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筋肉のけいれん

執筆者:

Michael C. Levin

, MD, College of Medicine, University of Saskatchewan

レビュー/改訂 2019年 2月
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やさしくわかる病気事典
本ページのリソース

原因

筋肉のけいれんの最も一般的な原因は以下のものです。

  • 明らかな理由なく起こる脚の筋肉の良性のけいれん(典型的には夜間に発生する)

  • 運動に伴う筋肉のけいれん(運動中または運動後に発生する)

筋肉のけいれん(「筋肉がつる」とも表現されます)は、健康な人にもしばしば起こり、通常は中高年の人によくみられますが、ときに若い人に起こることもあります。筋肉のけいれんは、激しい運動の最中や後に起こる傾向がありますが、ときに安静時にも起こります。就寝中に脚の筋肉に痛みを伴うけいれんが起きる人もいます。 睡眠に関連する脚の筋肉のけいれん 睡眠に関連する脚の筋肉のけいれん 睡眠時随伴症とは、入眠直前、睡眠中、または覚醒時に起こる異常行動のことを指します。 ( 睡眠の概要も参照のこと。) 成人でも小児でも、睡眠中に、ほとんど記憶に残らない様々な行動を無意識のうちに起こすことがあります。 入眠の直前に腕や体全体がビクッと動くことはほぼすべての人が経験します。ときには脚にも同様の現象がみられます。入眠直後や覚醒時に、睡眠麻痺(体を動かそうとしても動かせない状態)が起こったり、浮かんでは消える短時間の映像や思考が... さらに読む は、ふくらはぎや足の筋肉に起こることが多く、その場合は足や足指が下方へ屈曲します。このような筋肉のけいれんは、痛みを伴うものの、通常は良性の(重篤でない)けいれんです。

筋肉のけいれんは、ほぼすべての人に時折みられる現象ですが、特定の異常があると、けいれんのリスクや重症度が高まります。具体的には以下のものがあります。

類似の症状を引き起こす病気

一部の病気は筋肉のけいれんに似た症状を引き起こします。

ジストニア ジストニア ジストニアは、長時間続く(持続性の)不随意な筋収縮を特徴とし、患者は異常な姿勢を強いられます。例えば、体全体、体幹、四肢、または首がねじれたりします。 ジストニアの原因は、遺伝子の突然変異、病気、または薬剤です。 ジストニアが生じた部位の筋肉は収縮し、その体の部位がゆがみ、数分から数時間にわたり収縮したままになってしまいます。 診断は、症状と身体診察の結果に基づいて下されます。... さらに読む では、不随意な筋収縮がみられますが、通常は筋肉のけいれんよりも長く続き、より頻繁に起こります。また、ふくらはぎ以外の筋肉に起こりやすい傾向があり、脚だけでなく腕の筋肉のほか、背中、首、声帯の筋肉など、他の多くの筋肉にもみられます。反対に、脚の筋肉の良性のけいれんや運動に伴う筋肉のけいれんは、ふくらはぎに起こる傾向があります。

テタニーは、体中の筋肉が継続的または周期的にけいれん(れん縮)する現象です。このれん縮は通常、筋肉のけいれんよりはるかに長く続き、より広範囲に及びます。筋肉がひきつることもあります。

一部の人では、けいれんの錯覚が起こることもあります。これは、実際には筋収縮が起こっていないのに、筋肉のけいれんが起こっているかのように感じる状態です。

脚に動脈硬化(末梢動脈疾患)がある人では、歩行などの運動中にふくらはぎの筋肉が痛むこと(跛行 症状 症状 [はこう])があります。この痛みはけいれんのような筋肉の収縮によるものではなく、筋肉への血流が不十分であるために起こります。

評価

以下では、医師の診察を受ける必要があるか、また受けた場合に何が行われるかについて説明しています。

警戒すべき徴候

筋肉のけいれんのある人に以下の症状や特徴がみられる場合は、特に注意が必要です。

  • 腕または体幹の筋肉のけいれん

  • 筋肉のひきつり

  • アルコール依存症

  • 筋力低下

  • 体液の喪失(脱水)後または利尿薬の使用後に起こる筋肉のけいれん

  • 感覚の消失または痛み(筋肉のけいれんと同時に起こる場合を除く)

腕もしくは体幹の筋肉のけいれん、または筋肉のひきつりがみられる場合は、良性の脚のけいれんや運動に伴う筋肉のけいれんではなく、何らかの病気(電解質もしくはホルモンの病気)や薬剤が原因である可能性が高くなります。

受診のタイミング

筋肉のけいれんに加え、アルコール依存症、突然の筋力低下もしくは感覚の消失、または重度の症状がみられる場合や、嘔吐、下痢、大量発汗などによって体液を喪失した場合は、直ちに医師の診察を受けてください。それ以外の人は、主治医に電話して、どの程度早急な受診が必要か相談してください。

