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異食症

執筆者:

Evelyn Attia

, MD, Columbia University Medical Center, New York State Psychiatric Institute;


B. Timothy Walsh

, MD, College of Physicians and Surgeons, Columbia University

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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概要
  • 通常、異食症の人が食べるのは体の害にならないものですが、食べるものによっては、消化管の閉塞や鉛中毒などの合併症が起きることがあります。

  • 通常は、2歳以上の人が食べものではないものの摂食を1カ月以上にわたり続けている場合に、異食症と診断されます。

  • 行動変容法が助けになることがありますが、異食症に対する特別な治療法については、ほとんど分かっていません。

  • 必要に応じて、栄養不良とその他の合併症を治療します。

異食症の人は、食べものではないもの(紙、粘土、泥、毛など)を定期的に食べます。2歳未満の小児では、このような行動は発達上正常とみなされます。この年齢の小児は、しばしばあらゆる物を口に入れ、ときに食べてしまいます。異食症が妊娠中に起こることもあります。

世界の地域によっては、食べものではないものを食べることが民間療法、宗教儀式、一般的慣習などの文化的伝統の一部になっている場合があります。例えば、米国ジョージア州のピードモントには、定期的に粘土を食べる人たちがいます。

通常、異食症の人が食べるものは害にはなりません。しかし、ときに食べたものによって合併症が生じることがあり、具体的には便秘 便秘 便秘は、排便しにくい、排便回数が少ない、便が硬い、または排便後に直腸が完全に空になっていない感覚(残便感)がある状態です。(小児の便秘も参照のこと。) 便秘には急性のものと慢性のものがあります。急性便秘は突然起こり、はっきりと現れます。慢性便秘は、徐々に始まり数カ月ないし数年間持続することがあります。 毎日排便しなければ便秘だと思う人はたくさんいます。しかし、誰にとっても毎日排便があることが正常というわけではありません。1日1~3回の排... さらに読む 消化管の詰まり 腸閉塞 腸閉塞とは、腸の内容物の通過が完全にふさがれているか、深刻な通過障害をきたしている状態のことをいいます。 成人で最も一般的な原因は、以前に受けた腹部の手術による瘢痕(はんこん)組織、ヘルニア、腫瘍です。 痛み、腹部膨満、食欲不振がよくみられます。 診断は、身体診察とX線検査の結果に基づいて下されます。 閉塞を取り除くための手術がしばしば必要になります。 さらに読む 、塗料片を食べることによる鉛中毒 鉛中毒 鉛中毒の原因は、鉛入りの塗料を飲み込むことや、不適切な鉛の釉薬(ゆうやく)をかけた輸入陶磁器で飲食することなどです。 鉛の血中濃度が非常に高いと、人格の変化、頭痛、感覚の消失、脱力、口の中の金属味、歩行の協調障害、胃腸障害、貧血が起こることがあります。 鉛中毒は、症状と血液検査の結果に基づいて診断されます。 家庭用の水、陶磁器、塗料に鉛が含まれていないかを検査することは、鉛中毒の原因を特定するのに有用です。... さらに読む 、泥を食べることによる寄生虫感染症 寄生虫感染症の概要 寄生虫感染症は開発が進んだ地域よりも開発途上の地域や農村部で多くみられます。 開発が進んだ地域では、寄生虫感染症は移民や帰国した旅行者、免疫機能が低下している人に起こります。 通常、寄生虫は口か皮膚から人体に侵入します。 医師は感染を診断するときに、血液、便、尿、たんや、その他の感染組織のサンプルを採取し、検査室へ送って調べてもらいます。... さらに読む などがあります。

異食症自体によって社会的な機能が損なわれることはまれですが、異食症はしばしば、社会的な機能を損なう別の精神障害をもった人に併発することがあります。そのような精神障害としては、自閉症 自閉スペクトラム症 自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害とも呼ばれます)は、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気です。 自閉スペクトラム症の患者は、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手です。 自閉スペクトラム症の患者は、行動、関心や動作のパターンが限定的で、多くの場合、決まった行為に従って毎日を過ごします。... さらに読む 知的能力障害 知的能力障害 知的能力障害(一般に知的障害とも呼ばれます)とは、出生時や乳児期の初期から知能の働きが明らかに標準以下であり、正常な日常生活動作を行う能力が限られている状態です。 知的能力障害は、遺伝的な場合もあれば、脳の発達に影響を与える病気の結果として起こる場合もあります。 知的能力障害がある小児のほとんどでは、就学前まで目立った症状が現れません。 診断は正式な検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む 統合失調症 統合失調症 統合失調症は、現実とのつながりの喪失(精神病)、幻覚(通常は幻聴)、妄想(誤った強い思い込み)、異常な思考や行動、感情表現の減少、意欲の低下、精神機能(認知機能)の低下、日常生活(仕事、対人関係、身の回りの管理など)の問題を特徴とする精神障害です。 統合失調症は、遺伝的な要因と環境的な要因の双方によって起こると考えられています。... さらに読む などがあります。

診断

  • 医師による評価

  • 考えられる合併症の有無を調べるための検査

異食症の診断は通常、患者が何を食べているかを医師が明らかにすることで下されます。

食べものではないものの摂食を1カ月以上にわたり続けている場合に、異食症と診断されます。この病気は2歳未満の小児では診断されませんが、それは、この年齢層ではそのようなものを食べることが正常な発達の一部とみなされるからです。また、そのようなものを食べることがその人の文化の一部である場合も、異食症とは診断されません。

消化管の閉塞(詰まり)の症状(重度の腹痛または便秘)や鉛中毒の症状が現れて、救急外来やかかりつけ医を受診した際に、異食症と診断される場合もあります。

消化管の閉塞の有無を調べるためにX線検査を行うこともあります。

また、鉛中毒の有無を調べるために血液検査を、寄生虫感染症の有無を調べるために便検査を行うこともあります。

治療

  • ときに行動の修正

  • 栄養不良とその他の合併症の治療

行動変容法が助けになることがありますが、この病気に対する特別な治療法については、ほとんど分かっていません。行動変容法は、望ましい行動を学習しつつ、望ましくない行動の習慣を消すのに役立ちます。

栄養不良とその他の合併症を治療します。消化管の閉塞には手術が必要になることがあります。

異食症は数カ月続いてから自然に治まることがあり、特に小児でその傾向がみられます。

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