しびれとは、本来は感覚が部分的または完全に消失した状態を指します。これは 神経系の機能不全の症状 脳、脊髄、末梢神経の病気の症状に関する序 脳、脊髄、神経が侵される病気を神経疾患と呼びます。 神経症状とは、神経系の一部または全体が侵された結果起こる症状のことで、神経系は非常に多くの身体機能を制御しているため、該当する症状は多岐にわたります。症状には、 頭痛や 腰痛など、あらゆる種類の痛みが含まれます。筋肉の運動、皮膚の感覚、特殊感覚(視覚、味覚、嗅覚、聴覚)が正常に機能するた... さらに読む である可能性があります。
しびれがある人では、軽い触覚、痛み、温度、振動を感じることができなかったり、体の一部がどこにあるのか(位置覚)が分からなくなったりすることがあります。体の一部がどこにあるか分からないと、平衡感覚や協調運動に問題が生じるようになります。
一方で、チクチク感やピリピリする痛み(ピンや針で刺されるような感覚)、四肢の脱力や麻痺などに対して「しびれ」という言葉が用いられることもありますが、このことはおそらく、しびれに伴ってこのような異常な感覚や症状が生じることが多いためと考えられます。他の症状があるかどうかは、しびれの原因によって異なります。
しびれが長く続くと(特に脚に起こった場合)、別の症状につながる可能性があります。歩行や運転が難しくなったり、転倒しやすくなる可能性があります。痛みも感じなくなるため、感染、足病変(足潰瘍)、けがなどに気づかないこともあります。このような場合、治療が遅れる可能性があります。
感覚の経路
人の感覚が正常に機能するためには、感覚受容器(皮膚の下にある神経線維の末端が感覚の受容に特化したもの)が体の内部または周囲の情報を検知する必要があります。それらの受容器は、以下の経路に沿って信号を送ります。
感覚神経(皮膚から脊髄に向かう)をたどる
脊髄を上行する
脳幹を上行する
信号を受け取って解釈する脳の部位(大脳にある)に到達する
体の部位によっては、経路に神経叢または馬尾と呼ばれる部分が含まれることもあります。
神経叢 神経叢疾患 様々な脊髄神経の神経線維が網目状に入り組んだ部分を神経叢と呼びますが、それが外傷、腫瘍、血腫(血液がたまった状態)、自己免疫反応などによって損傷を受けることがあります。 痛み、筋力低下、感覚の消失が、腕または脚の全体または一部に起こります。 筋電図検査と神経伝導検査は、損傷のある箇所を見つけるのに役立ち、MRI検査とCT検査は損傷の原因を特定するのに役立ちます。 症状を引き起こしている病気を治療すると、神経の機能が改善されることがありま... さらに読む とは、感覚神経線維と運動神経線維(脳からの信号を脊髄を介して筋肉や体の他の部位に伝える神経線維)からなるネットワークです。神経叢では、神経線維がいったん組み合わされた後、体の特定の部位へ向かうように並べ替えられます。神経叢から分岐した神経線維は末梢神経となります。体幹には4つの神経叢があります。
馬尾 馬尾症候群 馬尾症候群は、脊髄の底部から伸びる神経の束が圧迫されたり損傷したりすることで発生します。 馬尾症候群の最も一般的な原因は椎間板ヘルニアです。 馬尾症候群は、腰の激しい痛み、排尿の問題(尿失禁など)のほか、殿部、陰部、膀胱、直腸の感覚消失を引き起こします。 医師は馬尾症候群の症状を直ちに評価し、MRIまたはCT検査によって診断を確定します。 馬尾への圧迫を和らげるために手術が必要になることが多く、痛みを和らげるために鎮痛薬とコルチコステロ... さらに読む }は、脊髄の下に付着している脊髄神経根の線維の束です。構造が馬の尾に似ていることから、この名前で呼ばれています。馬尾は、太もも、殿部、性器と、これらに挟まれる領域の感覚に関与していて、この領域は自転車に乗るときにサドルにあたる部分に相当することから、サドル領域と呼ばれています。
原因
感覚の経路の一部が(通常は病気や薬剤によって)機能しなくなると、しびれが生じます。
多くの病態が様々な形でしびれを引き起こします。以下なような例が挙げられます。
