適切で十分な栄養をとるには、様々な栄養素(体に栄養を与える食物中の物質)が含まれる健康的な食事をする必要があります。健康的な食生活を送ることにより、人は望ましい体重と体の組成(体脂肪と筋肉の比率)を維持し、体を動かしたり頭を働かせたりなどの日常生活を送ることができます。
食物を過剰に摂取すると、肥満になることがあります。特定の栄養素(通常はビタミンかミネラル)を大量に摂取すると、有害な影響(毒性)が現れることがあります。十分な量の栄養素を摂取しないと、低栄養が生じる可能性があり、結果として栄養欠乏による障害につながることがあります。
栄養状態の評価
摂取している栄養素の量が適切かどうか調べるために、医師は食習慣や食事の内容について尋ね、身体検査を行って体の組成と機能を評価します。
身長と体重が測定され、BMI(ボディマスインデックス)が算出されます。BMIは、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った値です。米国では男女ともBMIが19~24であれば正常とされます。米国や他の先進国では、BMIが24を超える人が多数います。
身体組成には体脂肪の割合などが含まれ、これは皮下脂肪の厚みの測定や生体電気インピーダンス法を行うことで推定します。この割合をより正確に測定する方法として、水中で体重を測定する静水計量や二重エネルギーX線吸収法(DXA法)などがありますが、これらの方法は簡単ではなく、費用がかさむこともあり、いつでもすぐに利用できるわけではありません。これらは主に研究で用いられています。
多くの栄養素の濃度は、血液中と、ときに組織中で測定できます。例えば、血液中の主なタンパク質であるアルブミンの濃度の測定は、タンパク質が不足しているかどうかを判定するのに役立ちます。栄養摂取が不十分だと、栄養素の濃度が低下します。
太りすぎとは
食事の構成要素
一般に、栄養素は次の2つに分類されます。
水は消費エネルギー1キロカロリー毎に1ミリリットル、1日におよそ2.5リットル必要です。水を飲む以外にも、多くの食品に含まれている水分、フルーツジュース、野菜ジュース、カフェインの入っていないコーヒーや茶などで水分の必要量を満たすことができます。アルコール飲料やカフェイン入りのコーヒー、茶、炭酸飲料は排尿を増やすことがあるため、あまり有用ではありません。
1日の食事で食べる食物の中には10万種類もの物質が含まれています。しかし、栄養素として分類されているのはそのうちの300種類ほどだけで、さらに必須栄養素として分類されているのはわずか45種類で、以下のものがあります。
必須栄養素は体内では合成できず、食物から摂取する必要があります。
食物にはほかにも、セルロース、ペクチン、ガム質などの食物繊維をはじめとする多くの有用な成分が含まれています。
また食物には、食品の生産、加工、貯蔵、包装に使用する添加物(保存料、乳化剤、酸化防止剤、安定剤など)も含まれています。