脊髄は傷つきやすい長い管状の構造物で、脳幹の下端から脊椎の一番下近くまで続いています。脊髄にある神経は、脳と他の部位との間でやり取りされるメッセージを伝達します。脊髄はまた、膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)などの反射の中枢でもあります({blank} 反射弓:脳を介さない経路)。
脳と同様に、脊髄も3層の組織(髄膜)で覆われています。脊髄と髄膜は、脊椎の中央にある脊柱管という細長い空間の中にあります。大半の成人では、脊椎(背骨)は26個の椎骨でできています。頭蓋骨が脳を保護しているように、椎骨は脊髄を保護しています。椎骨と椎骨の間は軟骨でできた椎間板で隔てられていて、椎間板は歩行やジャンプなどの動きで生じる衝撃を和らげるクッションの役割を果たしています。椎骨と椎間板によって脊椎全体の長さが延びて一本の柱を形成し、その全体が脊柱と呼ばれることもあります。
脊椎の成り立ち
脳と同じように、脊髄も灰白質と白質で構成されています。断面が蝶のような形をしている脊髄の中心部は、灰白質で構成されています。この蝶の前方の羽にあたる部分(前角とも呼ばれる)には、運動神経細胞(ニューロン)が集まっていて、この細胞は脳や脊髄からの情報を筋肉に伝えて、運動を促します。後ろ側の角には、感覚神経細胞が集まっていて、この細胞は体の他の部位からの感覚情報を脊髄経由で脳に伝えます。周囲の白質には、体の他の部位からの感覚情報を脳へ伝達する経路(上行路)と、脳から出された運動の信号を筋肉へ伝達する経路(下行路)である、神経線維の束が通っています。