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臨死患者または重度の認知症患者に対する栄養補給

執筆者:

David R. Thomas

, MD, St. Louis University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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最終的に、死期が近づいている患者は食欲を失い、進行した認知症の患者はものが食べられなくなります。家族がそうした患者に栄養を与えることについて心配することがよくあり、経管栄養静脈栄養の方法(栄養補給)を利用することについて医師に相談することがあります。家族が栄養補給を利用したがる傾向があるのには、多くの理由があります。例えば、食べものは歴史上のあらゆる文化で愛情やいたわり、もてなし、支援に関連づけられています。さらに、家族で食事をとることが、家族にとって諦めたくないコミュニケーションの場となっている場合もあります。

しかし、栄養補給に便益はないようです。栄養補給によって寿命が延びたり、生活の質が向上したりすることはないと考えられます。臨死患者のケアを行う多くの医師や看護師は、患者に栄養補給が投与されたり、本人が望むより多く食べさせられたりすると、死亡前の日々がより不快なものになる可能性があると考えています。進行した認知症の患者または臨死患者は、空腹感で気が紛れることはありません。通常は、本人の望み通りに食べたり飲んだりした場合の方が快適です。臨終の過程では、体の機能が停止し始め、患者は食べものや飲みものに対する欲求を失う可能性があります。さらに、人類の歴史の中では最近まで、死期が近づいた人に栄養補給が投与されたり望むよりも多く食べさせられたりすることはありませんでした。そのため、医師は通常、栄養補給を推奨しません。

知っていますか?

  • 臨死患者または進行した認知症の患者に対して、無理に本人が望むより多く食べさせたり、そのように強く促したりするべきではありません。

数時間または数日中に亡くなることがなさそうなら、栄養補給を限られた時間だけ試み、患者の気分、意識の明瞭さ、活力を改善する効果があるかを確認します。改善がみられることはあまりありません。臨死患者と家族は、栄養補給を試みるタイミングと中止するタイミングについて(特に効果がない場合)、医師と明確に合意しておくべきです(事前指示書を参照)。

それでも以下のように、家族や介護者が、患者にとって快適で、食べるのをやさしく促すやり方で食べものを与えることはできます。

  • ゆっくり食べさせる。

  • 食べものや水を少しずつ飲食させる。

  • 好みのもの、しっかりと味付けしたもの、または飲み込みやすいものを食べさせる。

  • 好みのアルコール飲料を少量、食事の30分前に飲ませる。

  • とりわけ、本人に何をいつ食べたり飲んだりするかを決めさせる。

特定の抗うつ薬、メゲストロール(megestrol)、ドロナビノール(dronabinol)などの食欲増進薬が役立つことがあります。

その他のケア(患者の歯を磨く、必要に応じて綿棒で患者の口を湿らせる、氷のかけらを食べさせる、唇用の軟膏を塗るなど)によって、臨死患者と介護する家族が身体的にも精神的にも楽になることがあります。ホスピスケアのスタッフは必要とされるサポートを提供することができます。

栄養補給を利用するかどうかについて心配する家族には、カウンセリングが役に立つことがあります。

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