( プリオン病の概要 プリオン病の概要 プリオン病は、現在のところ治療法がなく、最終的には死に至る、まれな進行性の脳(およびまれに他の臓器)の変性疾患であり、プリオンと呼ばれるタンパクが異常な形態に変化することで発生します。 プリオンが発見されるまでは、クロイツフェルト-ヤコブ病などの海綿状脳症はウイルスが原因と考えられていました。プリオンはウイルスよりはるかに小さく、また、遺... さらに読む も参照のこと。)
可変プロテアーゼ感受性プリオン病は2008年に特定されました。人間のプリオン病の約3%を占め、約100万人に2~3人の割合で発生します。70歳前後で発症し、症状が現れてからの余命は約24カ月です。
この病気の原因になる遺伝子変異はまだ見つかっていません。可変プロテアーゼ感受性プリオン病では、プロテアーゼと呼ばれる酵素によって、他のプリオン病でみられるよりも簡単にプリオンが破壊されることから、他のプリオン病とは異なると考えられています。
可変プロテアーゼ感受性プリオン病の最初の症状は通常、気分や行動の変化です。自制がなくなり、強い幸福感(多幸感)を感じ、普段行っていた活動への興味をなくし、無気力になります。発話の異常や協調運動障害をきたすこともあります。精神機能は障害されません。やがて歩行が困難になります。
可変プロテアーゼ感受性プリオン病は特に診断が難しく、しばしば別の認知症と誤診されます。
効果的な治療法はありません。治療では、症状の緩和に重点が置かれます。