体または脳の神経への血液の供給が減少する、または遮断される(体の場合は 血管炎 血管炎の概要 血管炎疾患は、血管の炎症(血管炎)を原因とする病気です。 血管炎は、特定の感染症や薬によって引き起こされる場合もあれば、原因不明の場合もあります。 発熱や疲労などの全身症状がみられることがあり、その後、侵された臓器に応じて他の症状がみられます。 診断を確定するために、患部の臓器の組織から採取したサンプルの生検を行い、血管の炎症を確認します... さらに読む
など、脳の場合は 脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中は、脳に向かう動脈が詰まったり破裂したりして、血流の途絶により脳組織の一部が壊死し(脳梗塞)、突然症状が現れる病気です。 脳卒中のほとんどは虚血性(通常は動脈の閉塞によるもの)ですが、出血性(動脈の破裂によるもの)もあります。 一過性脳虚血発作は虚血性脳卒中と似ていますが、虚血性脳卒中と異なり、恒久的な脳損傷が起こらず、症状は1時間... さらに読む などが原因になります)
けが 脊椎および脊髄の損傷 脊髄損傷のほとんどは自動車事故、転倒や転落、暴行、スポーツ外傷が原因です。 症状は感覚の消失、筋力の消失や、腸、膀胱、性機能の喪失などで、これらの症状は一時的なことも永久的なこともあります。 損傷を特定するには、MRI検査(軟部組織、脊髄、靱帯の損傷を評価するため)、CT検査(骨の損傷を評価するため)、またはその両方を用いるのが最善の方法... さらに読む
、 神経を侵す遺伝性疾患 遺伝性ニューロパチー 遺伝性ニューロパチーは末梢神経が侵される病気で、わずかな症状が徐々に悪化していきます。 ( 末梢神経系の概要も参照のこと。) 遺伝性ニューロパチーでは、以下のいずれかだけが侵されます。 運動神経(運動神経障害) 感覚神経と自律神経(感覚・自律神経障害) さらに読む (フリードライヒ運動失調症 フリードライヒ運動失調症 協調運動障害は、多くの場合、随意運動を協調させてバランスの制御を行う脳領域である小脳の機能不全が原因で起こります。 小脳の機能不全により、協調運動障害が起きます。 腕や脚をうまく制御できず、歩幅が大きくなって歩行が不安定になります。 診断は症状、家族歴、脳のMRI検査の結果のほか、しばしば遺伝子検査の結果に基づいて下されます。 可能であれば原因を是正しますが、それができない場合の治療としては、症状の緩和に重点が置かれます。 さらに読む など)により、感覚の経路の一部が損傷される
経路の一部に圧力がかかる(圧迫)
神経の感染症(ハンセン病 ハンセン病 ハンセン病は、らい菌 Mycobacterium lepraeまたはマイコバクテリウム・レプロマトーシス Mycobacterium lepromatosisという細菌によって引き起こされる慢性感染症です。感染の結果、主に末梢神経(脳と脊髄以外の神経)、皮膚、精巣、眼、鼻、のどの粘膜に障害が起こります。 ハンセン病は軽症のもの(皮膚の患部が1カ所から数カ所)から重症のもの(皮膚の患部が多数で、多くの臓器に障害... さらに読む
、 HIV感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症とは、ある種の白血球を次第に破壊し、後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすことのあるウイルス感染症です。 HIVは、ウイルスやウイルスに感染した細胞を含む体液(血液、精液、腟分泌液)と濃厚に接触することで感染します。 HIVはある種の白血球を破壊し、感染症やがんに対する体の防御機能を低下させます。... さらに読む
、 ライム病 ライム病 ライム病は、スピロヘータと呼ばれるらせん状の細菌(図「 主な細菌の形」を参照)の一属である、ボレリア属 Borrelia(米国では主にライム病ボレリア Borrelia burgdorferi)によって引き起こされる、ダニを介してうつる感染症です。 ほとんどの人は、ライム病がみられる山間地域での野外活動中に、ライム病ボレリア Borrelia... さらに読む
