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臨死患者または重度の認知症患者に対する栄養補給

執筆者:

David R. Thomas

, MD, St. Louis University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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最終的に、死期が近づいている患者は食欲を失い 食欲不振 多くの致死的な疾患により、痛みや息切れ、胃腸の障害、失禁、皮膚の損傷、疲労といった共通の症状が起こります。抑うつや不安、錯乱、意識不明、身体障害が生じることもあります。通常、症状は予測して治療することができます。 死に直面すると、大半の人は痛みを恐れます。しかし、ほぼすべての人が心地良く過ごすことができ、多くの場合、意識もはっきりとしていて、現実世界との関わりを維持することができます。ただし、積極的な疼痛治療によって、鎮静や錯乱が避けら... さらに読む 、進行した認知症 認知症 認知症とは、記憶、思考、判断、学習能力などの精神機能が、ゆっくりと進行性に低下していく病気です。 典型的な症状は、記憶障害、言語や動作の障害、人格の変化、見当識障害、破壊的または不適切な行動などです。 症状が進行すると普段の生活が送れなくなり、他者に完全に依存するようになります。 診断は症状と身体診察および精神状態検査の結果に基づいて下されます。 原因を特定するために血液検査と画像検査が行われます。 さらに読む の患者はものが食べられなくなります。家族がそうした患者に栄養を与えることについて心配することがよくあり、経管栄養 経管栄養 経管栄養は、消化管は正常に機能しているものの、十分に栄養所要量を満たすほど食べられない人に、栄養を与えるために用いられることがあります。例としては、以下の状態の人が挙げられます。 長期間にわたる食欲不振 重度のタンパク-エネルギー低栄養(重度のタンパク質とカロリーの欠乏症) 昏睡または覚醒レベルの大幅な低下 肝不全 さらに読む 経管栄養 静脈栄養 静脈栄養 静脈栄養は、重い吸収不良を引き起こす病気などで、消化管が十分に栄養素を吸収できない場合に用いられます。潰瘍性大腸炎の特定の病期など、一時的に食べものを消化管に入れてはいけない場合にも用いられます。 静脈から投与される食物は、栄養所要量の一部を供給して(部分的静脈栄養)、口から食べる食物の栄養を補うことができます。または、栄養所要量の前部を供給する場合もあります(完全静脈栄養)。... さらに読む の方法(栄養補給)を利用することについて医師に相談することがあります。家族が栄養補給を利用したがる傾向があるのには、多くの理由があります。例えば、食べものは歴史上のあらゆる文化で愛情やいたわり、もてなし、支援に関連づけられています。さらに、家族で食事をとることが、家族にとって諦めたくないコミュニケーションの場となっている場合もあります。

しかし、栄養補給に便益はないようです。栄養補給によって寿命が延びたり、生活の質が向上したりすることはないと考えられます。臨死患者のケアを行う多くの医師や看護師は、患者に栄養補給が投与されたり、本人が望むより多く食べさせられたりすると、死亡前の日々がより不快なものになる可能性があると考えています。進行した認知症の患者または臨死患者は、空腹感で気が紛れることはありません。通常は、本人の望み通りに食べたり飲んだりした場合の方が快適です。臨終の過程では、体の機能が停止し始め、患者は食べものや飲みものに対する欲求を失う可能性があります。さらに、人類の歴史の中では最近まで、死期が近づいた人に栄養補給が投与されたり望むよりも多く食べさせられたりすることはありませんでした。そのため、医師は通常、栄養補給を推奨しません。

知っていますか?

  • 臨死患者または進行した認知症の患者に対して、無理に本人が望むより多く食べさせたり、そのように強く促したりするべきではありません。

数時間または数日中に亡くなることがなさそうなら、栄養補給を限られた時間だけ試み、患者の気分、意識の明瞭さ、活力を改善する効果があるかを確認します。改善がみられることはあまりありません。臨死患者と家族は、栄養補給を試みるタイミングと中止するタイミングについて(特に効果がない場合)、医師と明確に合意しておくべきです(事前指示書 事前指示書 医療に関する事前指示書は、ある人が医療に関する決断を下すことができなくなった場合に、医療についての本人の希望を伝達する法的文書です。事前指示書には、基本的にリビングウィルと医療判断代理委任状の2種類があります。(医療における法的問題と倫理的問題の概要も参照のこと。) リビングウィルは、終末期ケアに代表されるような、個人が医療に関する決定能力を喪失する事態に備え、将来の医学的治療に関する指示や要望を事前に表明するものです。... さらに読む を参照)。

それでも以下のように、家族や介護者が、患者にとって快適で、食べるのをやさしく促すやり方で食べものを与えることはできます。

  • ゆっくり食べさせる。

  • 食べものや水を少しずつ飲食させる。

  • 好みのもの、しっかりと味付けしたもの、または飲み込みやすいものを食べさせる。

  • 好みのアルコール飲料を少量、食事の30分前に飲ませる。

  • とりわけ、本人に何をいつ食べたり飲んだりするかを決めさせる。

特定の抗うつ薬、メゲストロール(megestrol)、ドロナビノール(dronabinol)などの食欲増進薬が役立つことがあります。

栄養補給を利用するかどうかについて心配する家族には、カウンセリングが役に立つことがあります。

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