫れて大きくなると、医師が触診すれば容易に分かるようになり、のどぼとけ... さらに読む も参照のこと。)
甲状腺機能正常とは、甲状腺が正常に機能していることを意味します。甲状腺機能正常症候群は、甲状腺疾患以外の重い病気をもつ人に起こります。病気や低栄養の人や手術を受けた人では、甲状腺ホルモンT4(サイロキシン、別名テトラヨードサイロニン)が活性型のT3(トリヨードサイロニン)ホルモンに変換される量が少なくなります。T3の値が低くなり、不活性型の甲状腺ホルモンであるリバースT3が大量に蓄積されます。このような変換の異常にもかかわらず、甲状腺は機能し続け、血液検査で甲状腺ホルモンの値が一部変化したとしても、体の化学反応の処理速度(代謝速度)は正常に制御されます。
甲状腺に問題はないため治療の必要はありません。いったん基礎疾患が治れば、臨床検査値は正常に戻ります。