医師が行うこと

医師はまず、症状と 病歴 神経疾患に関する病歴聴取 医師はまず、身体診察を始める前に問診を行います。 医師は患者に現在の症状を説明するよう求めます。 詳細にどのような症状があるか 症状が起きる部位はどこで、どれくらいの頻度で起きるか 症状の重症度 さらに読む について質問し、次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察で得られた情報から、多くの場合、原因と必要になる検査を推測することができます。

医師は患者に以下のような筋肉のけいれんの特徴について尋ねます。

  • いつ起こるか

  • 持続時間

  • どれくらいの頻度で起きるか

  • 症状がある部位はどこか

  • 誘因と思われる出来事があるかどうか

  • 他の症状があるかどうか

医師はまた、原因の手がかりを示唆する以下のような症状がないかを尋ねます。

  • 月経がないまたは月経不順(妊娠に関連する脚のけいれんを示唆する症状)

  • 嘔吐、下痢、利尿薬の使用、過度の運動、発汗(体液または電解質の喪失を示唆する症状)

  • 寒さに耐えられない、体重増加、皮膚が厚く粗くなる(甲状腺機能低下症を示唆する症状)

  • 筋力低下、痛み、感覚の消失(神経の病気を示唆する症状)

医師はまた、薬剤の使用やアルコールの摂取、最近の透析治療、過去に透析に関連して筋肉のけいれんが起こったことがあるかどうかについても尋ねます。

  • アルコール依存症(毛細血管拡張症、手のひらの紅潮、男性では陰毛の生え方の変化など)

  • 甲状腺機能低下症(顔のむくみ、眉毛の脱落など)

  • 脱水(皮膚の弾力性の低下など)

検査

決まって行われる検査は特にありません。

筋肉のけいれんが広範囲に及ぶ場合、特に反射が過剰になっている場合には、血糖値と電解質(カルシウムとマグネシウムなど)の血中濃度を測定し、さらに(カルシウムやマグネシウムの値の異常を引き起こす)腎臓の機能不全の有無を確認する血液検査が行われます。

予防

筋肉のけいれんには予防が最善のアプローチです。以下のような対策が役に立ちます。

  • 食後すぐに運動することを控える

  • 運動や就寝の前に筋肉の軽いストレッチをする

  • 運動後に十分な水分(特にカリウムを含むスポーツ飲料)を摂取する

  • カフェイン(コーヒーやチョコレートなど)の摂取を控える

  • 禁煙する

  • エフェドリンやプソイドエフェドリン(処方せんなしで薬局などで購入できる製品に含まれる鼻閉改善薬)などの、刺激薬の使用を避ける

ストレッチをすると筋肉と腱の柔軟性が高まるため、筋肉が意図せずに収縮することが少なくなります。ランナーストレッチ(腓腹筋のストレッチ)は、ふくらはぎのけいれん(こむら返り)を予防する最善のストレッチ法です。片脚を前に出して膝を曲げ、後方の脚は膝を伸ばした姿勢(ランジ姿勢)で立ちます。バランスを取るために手を壁につけてもよいでしょう。両足のかかとは床につけたままにします。そして前方の脚の膝を、後方の脚の後ろ側が伸びているのを感じられるまでさらに深く曲げます。両足の距離が離れているほど、また前方の膝が深く曲がっているほど、後方の脚の背側の筋肉はよりいっそう伸ばされます。後方の膝を伸ばした状態で姿勢を30秒間保ち、それを4~5回繰り返します。その後、このセットを反対側でも繰り返します。

知っていますか?

  • ストレッチをすると、筋肉が不随意に(意図せず)収縮しにくくなるため、筋肉のけいれんの予防に役立ちます。

治療

筋肉のけいれんの原因となる病気が見つかった場合は、その治療を行います。

筋肉のけいれんが起きたときは、多くの場合、けいれんを起こしている筋肉を伸ばすことで緩和できます。例えば、ふくらはぎのけいれんの場合は、手で足やつま先を上方に引っ張るか、ランナーストレッチを行います。ある種のけいれんは、マッサージをすると一時的に痛みが和らぐことがあります。

筋肉のけいれんの再発を予防する目的で処方される薬剤(カルシウムサプリメント、炭酸マグネシウム、ジアゼパムのようなベンゾジアゼピン系の薬剤など)のほとんどは、有効性が証明されていないうえ、副作用を起こす可能性があります。キニーネには、嘔吐、視覚障害、耳鳴り、頭痛などの副作用があるため、筋肉のけいれんの治療としてはもはや推奨されていません。メキシレチン(不整脈の治療に用いられる)が役に立つ場合もありますが、この薬にも吐き気、嘔吐、振戦(体の一部が律動的にふるえる症状)、けいれん発作などの様々な副作用があります。

要点

  • 脚のけいれんはよくみられます。

  • 最も一般的な原因は、良性の脚のけいれんや運動に伴う筋肉のけいれんです。

  • ストレッチをして、カフェインの摂取を控えると、筋肉のけいれんを予防するのに役立ちます。

  • 通常、筋肉のけいれんの予防に薬物療法は勧められません。

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