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良性骨腫瘍

執筆者:

Michael J. Joyce

, MD, Cleveland Clinic Lerner School of Medicine at Case Western Reserve University;


Hakan Ilaslan

, MD, Cleveland Clinic Lerner College of Medicine at Case Western Reserve University

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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がんではない(良性)骨腫瘍は痛みを伴わないことがありますが、多くの場合は骨痛を引き起こします。ひどい痛みになることもあります。痛みは、安静時や夜間に生じることがあり、徐々に悪化する傾向があります。

骨の腫瘍の概要も参照のこと。)

軟骨芽細胞腫

軟骨芽細胞腫は、骨端部分に増殖するまれな腫瘍です。主に10~20歳で発生します。この腫瘍は、痛みが生じて発見されることがあります。

軟骨芽細胞腫を診断するために、医師はX線検査を行い、MRI(磁気共鳴画像)検査など他の画像検査を行うこともあります。

治療しないでいると、腫瘍は大きくなり続け、骨や関節を破壊することがあります。そのため、治療は手術での腫瘍の切除と、その欠損部を充填するための骨移植(骨組織をある骨から別の骨へと移植すること)です。移植材料として、患者自身の骨盤から採取した骨(自家移植片)や、他者の骨組織処理片(同種移植片)、人工の代替骨を使用できます。術後に腫瘍が再発する場合もあります。

軟骨粘液線維腫

軟骨粘液線維腫は通常、30歳未満の人に発生する非常にまれな腫瘍です。通常は、腕や脚(四肢)の骨の骨端部近くで、1つの側面に生じます。通常みられる症状は、痛みです。

軟骨粘液線維腫を診断するために、医師はX線検査を行います。

軟骨粘液線維腫の治療は手術による切除であり、通常はそれによって治癒します。ただし、腫瘍が再発することもあります。

内軟骨腫

内軟骨腫は、どの年齢でも起こりますが、10~40歳の人に発生する傾向があります。この腫瘍は、長管骨の中心部(髄腔)に生じます。

この腫瘍は、通常は症状を引き起こしませんが、大きくなって痛みを引き起こすことがあります。

何か別の理由でX線検査を受けた際に発見されることが多く、しばしばX線上の見た目に基づいて診断できます。

腫瘍がX線検査によって確定診断できない場合や痛みを生じる場合は、内軟骨腫の診断を確定したり他の悪性腫瘍の可能性を否定するために、組織のサンプルを採取して、顕微鏡で調べなければならないことがあります(生検)。

内軟骨腫で痛みが生じない場合、切除や治療を行う必要はありません。

内軟骨腫は軟骨肉腫と呼ばれるがんの(悪性)骨腫瘍に変化することがあります。この変化は内軟骨腫が1つだけしかない人ではまれですが、複数の内軟骨腫(内軟骨腫症と呼ばれます)がある人では、悪性腫瘍への変化がより多くみられます。

フォローアップのX線検査を行い、大きさの変化がないかモニタリングを行い、腫瘍が軟骨肉腫になっていないことを確認することがあります。

線維性骨異形成

線維性骨異形成は、小児期に起こる異常な骨成長です。1つまたは複数の骨に起こります。骨盤や股関節の骨が最も症状が出やすい部位です。

小児に、オールブライト症候群(またはマッキューン-オールブライト症候群)と呼ばれる病気を示す、あざや思春期早発の徴候がみられることがあります。異常な骨成長は、思春期に止まるのが一般的です。この病気は、まれにがんになる(悪性化する)ことがあります。

この病気は別の理由でX線検査を行ったときにしばしば発見されます。

ビスホスホネート系薬剤の静脈内投与が痛みの緩和に役立つことがあります。外科手術によって、変形、ギプスをはめても治癒しない骨折、または他の方法で緩和しない痛みが治ることがあります。

