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脳神経の概要

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM, Weill Cornell Medical College

最終査読/改訂年月 2017年 1月
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脳神経は12対の神経で構成され、脳から直接出て頭部、頸部、体幹の様々な部位へと伸びています。脳神経には、特殊な感覚(視覚、聴覚、味覚など)を担うものと、顔の筋肉を制御したり腺を調節したりするものがあります。脳神経は、それぞれの位置に応じて、脳の前から後ろに向かって番号と名前が付けられています。

脳神経の構成

12対の脳神経は、脳の下側から出て、頭蓋骨の開口部を通り、頭、首、体幹の各部位へと伸びています。脳神経は、それぞれの位置に応じて、脳の前から後ろに向かって番号と名前が付けられています。つまり、嗅神経は第1脳神経、舌下神経は第12脳神経といった具合です。

脳神経の構成

脳神経疾患は、以下のものが損傷を受けたり機能しなくなった場合に発生します。

脳神経を直接損傷するものには、けが、腫瘍、炎症、感染症(帯状疱疹など)、不十分な血液供給(糖尿病などでみられる)、薬物、毒性物質などがあります。

脳神経の病気には、眼球の動きを妨げるものがあります。眼球の動きは3つの筋肉によって制御されています。それらの筋肉は、眼球を上下、左右、および斜めの方向に動かします。また、それらの筋肉は以下の脳神経によって制御されています。

これらの神経のうちいずれかが損傷すると、それに制御されている筋肉が様々な程度に麻痺し、眼球を正常に動かせなくなる可能性があります。眼球運動がどのように損なわれるかは、どの神経が影響を受けたかによって異なります。これらの神経のうちどれか1つに麻痺が生じると、特定の方向を見たときに複視が起こります。

知っていますか?

  • 脳神経の病気の中には、眼球の動きを妨げることで、複視(ものが二重に見える症状)を引き起こすものがあります。

症状

脳神経疾患の症状は、どの神経がどのように損傷を受けているかによって異なります。脳神経疾患では、嗅覚、味覚、視覚、顔面の感覚、顔の表情、聴覚、平衡感覚、発話、嚥下(ものを飲み込むこと)、首の筋肉に影響が現れます。例えば、視覚の異常には以下のように様々なものがあります。

  • 左右の第2脳神経(視神経)の一方が損傷すると、片方の眼が失明します。

  • 眼球の運動を制御する3つの脳神経(第3、第4、第6脳神経)のうちいずれかが損傷すると、正常に眼球を動かすことができなくなります。症状には、特定の方向を見たときの複視(ものが二重に見える症状)などがあります。

  • 第3脳神経(動眼神経)が麻痺すると、上まぶたが麻痺します。上まぶたが垂れ下がり、視界が妨げられます。

  • 第8脳神経(聴神経または内耳神経)が損傷したり機能不全になったりすると、聴覚に異常が現れたり、回転性めまい(自分、周囲、またはその両方が回転しているかのような感覚)を覚えたりします。

脳神経疾患はまた、様々な顔面の痛みや頭痛の原因になることもあります。

診断

  • 症状

  • 脳神経の機能の検査

  • 通常はMRI検査

脳神経疾患が疑われる場合、医師は患者に症状を詳しく尋ね、脳神経の機能を調べる検査を行います。その際には、動いている対象を眼で追うなどの単純な動作を行うよう患者に指示します。

しばしばMRIによる脳の画像検査が必要になります。

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脳神経の機能を調べる検査

脳神経番号

名称

機能

検査

1

嗅神経

嗅覚

非常に特有な匂いのある物質(石けん、コーヒー、香辛料など)を鼻の下に置き、何の匂いかを尋ねることにより、嗅覚を検査する。左右の鼻孔で別々に検査する。

2

視神経

視覚

視力検査表を使って視力を測定する。周辺視野の検査では、患者がまっすぐ前を見つめている間に、医師が上、下、左、右から視界の中心に向かって指をゆっくり動かします。患者は指が見え始めたら医師にそう伝えます。

光覚

暗室で、ペンライトなどの明るい光を瞳孔に当てて、光覚(光を感じる能力)を検査する。片眼ずつ行う。

3

動眼神経

眼球の運動(上方・下方・内側)

動いている目標物を眼で追うよう指示することにより、左右の眼を上方・下方・内側に動かす能力を検査する。

光の変化に対する瞳孔の収縮と拡大(散大)

暗室で、ペンライトなどの明るい光を瞳孔に当てて、光に対する反応を検査する。片眼ずつ行う。

まぶたを上げる

上まぶたが垂れ下がって(眼瞼下垂)いないか調べる。

4

滑車神経

眼球の運動(下方・内側)

動いている目標物を眼で追うよう指示することにより、左右の眼を下方と内側に動かす能力を検査する。

5

三叉神経

顔面の感覚

針と綿球を使って顔面各部の感覚を検査する。

綿球で眼の角膜に触れて瞬目反射を検査する。

ものをかむ

歯をかみしめたり、押さえつけられたあごを開こうとしたりするよう指示することにより、あごを制御する筋肉の動きと筋力を調べる。

6

外転神経

眼球の運動(外側)

横を見るよう指示することにより、左右それぞれの眼球を中央より外側に動かす能力を調べる。

7

顔面神経

顔の表情、舌の前方3分の2の部分の味覚、唾液と涙の分泌、聴覚に関わる筋肉の制御

ほほ笑む、口を開けて歯をみせる、眼を固く閉じる動作を指示することにより、顔を動かす能力を検査する。

様々な物質を用いて、甘味(砂糖)、酸味(レモン汁)、塩味(塩)、苦味(アスピリン、キニーネ、アロエ)の味覚を検査する。

8

聴神経(内耳神経)

聴覚

音叉や、様々な周波数(高さ)と大きさの音を出せるヘッドホンを用いて、聴覚を検査する(聴力検査)。

平衡感覚

直線の上を歩くよう指示することにより、平衡感覚を検査する。

9

舌咽神経

ものを飲み込む、咽頭反射、発話

第9脳神経と第10脳神経は、どちらも嚥下(ものを飲み込むこと)と咽頭反射を制御しているため、一緒に検査する。

ものを飲み込むよう指示する。「アー」と声を出すよう指示し、そのときの口蓋(口の天井側)と口蓋垂(のどの奥にぶら下がっている小さな軟らかい突起)の動きを確認する。

のどの奥を舌圧子という器具で触れることがある(ほとんどの人で咽頭反射が誘発される)。

鼻声になっていないか確認するために、話すように指示する(口蓋の運動を検査する別の方法)。

10

迷走神経

ものを飲み込む、咽頭反射、発話

一部の内臓の筋肉や心拍の制御

この機能の検査は脳神経の診察とは別に行われる。

11

副神経

首の回転運動、肩の上下運動

押さえつけられた向きとは逆に首を回したり、下に押さえつけられた肩をすくめたりするよう指示する。

12

舌下神経

舌の運動

舌を突き出すよう指示し、左右のずれがないかを調べる。

治療

  • 原因の治療

具体的な脳神経疾患の治療法は原因によって異なります。

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