神経系は、脳と脊髄に加えて、これらを全身の各部分と接続している神経(末梢神経 末梢神経系の概要 末梢神経系とは、中枢神経系以外の神経系、すなわち脳と脊髄以外の神経のことを指します。 末梢神経系には以下のものが含まれます。 脳と頭部、顔面、眼、鼻、筋肉、耳をつなぐ神経( 脳神経) 脊髄と体の他の部位をつなぐ神経(31対の脊髄神経を含む) 体中に分布している1000億個以上の神経細胞 さらに読む )で構成されています。
医師は症状に基づいて、脳、脊髄、または神経の異常を疑います。神経系の一部または全体に影響を及ぼす病気(神経疾患)によって生じる症状を神経症状といいます。
神経系は非常に多くの身体機能を制御しているため、神経症状の種類は非常に多岐にわたります。具体的には以下のものがあります。
皮膚の異常感覚
視覚、味覚、嗅覚、聴覚の異常
あらゆる種類の 痛み 痛みの概要 痛み(疼痛ともいいます)とは、体に損傷が起こったこと、あるいは起こった可能性があることを知らせる不快な感覚のことです。 痛みは医療機関の受診理由として最も多い症状です。 痛みには、鋭い痛みや鈍い痛み、間欠的な痛みや持続的な痛み、拍動性の痛みや一定した痛みなど、様々な種類があります。ときに、非常に説明が難しい痛みもあります。痛みは1カ所に限... さらに読む (頭痛 頭痛の概要 頭痛とは、頭部のいずれかの部分(頭皮、首の上部、顔面、頭部の中を含む)に生じる痛みのことです。頭痛は医療機関の受診理由として最も多いものの1つです。 頭痛は仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。頭痛が頻繁に起こる人もいれば、めったに起こらない人もいます。 頭痛は重症化して苦痛になることもありますが、重篤な病気が原因であることは多くあ... さらに読む や 腰痛 腰痛 腰や 首の痛みは、外来受診の理由として最も多いものの1つです。通常、これらの痛みは、 筋骨格系の問題、なかでも脊椎の骨(背骨、すなわち椎骨)、椎間板、それを支持する 筋肉や 靱帯など、脊椎に関係する問題から生じます。ときとして、筋骨格系を侵さない病気によって腰痛が生じることがあります。... さらに読む
など)
神経症状には、軽微なもの(足のしびれなど)もあれば、生命を脅かすもの(脳卒中による昏睡など)もあります。
神経疾患の診断では、症状の特徴と発生パターンが参考になります。
神経疾患を示唆する症状がみられる場合、医師は症状とその他の重要な要因(病歴 神経疾患に関する病歴聴取 医師はまず、身体診察を始める前に問診を行います。 医師は患者に現在の症状を説明するよう求めます。 詳細にどのような症状があるか 症状が起きる部位はどこで、どれくらいの頻度で起きるか 症状の重症度 さらに読む )について具体的な質問をします。通常は身体診察も行って体のすべての器官系を評価しますが、特に神経系を重点的に診察します(これを 神経学的診察 神経学的診察 神経の病気が疑われる場合、医師は身体診察を行って、すべての器官系の評価を行いますが、特に神経系に重点が置かれます。神経系の診察(神経学的診察)では、以下の要素が評価されます。 精神状態 脳神経 運動神経 感覚神経 さらに読む といいます)。
神経学的診察では、医師が以下のことを行う上で参考になる情報が得られます。
症状の原因になっている異常がある部位を特定する
検査が必要かどうか、必要な場合はどの検査を行うべきかを判断する
診断を確定したり、他の病気の可能性を否定したりするための 診断検査 脳、脊髄、末梢神経の病気の検査 病歴聴取と 神経学的診察によって推定された診断を確定するために、検査が必要になることがあります。 脳波検査は、脳の電気的な活動を波形として計測して、紙に印刷したりコンピュータに記録したりする検査法で、痛みを伴わずに容易に行えます。脳波検査は以下の特定に役立つ可能性があります。 けいれん性疾患... さらに読む が必要になる場合もあります。