など)
経路の一部の神経に炎症が起こったり、外層がなくなったり(脱髄)する(多発性硬化症 多発性硬化症(MS) 多発性硬化症では、脳、視神経、脊髄の髄鞘(ずいしょう)(ほとんどの神経線維を覆っている組織)とその下の神経線維が、まだら状に損傷または破壊されます。 原因は解明されていませんが、免疫系が自分の体の組織を攻撃する現象(自己免疫反応)が関与していると考えられています。 多発性硬化症の患者のほとんどは、健康状態が比較的良好な期間と症状が悪化する期間を交互に繰り返しますが、時間の経過とともに、多発性硬化症は徐々に悪化していきます。... さらに読む や ギラン-バレー症候群 ギラン-バレー症候群(GBS) ギラン-バレー症候群は、筋力低下を引き起こす多発神経障害の一種で、筋力低下は通常は数日から数週間かけて悪化し、その後ゆっくりと自然に回復します。治療を行えば、もっと早く回復します。 ギラン-バレー症候群は、自己免疫反応によって引き起こされると考えられています。 通常、筋力低下は両脚で最初に起こり、それから体の上の方に広がります。 筋電図検査と神経伝導検査が診断の確定に役立ちます。... さらに読む など)
代謝に異常が生じる(糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に産生しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 神経を損傷し、知覚に問題が生じます。 血管を損傷し、心臓発作、脳卒中、慢性腎臓病、視力障害のリスクが高まります。... さらに読む 、 ビタミンB12欠乏症 ビタミンB12欠乏症 ビタミンB12欠乏症は、サプリメントを摂取しない完全な菜食主義者に発生したり、吸収障害の結果として発生することがあります。 貧血が起こり、蒼白、筋力低下、疲労が生じ、重度の場合には息切れやめまいも起こります。 重度のビタミンB12欠乏症によって神経の損傷が起きることがあり、手足のチクチク感や感覚消失、筋力低下、反射消失、歩行困難、錯乱、認知症が起こります。 ビタミンB12欠乏症の診断は、血液検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む 、鉛などの重金属またはその他の毒物による中毒、化学療法薬の使用など)
経路の様々な部位にかかる圧力には、その部位毎に以下のような様々な原因があります(表「 しびれの主な原因と特徴 しびれの主な原因と特徴 」を参照)。
末梢神経の圧迫 脊髄の圧迫 外傷や病気により脊髄に圧力が加わると、背部痛や頸部痛、チクチク感、筋力低下などの症状が起こります。 脊髄の圧迫は、骨、血液(血腫)、膿(膿瘍)、腫瘍(良性または悪性)、椎間板の破裂または椎間板ヘルニアなどが原因で起こります。 症状としては、背部痛や頸部痛、異常な感覚、筋力低下、排尿障害、排便障害などがみられ、軽度の場合もあれば重度の場合もあります。 診断は、症状と身体診察および画像検査(MRI検査など)の結果に基づいて下されます。... さらに読む :特定の動きを何度も繰り返したために腫れが生じること(例えば 手根管症候群 手根管症候群 手根管症候群は、正中神経が手首の手根管を通る所で圧迫され(締めつけられ)痛みが引き起こされる病気です。 手根管症候群の大半は原因不明です。 手の親指に近い指と手のひらが、痛くなったりチクチクしたりしびれたりします。 診断は、診察と、必要な場合は神経機能検査の結果に基づいて下されます。 通常、症状は、痛み止め、副子、またはときにコルチコステロイドの注射や手術で軽減できます。 さらに読む
の場合)、または長時間同じ姿勢でいること(脚を組んだまま長時間座っているなど)
