体内のヨウ素のほとんどは 甲状腺 甲状腺の概要 甲状腺は幅約5センチメートルの小さな腺で、首ののどぼとけの下方の皮膚のすぐ下にあります。甲状腺は2つの部分(葉)に分かれ、中央で結合し(峡部と呼ばれます)、蝶ネクタイのような形をしています。正常な甲状腺は外見では分からず、かろうじて触れることができる程度ですが、甲状腺が腫れて大きくなると、医師が触診すれば容易に分かるようになり、のどぼとけ... さらに読む にあります。甲状腺のヨウ素は、 甲状腺ホルモン 甲状腺ホルモン 甲状腺は幅約5センチメートルの小さな腺で、首ののどぼとけの下方の皮膚のすぐ下にあります。甲状腺は2つの部分(葉)に分かれ、中央で結合し(峡部と呼ばれます)、蝶ネクタイのような形をしています。正常な甲状腺は外見では分からず、かろうじて触れることができる程度ですが、甲状腺が腫れて大きくなると、医師が触診すれば容易に分かるようになり、のどぼとけ... さらに読む の形成に必要です。
ヨウ素は海水中に存在しています。海水から少量のヨウ素が大気に入り、雨を介して海の近くの地下水や土壌に入ります。
米国を含む多くの地域で、十分な量をとるためにヨウ素(結合したヨウ化物として)が食卓塩に添加されています。
ヨウ素の過剰摂取はまれです。通常は、長期間のヨウ素欠乏症を治療するためにヨウ素のサプリメントを摂取することで起こります。ときに、日本の北部で多くみられるように、海の近くに住む人が大量の魚介類や海藻を食べ、ヨウ素を多く含む水を飲むためにヨウ素の摂取量が過剰になることがあります。
ヨウ素を過剰に摂取しても、通常は甲状腺機能への影響はありませんが、ときに影響が出ることもあります。甲状腺の働きが過度に活発になって、過剰な量の甲状腺ホルモンがつくられてしまうことがあり(甲状腺機能亢進症 甲状腺機能亢進症 甲状腺機能亢進症は甲状腺が働きすぎている状態で、甲状腺ホルモンの値が高く、身体の重要な機能が働く速度が上昇します。 バセドウ病は甲状腺機能亢進症の原因として最もよくみられます。 心拍数と血圧の上昇、不整脈、過剰な発汗、神経質や不安、睡眠障害、意図しない体重減少などの症状がみられます。 診断は血液検査により確定されます。 甲状腺機能亢進症の管理には、チアマゾールまたはプロピルチオウラシルが用いられます。 さらに読む )、これは特にこれまでヨウ素の摂取量が少なすぎた人でよくみられます。しかし、ときに過剰なヨウ素によって甲状腺ホルモンの分泌が低下することがあります(甲状腺機能低下症 甲状腺機能低下症 甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが低下し、甲状腺ホルモンの産生が不十分になる病気で、身体の重要な機能が働く速度が低下します。 顔の表情が乏しく、声がかすれ、話し方はゆっくりになり、まぶたは垂れて、眼と顔が腫れます。 通常は1回の血液検査で診断が確定されます。 甲状腺機能低下症の人は、生涯にわたって甲状腺ホルモンの投与を受ける必要があります。 甲状腺は、体内の化学反応が進行する速度(代謝率)を制御する甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホル... さらに読む
)。結果として、甲状腺が腫大して甲状腺腫が形成されます。(甲状腺腫は甲状腺機能が低下するか過剰に活発になった場合に形成されることがあります)
極めて大量のヨウ素をとると、口の中で金属の味がしたり、唾液の量が増えることがあります。ヨウ素が消化管を刺激したり発疹を起こすこともあります。
診断
医師による評価
血液検査
画像検査
医師は症状に基づいて過剰なヨウ素による 甲状腺機能亢進症 甲状腺機能亢進症 甲状腺機能亢進症は甲状腺が働きすぎている状態で、甲状腺ホルモンの値が高く、身体の重要な機能が働く速度が上昇します。 バセドウ病は甲状腺機能亢進症の原因として最もよくみられます。 心拍数と血圧の上昇、不整脈、過剰な発汗、神経質や不安、睡眠障害、意図しない体重減少などの症状がみられます。 診断は血液検査により確定されます。 甲状腺機能亢進症の管理には、チアマゾールまたはプロピルチオウラシルが用いられます。 さらに読む や 甲状腺機能低下症 甲状腺機能低下症 甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが低下し、甲状腺ホルモンの産生が不十分になる病気で、身体の重要な機能が働く速度が低下します。 顔の表情が乏しく、声がかすれ、話し方はゆっくりになり、まぶたは垂れて、眼と顔が腫れます。 通常は1回の血液検査で診断が確定されます。 甲状腺機能低下症の人は、生涯にわたって甲状腺ホルモンの投与を受ける必要があります。 甲状腺は、体内の化学反応が進行する速度(代謝率)を制御する甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホル... さらに読む
を疑い、ヨウ素のサプリメントを服用していると報告している人では特に疑います。
甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度を測定するための血液検査が行われます。画像検査も行われることがあります。
治療
食事の変更
ときに甲状腺ホルモン
ヨウ素過剰症の患者はヨウ素が添加されていない塩を使用し、魚介類、海藻、ヨーグルト、牛乳など、ヨウ素を含む食品の摂取量を減らすように指導されます。
ヨウ素の過剰摂取による 甲状腺機能低下症 甲状腺機能低下症 甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが低下し、甲状腺ホルモンの産生が不十分になる病気で、身体の重要な機能が働く速度が低下します。 顔の表情が乏しく、声がかすれ、話し方はゆっくりになり、まぶたは垂れて、眼と顔が腫れます。 通常は1回の血液検査で診断が確定されます。 甲状腺機能低下症の人は、生涯にわたって甲状腺ホルモンの投与を受ける必要があります。 甲状腺は、体内の化学反応が進行する速度(代謝率)を制御する甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホル... さらに読む の場合は、ヨウ素の摂取量を減らすことでしばしば治癒しますが、生涯にわたって甲状腺ホルモンを服用しなければならない人もいます。