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自律神経性ニューロパチー

執筆者:

Phillip Low

, MD, College of Medicine, Mayo Clinic

最終査読/改訂年月 2017年 5月
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自律神経性ニューロパチーは、自律神経(自律的に[意識的な努力を必要とせずに]体内プロセスを調節している末梢神経)が侵される病気です。

  • 原因には、糖尿病、アミロイドーシス、自己免疫疾患、がん、過度の飲酒、特定の薬剤などがあります。

  • 立ち上がったときにふらつきを覚えたり、排尿障害、便秘、嘔吐などをきたしたりします。男性では勃起障害が生じることもあります。

  • 医師は身体診察と様々な検査を行い、自律神経の機能不全とその原因がないか確認します。

  • 可能であれば原因を是正または治療します。

神経系 神経系の概要 神経系は、中枢神経系(脳と脊髄)と末梢神経系(脳と脊髄以外の神経)という2つの部分で構成されています。 神経系の基本的な構成単位は神経細胞(ニューロン)です。神経細胞は、大きな細胞体と以下の2種類の神経線維で構成されています。 軸索:長く伸びた1本の突起で、メッセージを電気信号として伝送する役割を担っています... さらに読む は、中枢神経系と末梢神経系で構成されています。中枢神経系とは脳と脊髄のことを指します。末梢神経系とは、全身の組織と脳および脊髄とをつないでいる神経のことを指します。末梢神経系には、自動的(無意識的)に体内プロセスを調節している 自律神経系 自律神経系の概要 自律神経系は、血圧や呼吸数など、体内の特定のプロセスを調節している神経系です。意識的な努力を必要とせず、自動的(自律的)に機能するのが特徴です。 自律神経系の病気は、体のあらゆる部分とあらゆるプロセスに影響を及ぼす可能性があります。また、自律神経系の病気には、可逆性のものと進行性のものがあります。... さらに読む 自律神経系の概要 が含まれます。また、自発的(意識的)に制御される筋肉や皮膚の感覚受容器とつながっている神経である体性神経も、末梢神経系に含まれます。

原因

自律神経性ニューロパチーの一般的な原因としては以下のものがあります。

ウイルス感染症が引き金となって、自己免疫反応が生じ、自律神経が破壊されることもあります。

免疫系によって作られる抗体の中には、神経線維の表面を攻撃したり、神経線維を覆い信号が速く正確に伝わることを可能にしている組織を攻撃したりするものがあります。(この組織は髄鞘と呼ばれます。)同様の反応が ギラン-バレー症候群 ギラン-バレー症候群(GBS) ギラン-バレー症候群は、筋力低下を引き起こす多発神経障害の一種で、筋力低下は通常は数日から数週間かけて悪化し、その後ゆっくりと自然に回復します。治療を行えば、もっと早く回復します。 ギラン-バレー症候群は、自己免疫反応によって引き起こされると考えられています。 通常、筋力低下は両脚で最初に起こり、それから体の上の方に広がります。 筋電図検査と神経伝導検査が診断の確定に役立ちます。... さらに読む 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP) 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは多発神経障害の一種で、ギラン-バレー症候群と同様に筋力が次第に低下していきますが、筋力低下は8週間以上かけて進行します。 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは、自己免疫反応によって神経の周りにある髄鞘が損傷することで引き起こされると考えられています。 この病気では、筋力低下が8週間以上にわたり持続的に悪化していきます。 筋電図検査、神経伝導検査、髄液の分析が診断の確定に役立ちます。... さらに読む でもみられますが、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーでみられる反応の方がはるかに軽度です。

まれに、免疫系によって作られる抗体がアセチルコリン受容体(アセチルコリンへの反応を可能にする神経細胞の一部)を攻撃することもあります。アセチルコリンは、自律神経系における情報伝達に用いられる化学伝達物質(神経伝達物質)の一種です。

その他の原因としては、がん、薬物、過度の飲酒、毒性物質などがあります。

症状

自律神経性ニューロパチーの一般的な症状は以下のものです。

結果として、ふらつきや失神しそうな感覚を覚えます。

男性では、勃起の開始や維持が困難になることがあります(勃起障害)。意図せず尿が漏れることもあり(尿失禁)、多くは膀胱の活動が過剰になることが原因で起こります。逆に膀胱の活動が弱まって、排尿が困難になる場合もあります(尿閉)。胃から内容物が送り出されるペースが遅くなるため(胃不全麻痺)、食事をしてもすぐに満腹感を覚えることがあり、嘔吐することさえあります。重度の便秘になることもあります。

体性神経にも損傷が起こった場合は、感覚が消失したり、手足にチクチクした感覚(刺すような痛み)が生じたり、筋力が低下したりすることがあります。

診断

  • 医師による評価

  • ときに血液検査

ときに血液検査を行い、自己免疫反応の指標となる、アセチルコリン受容体に対する抗体の有無を確認します。自己免疫反応による自律神経性ニューロパチーの患者では、ときにこの抗体が検出されます。

治療

  • 原因が特定された場合は、それに対する治療

  • ときに免疫抑制薬

  • 重度の症状に対し、ときに免疫グロブリン製剤または血漿交換

原因が特定されれば、それに対する治療を行います。自己免疫反応による神経障害は、免疫系を抑制して免疫反応を弱める薬剤(免疫抑制薬と呼ばれ、具体的にはアザチオプリン、シクロホスファミド、プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)など)によって治療されることがあります。

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