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慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)

(慢性炎症性脱髄性多発神経炎、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎)

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM, New York Presbyterian Hospital-Cornell Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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本ページのリソース

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは多発神経障害の一種で、ギラン-バレー症候群と同様に筋力が次第に低下していきますが、筋力低下は8週間以上かけて進行します。

  • 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは、自己免疫反応によって神経の周りにある髄鞘が損傷することで引き起こされると考えられています。

  • この病気では、筋力低下が8週間以上にわたり持続的に悪化していきます。

  • 筋電図検査、神経伝導検査、髄液の分析が診断の確定に役立ちます。

  • 治療法としては、コルチコステロイドや免疫系を阻害する薬剤のほか、ときに免疫グロブリンと血漿交換も行われます。

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは、ギラン-バレー症候群の患者の3~10%に発生します。この病気はギラン-バレー症候群と同様、多発神経障害です。つまり、全身の多くの末梢神経が侵されます。

ギラン-バレー症候群と同様に、自己免疫反応が関与すると考えられています。自己免疫反応が起こると、免疫系が髄鞘(神経を取り巻く組織で、神経を信号が伝わる速度を速める働きを担っています)を攻撃します。

神経線維を絶縁する組織

脳の内外のほとんどの神経線維は、脂肪(リポタンパク)でできた何層もの組織(ミエリンといいます)に包まれています。それらの層は髄鞘と呼ばれる組織を形成しています。髄鞘は電線を包む絶縁体のような役割を果たしていて、この働きによって、神経の情報伝達に必要な信号が神経線維に沿って速やかに伝えられます。

髄鞘が損傷すると、信号が神経を正常に伝わらなくなります。

神経線維を絶縁する組織

症状

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーの症状は、ギラン-バレー症候群の症状と似ていて、筋力低下や異常感覚(しびれ、ピンや針で刺されるような感覚)がみられます。ただし、これらの症状は8週間以上かけて悪化していきます。(ギラン-バレー症候群では、筋力低下は通常3~4週間かけて悪化し、その後は変化しないか回復に転じます。)

反射は通常、消失します。

ほとんどの場合、ギラン-バレー症候群に比べると、体内機能への影響は少なく、血圧の変動が小さく、不整脈はそれほど起こりません。また、筋力低下はより不規則で、進行がより遅く、症状の現れ方が体の両側で異なります。

診断

  • 筋電図検査、神経伝導検査、腰椎穿刺

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは症状から疑われます。この病気は8週間以上かけて進行する点で、ギラン-バレー症候群とは区別できます。

診断を確定するために、筋電図検査、神経伝導検査腰椎穿刺による髄液(脳と脊髄の周囲を流れている液体)の採取が行われます。

まれに、神経の生検が必要になります。

治療

  • コルチコステロイドや免疫系を抑制する薬

  • 免疫グロブリン製剤

  • 血漿交換

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーの患者の一部では、プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドによって症状を軽減できます。アザチオプリンなどの免疫系を抑制する薬(免疫抑制薬)も使用されることがあります。

免疫グロブリン製剤(複数のドナーから採取した多くの様々な抗体を含む溶液)が静脈の中または皮膚の下に投与されます。コルチコステロイドよりも少ない副作用で、症状を緩和できます。しかし、治療を中止すると効果が長く続かない可能性があります。

しかし、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーが重症の場合や、進行が速い場合は、血漿交換(髄鞘に対する抗体などの有害物質を血液からろ過して取り除く処置)が行われることがあります。

治療には数カ月から数年かかることがあります。

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