脊髄神経根の圧迫:脊髄の 椎間板の破裂またはヘルニア 椎間板ヘルニア 椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板を覆う丈夫な外殻が裂けたり破裂したりすると発生します。椎間板の軟らかいゼリー状の内身が外殻から外へ飛び出す(ヘルニアになる)ことがあります。 加齢、けが、太りすぎは椎間板ヘルニアの原因になります。 椎間板ヘルニアが痛みを引き起こす場合、その痛みには、わずかな痛みから体を衰弱させるほどの痛みまであります。 画像検査を行って診断を下します。 運動、筋力強化、健康的な体重の維持により、椎間板ヘルニアのリスクを減ら... さらに読む
、 変形性関節症 変形性関節症 変形性関節症は軟骨と周囲の組織の損傷を引き起こす慢性疾患で、痛み、関節のこわばり、機能障害を特徴とします。 関節の軟骨と周囲の組織の損傷による関節炎は、加齢に伴い、非常によくみられるようになります。 痛みや腫れ、骨の過剰な増殖がよくみられ、起床時や動かずにいた後に生じて30分以内に治まるこわばり(特に関節を動かしていると治まりやすい)も一般的です。 診断は症状とX線所見に基づいて下されます。... さらに読む
、脊柱管狭窄症(脊髄が通っている管が狭くなる病気)
評価
しびれを引き起こす病気は非常に多いため、医師は可能性の高い原因に重点を置きつつ、体系的に問診を行っていきます。
警戒すべき徴候
しびれがみられる場合は、以下の症状に注意が必要です。
突然(数分または数時間以内に)始まるしびれ
突然または急速に(数時間または数日以内に)始まる筋力低下
しびれまたは筋力低下が上方または下方に向かって急速に広がり、体の他の部位に次々と及ぶ
呼吸困難
太もも、殿部、性器とこれらに挟まれる領域(サドル領域)のしびれ、尿失禁や便失禁
特定の高さより下(胸より下など)の両側の部位に起きたしびれ
1つの脚または腕の全体に及ぶしびれ
顔面と体幹の感覚消失
受診のタイミング
警戒すべき徴候がみられる人は、直ちに医療機関を受診する必要があります。警戒すべき徴候がない人は、主治医に電話してください。医師は患者の症状に基づいて、どの程度早急な受診が必要かを判断します。
医師が行うこと
医師は最初に、体のどの部位に症状があるかを尋ねます。以下のように、症状がある体の部位のパターンから、神経の経路のどこに機能不全があるのか分かることがよくあります。
腕または脚の一部:末梢神経または脊髄神経根の機能不全
左右同じ側の腕と脚:脳の機能不全
医師は次に、その他の症状や 病歴 神経疾患に関する病歴聴取 医師はまず、身体診察を始める前に問診を行います。 医師は患者に現在の症状を説明するよう求めます。 詳細にどのような症状があるか 症状が起きる部位はどこで、どれくらいの頻度で起きるか 症状の重症度 さらに読む について質問します。身体診察も行います。病歴と身体診察での所見から、多くの場合、原因と必要な検査が推測できます(表「 しびれの主な原因と特徴 しびれの主な原因と特徴 」を参照)。
医師は、しびれを詳しく説明するよう患者に求めます。次に、以下のような具体的な質問をすることもあります。
しびれが始まったのはいつですか
どれくらいの速さで始まりましたか
ほかに症状はありますか(例えば、異常感覚、筋力低下または麻痺、便失禁、尿失禁、尿閉[膀胱に尿がたまっても排尿できない状態]、視覚障害、嚥下困難、または精神機能の悪化)
症状を誘発する要因はありますか(例えば、脚や腕を圧迫すること、けが、不自然な姿勢で寝ること、感染症)
しびれや他の症状がどの程度時間をかけて現れたかを知ることは、医師が病気の種類を判断する際の助けになります。
原因を示唆する症状がないかを尋ねられます。例えば、背中や首の痛みは、変形性関節症、椎間板破裂、脊髄に圧力をかけるその他の病気を示唆します。
医師は、しびれの原因になりうる病気(特に糖尿病、慢性腎臓病、HIV感染症やライム病などの感染症、脳卒中、感染症)にかかったことがあるかについても尋ねます。家族に同様の症状がみられる人がいるか、神経系を侵す遺伝性の病気をもつ人がいるかを尋ねることもあります。薬剤(レクリエーショナルドラッグを含む)の使用歴、毒性物質にさらされた可能性についても尋ねます。
