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急性横断性脊髄炎

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM, New York Presbyterian Hospital-Cornell Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 1月
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急性横断性脊髄炎は、脊髄の幅全体に(横断性に)炎症が起こり、脊髄を行き来する神経信号が遮断される病気です。

  • この病気は、多発性硬化症、視神経脊髄炎、ライム病、全身性エリテマトーデスなどの特定の病気の人、または特定の薬剤を使用している人に起こります。

  • 突然背中に痛みが生じ、患部を帯状に締めつけられるような感じがします。その後、ときに麻痺などの重度の症状が現れることがあります。

  • MRI検査が診断の助けになりますが、腰椎穿刺が必要なこともあります。

  • 回復する人、いくつかの障害が残る人、ほとんど回復しない人が、それぞれ約3分の1ずついます。

  • 可能であれば、原因に対する治療を行います。コルチコステロイドの投与や、ときに血漿交換を行う場合もあります。

脊髄の病気の概要も参照のこと。)

米国では毎年約1400人に急性横断性脊髄炎が起こっていると推定されています。また、この病気による何らかの機能障害がある人は約33,000人いると考えられています。脊髄(通常は胸部)の1つまたは複数の領域で、脊髄の全幅に炎症が生じます。

何が急性横断性脊髄炎の引き金になるのかは不明ですが、免疫系が自己の体を異物と誤解し、自己の組織を攻撃し損傷する抗体を産生する反応(自己免疫反応)が原因である可能性があります。横断性脊髄炎の場合、脊髄がその攻撃の対象となります。

急性横断性脊髄炎は、以下の病気があるときに発生することがあります。

ときに、軽度のウイルス感染症またはワクチン接種の後に発症することもあります。

症状

通常、症状は突然の背中の痛みで始まり、炎症が起こった部位(胸部や腹部)の周りを帯状に締めつけられるような感覚が現れます。数時間から数日以内に、チクチク感、しびれ、筋力低下が足に起こり、上に広がっていきます。排尿は困難になりますが、なかには強い尿意(尿意切迫感)を感じるにもかかわらず、排尿は困難であるという人もいます。これらの症状はさらに数日かけて悪化し、重症化すると麻痺、感覚消失、尿閉(膀胱に尿がたまっても排尿できない状態)、尿失禁や便失禁に至ります。

障害の程度は、炎症を起こした脊髄の高さ(レベル)と炎症の重症度によって異なります。

診断

  • MRI検査

  • ときに腰椎穿刺

  • その他の検査による原因の調査

急性横断性脊髄炎は症状から疑われますが、同様の症状を引き起こす他の病気(ギラン-バレー症候群、脊髄圧迫、脊髄への血流遮断など)と区別する必要があります。

まずMRI検査が行われます。MRI検査により脊髄圧迫を発見できないときは、腰椎穿刺を行い、脳脊髄液(髄液)のサンプルを採取します。急性横断性脊髄炎がある場合は、髄液中の特定の白血球の数とタンパクの量が上昇しています。病気が進行している場合は、通常、MRI検査で炎症による脊髄の腫れが明らかになります。

原因を探すため、胸部X線検査や血液検査なども行われます。使用している薬剤についても質問されます。

予後(経過の見通し)

多発性硬化症や全身性エリテマトーデスの人では、ときにこの病気が再発することがあります。原因が特定できない横断性脊髄炎の人の約10~20%は、最終的に多発性硬化症を発症します。

全般的に、症状の進行が速いほど経過の見通しは悪くなります。重度の痛みがある場合は炎症がより重いと考えられます。経過は以下のように均等に分かれます。

  • 約3分の1の人は回復します。

  • 約3分の1の人では、ある程度の筋力低下と排尿障害(尿意切迫感または尿失禁)が続きます。

  • 約3分の1の人は、ほとんど回復せず、車いすでの生活を余儀なくされるか、寝たきり状態になります。排尿障害や排便障害が残り、日常活動に手助けを必要とします。

治療

  • 原因が特定された場合、その治療

  • ときにコルチコステロイド

  • ときに血漿交換

横断性脊髄炎が他の病気によって引き起こされている場合、その病気を治療します。

原因が特定できない場合は、急性横断性脊髄炎に関与していると思われる免疫系を抑制するために、プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドが高用量で投与されます。

大量の血漿(血液の液体部分— 血小板献血)を取り除き血漿を輸血する治療(血漿交換)も行われることがあります。目標は、脊髄を攻撃し損傷を与えるあらゆる抗体を血液から除去することです。しかし、これらの治療が有用かどうかは分かっていません。

症状に対する治療も行われます。

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