(脳の感染症の概要も参照のこと。)
頭蓋内硬膜外膿瘍と硬膜下膿瘍は、以下のように、脳自体の外側、頭蓋骨の内側(頭蓋内)に発生します。
原因
硬膜外膿瘍と硬膜下膿瘍は、以下の原因によって発生することがあります。
硬膜外膿瘍や硬膜下膿瘍は、脳膿瘍の原因菌と同じ細菌(黄色ブドウ球菌 Staphylococcus aureus やバクテロイデス・フラジリス Bacteroides fragilisなど)によって引き起こされます。
5歳未満の小児では、通常は細菌性髄膜炎が原因で起こります。小児の髄膜炎は現在ではまれになったため、小児の硬膜外膿瘍や硬膜下膿瘍もまれになりました。
症状
診断
治療
乳児の場合は、泉門(頭蓋骨を構成する複数の骨の隙間にある軟らかい部分)から直接膿瘍内に針を刺し込める場合があり、これにより膿を排出して頭蓋内圧を下げられるとともに、診断の助けになることがあります。
硬膜外膿瘍や硬膜下膿瘍は、手術による排膿が必要です。副鼻腔または中耳の異常が原因で感染が起こっている場合は、手術時にその異常の修正も同時に必要になることがあります。
抗菌薬(セフォタキシムまたはセフトリアキソン、メトロニダゾール、バンコマイシンなど)は静脈内に投与されます。
けいれん発作を抑えるための抗てんかん薬や、頭蓋内圧を下げるための処置が必要になることもあります。具体的な処置としては以下のものがあります。