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セクシュアリティの概要

執筆者:

George R. Brown

, MD, East Tennessee State University

最終査読/改訂年月 2017年 10月
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セクシュアリティは、人が生きていく上で誰もが普通に体験することですが、正常とみなされる性行動の種類は、異なる文化の間でも、また1つの文化の中でも大きく異なります。実際、「正常」なセクシュアリティというものを定義することは不可能でしょう。性欲の発散の頻度や必要性など、人の性行動にはかなりの個人差がみられます。性行為への欲求を1日に何回も感じる人もいれば、年に数回程度で満足する人もいます。

しかし、性行動によって本人やパートナーに大きな苦痛が生じたり、他者に危害が生じたりする場合には、その人は医療従事者による評価と治療を受ける必要があるかもしれません。

若い人たちは、高齢者を性に関心をもった人間と考えたがらない傾向がありますが、実際には高齢者の大半が性に対して関心をもち続け、老年期に入っても満足のいく性生活を送っていると報告しています。男性の 勃起障害 勃起障害(ED) 勃起障害(ED)とは、性交を行うのに十分な勃起を達成または持続できないことです。 (男性の性機能障害の概要も参照のこと。) どんな男性でもときに勃起に至らない問題を抱えることがあり、そのような問題の発生は正常なことと考えられています。勃起障害は男性が次のような場合に起こります。... さらに読む 、女性の性交時の痛み( 性交痛 性交痛 性交痛とは、性交や挿入を伴う他の性行為を試みた際、またはこれらの行為中に生じる痛みです。 腟口(腟の開口部)付近の痛みもあれば、奥の部分の痛みもあります。 腟の乾燥または性器の病気により生じる可能性があります。 診断は症状と内診の結果に基づいて下されます。 麻酔薬軟膏、潤滑剤、骨盤筋を弛緩させる練習、性交時の体位の変更などが症状の緩和に役... さらに読む )、腟の筋肉の痛みを伴ったけいれん( 腟けい 腟けい 腟けいとは、女性の腟口周辺の筋肉に生じる不随意の収縮のうち、性器に異常が認められないものをいいます。強い筋収縮により、性交や挿入を伴う性行為の際に痛みが生じたり、できなくなったりします。 腟けいのある女性の大半は性交に耐えることができず、タンポンの使用にも耐えられない女性もいます。... さらに読む )、 オルガスムに関する問題 オルガスム障害 オルガスム障害は、女性が十分な性的刺激を受け、精神的および感情的な性的興奮があるにもかかわらず、性的興奮の頂点(オルガスム)が起こらなかったり、遅れたりする障害です。 性交があまりにも早く終わってしまう、前戯が十分でない、もしくは自制を失うまたは自己を解放することを恐れているなどの場合、オルガスムを得ることができない可能性があります。... さらに読む などの性機能に関連する問題は、あらゆる年齢の人に生じますが、このような問題は高齢者により多くみられる傾向があります。これらの問題の多くは、薬剤によって有効に治療することができます(なかでも勃起障害の治療薬の効果は顕著です)。

性行動に対する態度は、親の影響を大きく受けます。親が体で触れ合うなどの肉体的な愛情行為を禁欲的に拒絶すると、その子どもが成人になったときに、性を享受し、健全な愛情関係を育む能力が低下する可能性があります。親が以下のような振る舞いをすると、その子どもの性的・情緒的な親密さを育む能力が損なわれる可能性があります。

  • 感情的によそよそしくする

  • 子どもを非常に厳しく罰する

  • あからさまに誘惑的な態度をとり、子どもを性的に搾取する

  • 敵意に満ちた言動をとる

  • 子どもを拒絶する

  • 冷酷な態度で接する

以下で説明するように、セクシュアリティやジェンダーに関する社会の受け止め方は、時代とともに変わっていきます。

自慰

自慰(マスターベーションともいいます)は、かつては性的倒錯とみなされ、精神障害の原因とさえ考えられていましたが、現在では、生涯を通じて正常な性行為として長らく認められています。男性の約97%、女性の約80%が自慰を経験しています。一般に、男性は女性より高い頻度で自慰をします。たとえ満足のいく性生活を送っているときでも、多くの人が自慰を続けます。自慰は正常な行為であり、しばしば安全な性行為の選択肢の1つとして推奨されていますが、その一方で、一部の人々が依然として示している非難の態度のために、罪悪感や心理的な苦悩を経験する人もいます。このような感情が原因で少なからぬ苦痛が生じ、性的能力に影響を及ぼすことすらあります。

同性愛

自慰と同様に、同性愛(ホモセクシュアリティ)も、かつては医学的に異常とみなされていましたが、40年以上前から病気や障害とはみなされなくなっています。同性愛は、小児期からすでに存在する性的指向として広く認められています。成人の4~5%が生涯を通じて同性のみと性的関係をもち、加えて2~5%が両方の性の人と性的関係をもつ(両性愛[バイセクシュアリティ])と推定されています。青年期の男女が同性同士で性行為を試みることがありますが、こうした経験は一時的な関心によるもので、成人にみられるような同性愛や両性愛への持続的な関心を示唆するとは限りません( セクシュアリティの発達 セクシュアリティの発達 青年期に小児は若い成人になります。身体的、知的、精神的に、顕著な変化を遂げます。しかし、直線的に成長して成人になるわけではありません。青年は、単純に時間とともに確実に成人らしくなるものではありません。どちらかといえば、成人のように振る舞ったり小児のように振る舞ったりする状態を交互に繰り返します。青年が成長するにつれ、次第に成人のように振る... さらに読む )。

ゲイやレズビアンの人が同性の人に引きつけられるのは、異性愛者が異性に魅力を感じるのと同じことです。魅力を感じること自体は、生物学的、環境的な影響による結果であると考えられ、意識的な選択の問題ではありません。したがって、異性愛、同性愛、両性愛といった、性的指向の問題に関して用いられる「性的嗜好」という言葉は、適切な表現とはいえません。

異なるパートナーとの頻繁な性行為

一部の異性愛者および同性愛者では、複数のパートナーと頻繁な性行為を行う習慣が生涯を通じて普通にみられます。欧米の文化では、こうした行動は以前より容認されるようになっています。しかし、多くのセックスパートナーをもつことは、特定の病気(HIV感染症、単純ヘルペス、肝炎、梅毒、淋菌感染症、子宮頸がんなど)への罹患につながりやすく、また有意義で長続きする親密な関係を築くことを困難にする可能性もあります。

夫婦間以外の性行為

米国では、ほとんどの人が婚前交渉や独身生活での性行為を経験します。この行動は先進国における性の自由化傾向の一部です。一方で、ほとんどの文化では、既婚者が配偶者以外の相手と性行為を行うことは好ましくないとされています。社会的に認められていないにもかかわらず、こういった行動は頻繁にみられます。婚外交渉により発生する客観的な問題の1つは、無防備な配偶者やセックスパートナーに性感染症を広げてしまう可能性です。

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