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体内の水分について

執筆者:

James L. Lewis, III

, MD, Brookwood Baptist Health and Saint Vincent’s Ascension Health, Birmingham

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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水分は体重の約半分から3分の2を占めます。脂肪組織は筋組織より水分の割合が少なく、女性は脂肪が多い傾向があるため、平均的な女性で水分が体重に占める割合は男性より低くなります(男性が60%に対して女性は52~55%)。高齢者や肥満の人も水分が体重に占める割合が低く、反対に出生時や乳幼児期では水分が体重に占める割合が高く(70%)なります。70キログラムの男性の場合は、体内に約42リットルをわずかに超える水分があり、そのうち細胞内に28リットル、細胞周囲に約10.5リットル、血液中に3.5リットル弱(総水分量の約8%に相当)があります。

水分の摂取量は、失われた分とバランスを取らなければなりません。水分バランスを維持し、脱水や腎結石など医学的な異常が発生しないようにするには、健康な成人で1日に少なくとも約2リットルの水分を摂取する必要があります。体にとっては、水分を節約して使うより、余った水分を排出する方が簡単であるため、水分のとりすぎは少なすぎるよりは好ましいといえます。ただし、腎臓が正常に機能していれば、体は水分摂取量の変動に幅広く対応できます。

体は主に消化管からの吸収により水分を得ます。さらに、体が特定の栄養素を代謝するときにも、少量の水が生成されます。

体は主に腎臓からの尿の排出によって水分を失います。腎臓から排出される尿の量は、体の必要量に応じて、1日に0.5リットル以下の場合もあれば8~11リットルに達する場合もあります。水分は、皮膚からの蒸発や呼吸でも、1日に0.7リットル程度が失われます。激しい運動、高温の気候、体温の上昇などによって大量の汗が出ると、蒸発で失う水分量は劇的に増加します。普通、消化管から水分が失われることはほとんどありません。しかし、嘔吐が続いたり激しい下痢が起こったりすると、1日に4リットル以上の水分が失われます。

人は普通、失った分を補うのに十分な量の水分を摂取することができます。しかし、嘔吐や激しい下痢が続いた場合には、失った分を補えるだけの水分を摂取することができず、脱水になることがあります。また、錯乱、意識障害、体の動きが制限されるような状況では、のどの渇きに気づかなくなったり、十分な水分を摂取できなくなったりします。

ナトリウムやカリウムなどの無機塩(電解質)は、体内の水分に溶けこんでいます。水分バランスと電解質バランスは密接に連動しています。体は、血液中の総水分量と電解質濃度を一定に保つように働きます。例えば、ナトリウム濃度が高くなると、のどが渇き、水分の摂取量が増えます。さらに、脱水に反応して脳から バソプレシン(抗利尿ホルモンとも呼ばれる)というホルモンが分泌され、それが腎臓に作用することで水分の排泄量が減少します。そういった仕組みが組み合わさって、血液中の水分量が増加します。その結果、ナトリウム濃度は低下し、ナトリウムと水分のバランスが正しく保たれます。ナトリウム濃度が低くなりすぎると、腎臓から排出される水分の量が増えて血液中の水分量が減り、それによってバランスが保たれます。

水分バランスの維持

体内では、いくつかの仕組みが協調して働いて水分バランスが維持されています。具体的には次のような仕組みがあります。

  • のどの渇き

  • 下垂体と腎臓の相互作用

  • 浸透圧

のどの渇きは、水分バランスを維持する上で、最も重要な仕組みの1つです。体が水分を必要とすると、脳の奥にある神経中枢が刺激され、のどの渇きという感覚が生じます。この感覚は、体が必要とする水分量が増えるにつれてますます強くなり、人は体に必要な水を飲むという行動を起こします。体内の水分が過剰になると、のどの渇きはおさまります。

下垂体と腎臓の相互作用は、別の仕組みとして機能します。体の水分が少なくなると、下垂体(脳の底部にあります)から バソプレシン(抗利尿ホルモンともばれる)が血液中に分泌されます。 バソプレシンは腎臓を刺激して水分を保持させ、尿の排出量を少なくします。体内の水分が過剰になると、下垂体は バソプレシンをほとんど分泌しなくなり、腎臓は余分な水分を尿として排出するようになります。

浸透圧によって、 水は受動的に、ある領域または区画から別のところへ流れます。この受動的な流れを利用して、細胞中または細胞周囲の領域に存在する多量の水分が貯水池として働き、量は少ないもののより重要な血管内の水分が枯渇(脱水)するのを防いでいます。

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