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進行性多巣性白質脳症(PML)

執筆者:

John E. Greenlee

, MD, University of Utah School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 1月
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進行性多巣性白質脳症は、JC(John Cunningham)ウイルスが原因で起こる、まれな脳の感染症です。

  • この病気に特にかかりやすいのは免疫機能が低下している人です。

  • 動きがぎこちなくなったり、話すのが難しくなったり、部分的な失明が生じたりすることがあり、精神機能が急速に低下します。

  • 通常は9カ月以内に死に至ります。

  • 頭部の画像検査と腰椎穿刺が行われます。

  • 免疫系の働きを弱めている病気の治療が役立つことがあります。

脳の感染症の概要も参照のこと。)

進行性多巣性白質脳症の原因はJCウイルスの感染です。多くの場合、JCウイルスの感染は小児期に起こります。ほとんどの成人はJCウイルスに感染していますが、この病気を発症しません。

JCウイルスは、免疫系の機能低下などがきっかけで再び活性化して増殖できるようになるまで、不活性状態のままでいると考えられています。したがって、この病気は主に、白血病、リンパ腫、エイズなどの病気や、免疫系の働きを抑える薬(免疫抑制薬)または免疫系の働きを調整する薬(免疫調節薬)によって免疫機能が低下している人に起こります。そのような薬としては、移植した臓器の拒絶を抑えるために用いられるものや、全身性エリテマトーデスや多発性硬化症などの自己免疫疾患やがんを治療するために用いられるものがあります。ナタリズマブやリツキシマブなどのモノクローナル抗体は、そのような薬剤の例です。

症状

JCウイルスは、再活性化するまで、症状を引き起こさないと考えられています。

進行性多巣性白質脳症の症状は、徐々に現れることがあり、通常は進行性に悪化していきます。現れる症状は、脳のどの部分が侵されたかによって異なります。約3人に2人の割合で、精神機能の低下が急速に進行し、認知症が起こります。話すことが次第に困難になります。部分的な失明が生じる可能性があります。歩行困難が生じることもあります。まれに頭痛やけいれん発作が(主にエイズの人で)起こります。

一般的には発症後1~9カ月以内に死に至りますが、それ以上(約2年)生存する例も少数ながらあります。

診断

  • MRI検査

  • 腰椎穿刺

免疫機能が低下している人で、次第に悪化する症状がある場合は、進行性多巣性白質脳症が疑われます。

頭部のMRI(磁気共鳴画像)検査が行われます。通常はMRI検査により、この病気を示唆する異常を検出できます。

腰椎穿刺を行い、髄液(脳と脊髄を覆う組織の間を流れる体液)のサンプルを採取します。髄液中のJCウイルスのDNAを検出するために、遺伝子のコピーを大量に増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法が行われます。

亡くなった後に脳組織を調べて初めて診断が確定することもあります。

治療

  • 免疫系の機能低下が原因であれば、原因の治療

進行性多巣性白質脳症に効果的であることが証明されている治療法はありません。しかし、免疫系の機能を低下させている病気を治療すれば、生存期間が長くなります。例えば、原因がエイズの場合は、抗レトロウイルス療法が用いられます。

免疫抑制薬または免疫系の機能に影響を与えるその他の薬(ナタリズマブなど)を服用している場合は、薬の使用を中止すると、進行性多病巣性白質脳症が沈静化することがあります。ときに血漿交換により、血液中から薬を除去することがあり、特に薬がナタリズマブ(多発性硬化症の治療に用いられる)の場合はこの方法が行われます。

抗レトロウイルス療法による治療を受けている人または免疫抑制薬の投与を中止した人に、免疫再構築症候群(IRIS)が起こることがあります。この病気が起こると、回復途中の免疫系がJCウイルスを激しく攻撃するため、症状が一時的に悪化することがあります。コルチコステロイドが症状の緩和に役立つことがあります。

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