身体診察では、神経系の完全な評価(神経学的診察 神経学的診察 神経の病気が疑われる場合、医師は身体診察を行って、すべての器官系の評価を行いますが、特に神経系に重点が置かれます。神経系の診察(神経学的診察)では、以下の要素が評価されます。 精神状態 脳神経 運動神経 感覚神経 さらに読む )を行い、特に感覚の評価(触感、温かさなどの刺激を正常に感じ取ることができるか)と反射や筋肉の機能の評価に重点を置きます。
検査
診断が明らかであり、治療が一般的な対策(安静や副子固定など)のみでよい場合(例えば手根管症候群の場合など)、検査は必要ありません。
それ以外の場合は、医師が異常を疑った部位に応じて以下の検査が行われます。
感覚神経、神経叢、または脊髄神経根の場合:神経伝導検査と筋電図検査
神経叢の場合:ときに、造影剤を静脈に注射して行うMRI検査
脳または脊髄の場合:MRI検査またはCT検査(MRI検査がすぐに行えない場合)
神経伝導検査と筋電図検査 筋電図検査と神経伝導検査 病歴聴取と 神経学的診察によって推定された診断を確定するために、検査が必要になることがあります。 脳波検査は、脳の電気的な活動を波形として計測して、紙に印刷したりコンピュータに記録したりする検査法で、痛みを伴わずに容易に行えます。脳波検査は以下の特定に役立つ可能性があります。 けいれん性疾患 睡眠障害 一部の代謝性疾患や脳の構造的異常 さらに読む は、しばしば同時に行われます。神経伝導検査では、電極または小さな針で神経を刺激します。そして、信号が神経を伝わる速さを測定します。筋電図検査では、筋肉に小さな針を刺し、その筋肉が休んでいるときと収縮しているときの電気的活動を記録します。
具体的な原因を特定するため、さらに他の検査を行います。例えば、神経伝導検査の結果から多発神経障害が示唆される場合には、血液検査を行って様々な原因(糖尿病、腎疾患、ビタミン欠乏症など)がないかを確認します。
治療
可能であれば、しびれの原因を是正または治療します。
一般的な対策を行うことで、症状が軽減し、さらなる症状を予防できる可能性があります。しびれのある患者は、痛みに鈍感になっていることが多いため、けがの予防策が必要です。足にしびれがある場合、特に血流障害がある場合は、足に合った靴下や靴を選び、靴を履く前に中に小石などの異物がないか確認するようにすべきです。足に潰瘍や感染症の徴候(発赤など)がないか、頻繁に見て調べることも大切です。手や指にしびれがある場合は、とがった物や熱いかもしれない物を持つときに注意を払うべきです。
歩行が困難な人や、位置覚(体の部位がどこにあるのかを知る感覚)をなくしている人は、安全に歩き、 転倒を予防する 予防 転倒のほとんどは、身体的に動作またはバランス能力に支障をきたす状態の人が、環境内の障害物に遭遇したときに起きます。 多くの場合は転倒前に症状はないものの、めまいまたはその他の症状が現れている場合もあります。 転倒後、骨折または皮下出血がみられることがあります。 転倒の原因が病気か否かを判断するために、医師はしばしば検査を行います。... さらに読む 方法を学ぶために、理学療法が役立つ可能性があります。
このような人は、運転にも問題が生じる可能性があることを自覚しておくべきであり、運転する必要がある場合は、主治医に相談するべきです。
要点
しびれとは、感覚の部分的なまたは完全な消失であり、しばしば、チクチク感などの異常な感覚を伴います。
しびれには多くの原因があり、皮膚の感覚受容器から脳へと至る経路のどこかが機能しなくなると、しびれが発生します。
症状のある部位と症状がどれくらいの時間をかけて現れたかを医師に伝えると、機能不全のある部位と原因を特定する助けになります。
感覚神経、神経叢、または脊髄神経根の病変が疑われる場合は、神経伝導検査と筋電図検査から、脳または脊髄の病変が疑われる場合は、MRI検査から評価を始めるのが通例です。