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シャルコー-マリー-トゥース病

(Charcot-Marie-Tooth病;腓骨筋萎縮症)

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM, New York Presbyterian Hospital-Cornell Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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シャルコー-マリー-トゥース病は、下腿(脚の膝より下の部分)の筋肉に筋力低下と萎縮が起こる遺伝性ニューロパチーです。

  • シャルコー-マリー-トゥース病では、筋肉の活動を制御する神経と感覚情報を脳に送る神経が侵されます。

  • 筋力低下はまず下腿で始まり、それから徐々に脚の上の方に広がっていきます。また、振動、痛み、温度を感じる能力が低下します。

  • 診断を確定するために筋電図検査と神経伝導検査が行われます。

  • 病気の進行を止める治療法はありませんが、装具の使用と理学療法や作業療法が機能の改善に役立つ可能性があります。

末梢神経系の概要も参照のこと。)

シャルコー-マリー-トゥース病は、最も一般的な遺伝性ニューロパチーであり、2500人に1人の割合でみられます。小児期に発症することもあれば、成人してから発症することもあります。

シャルコー-マリー-トゥース病は、感覚・運動神経障害が起きる病気です。つまり、筋肉の活動を制御する運動神経と感覚情報を脳に送る感覚神経の両方が侵されます。

シャルコー-マリー-トゥース病には、いくつかの病型があります。しかし典型的には、以下のような損傷の種類に基づいて分類されます。

  • 脱髄:軸索(神経のうち信号を伝達する部分)は損傷されませんが、その軸索を取り囲む髄鞘に損傷や破壊(脱髄)が起こります。(髄鞘は、電線を覆う絶縁体のようなもので、号が神経を伝わる速度を速める働きがあります。)

  • 軸索の損傷:軸索(神経のうち情報を伝達する部分)が主に影響を受けます。ときに軸索が永続的に機能しなくなることもあります。

神経線維を絶縁する組織

脳の内外のほとんどの神経線維は、脂肪(リポタンパク)でできた何層もの組織(ミエリンといいます)に包まれています。それらの層は髄鞘と呼ばれる組織を形成しています。髄鞘は電線を包む絶縁体のような役割を果たしていて、この働きによって、神経の情報伝達に必要な信号が神経線維に沿って速やかに伝えられます。

髄鞘が損傷すると、信号が神経を正常に伝わらなくなります。

神経線維を絶縁する組織

大半の病型は、性別が関係する伴性遺伝ではなく、常染色体優性遺伝の形質として遺伝します。すなわち、両親のどちらかから問題の遺伝子を1つ受け継ぐだけで発症します。

デジュリーヌ-ソッタス病(肥厚性間質性ニューロパチー[hypertrophic interstitial neuropathy])は、また別の遺伝性感覚・運動性ニューロパチーであり、シャルコー-マリー-トゥース病に似た症状を引き起こします。しかし、シャルコー-マリー-トゥース病よりも急速に筋力低下が悪化します。感覚と反射も消失します。症状は小児期に始まります。性別が関係する伴性遺伝ではなく、常染色体優性または劣性遺伝の形質として遺伝することがあります。つまり、この病気が発症するには、片方の親から1つの遺伝子を受け継ぐか(優性の場合)、両親それぞれから1つずつ、計2つの遺伝子を受け継ぐ(劣性の場合)必要があります。

症状

症状は病型によって異なります。

症状は小児期の中盤または青年期に始まることがあります。まず、下腿の筋力が低下して、足首を曲げて足のつま先を挙上することができなくなり(下垂足)、ふくらはぎの筋肉の萎縮(コウノトリ様脚変形)が起こります。後に手の筋肉にも萎縮が始まります。手と足は姿勢、振動、痛み、温度を感じることができなくなります。この感覚の消失は徐々に腕と脚に広がります。

比較的軽症の病型では、アーチが高くなる足の変形と槌趾(つちゆび)しか症状がみられない場合もあります。別の病型では、男性には重度の症状が現れる一方、女性は軽い症状のみで、ときに何の異常もみられない場合もあります。

病状はゆっくり進行し、余命には影響しません。

診断

  • 医師による評価

  • 筋電図検査と神経伝導検査

医師は以下について質問します。

  • どこの筋力が低下しているか

  • 病気はいつから始まったか

  • 家族に同じような症状がある人はいるか

足の変形(高いアーチや槌趾)の有無についても確認します。この情報は、シャルコー-マリー-トゥース病の病型を特定し、他の神経障害(ニューロパチー)から区別する上で役立ちます。

診断を確定するために筋電図検査と神経伝導検査が行われます。

シャルコー-マリー-トゥース病を対象とした遺伝子検査と遺伝カウンセリングを受けることも可能です。

治療

  • 下垂足に対する装具

  • ときに理学療法と作業療法

シャルコー-マリー-トゥース病の進行を止める治療法はありません。

下垂足の矯正には装具が有用ですが、足を安定させるために整形外科手術が必要になる場合もあります。

筋力をつけるための理学療法や、作業療法が役立つ場合があります。職業カウンセリングは、病気が進行しても仕事で必要な技術を維持する上で役立つことがあります。

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