巨細胞腫

巨細胞腫は、通常は20代と30代の人に発生します。骨端部から発生することが最も多く、周囲の組織に広がっていくことがあります。痛みを生じることもあります。

巨細胞腫を診断するために、医師はX線検査を行います。この腫瘍はまれに肺に転移することがあるため、医師は胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査を行うことがあります。

巨細胞腫の治療法は、腫瘍の大きさによって異なります。腫瘍は手術で切除可能で、骨の構造を保つため、欠損部は骨移植や人工骨移植、骨セメント(メチルメタクリレート)で充填できます。ときには、腫瘍が非常に広範囲に及び、骨の病変部を切除し、関節を再建しなければならないことがあります。掻爬(そうは)と呼ばれる手術法では、さじ状の器具で腫瘍を削り取ります。そのため、欠損部を充填する前に、化学物質のフェノールで治療したり液体窒素で凍らせたりすることがあります。医師によっては骨セメントを温めることもあります。これらの治療法は腫瘍が再発するリスクを低下させるのに役立ちます。この治療の後、約10%は再発します。巨細胞腫が悪性化することはまれです。

非骨化性線維腫(線維性骨皮質欠損、線維黄色腫)

非骨化性線維腫は、骨の一部が、正常に硬くならず、骨組織ではなく線維組織で満たされた場合に生じる異常です。非常に小さい非骨化性線維腫は線維性骨皮質欠損と呼ばれます。非骨化性線維腫は小児に多くみられます。脚の骨の端付近に多くみられます。

ほとんどの非骨化性線維腫はいずれ硬くなり、時には正常な骨よりも硬くなることがあります。小さい非骨化性線維腫は症状を引き起こしません。しかし、小さい線維腫が大きくなり、痛みを引き起こすことや骨折のリスクを高めることがあります。

非骨化性線維腫は、ほとんどの場合は別の理由でX線検査を行った際に発見されます。

小さい非骨化性線維腫は治療の必要がありません。しかし、痛みを引き起こすことや大きくなった線維腫は切除し、欠損部を充填するために骨移植を行います。

骨芽細胞腫

骨芽細胞腫はまれな良性腫瘍です。単純に大きな類骨骨腫であると考える医師もいます。骨芽細胞腫は男性に非常に多くみられ、一般的に10~35歳で発症します。この腫瘍は、脊椎、脚、手、足の骨に生じます。徐々に大きくなって正常な骨を破壊し、痛みを伴います。

骨芽細胞腫を診断するために、医師はX線検査を行い、CT(コンピュータ断層撮影)検査MRI(磁気共鳴画像)検査など他の検査を行います。骨芽細胞腫の診断を確定するには、採取した組織サンプルを顕微鏡で調べます(生検)。

骨芽細胞腫の治療には手術が必要です。多くの場合、腫瘍が切除され、その後欠損部を充填するために骨移植(骨組織をある骨から別の骨へと移植すること)が行われます。術後に腫瘍が再発する場合もあります。

骨軟骨腫

骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)は、良性骨腫瘍の中で最も多くみられるもので、通常は10~20歳で発生します。腫瘍は骨の表面に増殖し、硬いかたまりが突出します。腫瘍は、1人の患者に1つできることも、複数できることもあります。複数の腫瘍ができる傾向は、遺伝する可能性があります。

2カ所以上に骨軟骨腫(多発性骨軟骨腫症と呼ばれます)のある人のうち、約10%では、人生のある時点で、軟骨肉腫と呼ばれるがん(悪性)の骨腫瘍が発生します(既存の骨軟骨腫から発生するものとみられる)。多発性骨軟骨腫症の患者は、定期的に主治医の診察を受けるべきです。しかし、骨軟骨腫が1つだけある患者は、軟骨肉腫を発症する可能性はあまりありません。そのため、通常は症状が出ない限り、その骨軟骨腫を切除する必要はありません。

医師はX線検査を行い骨の表面の増殖を確認します。ほとんどの骨軟骨腫はX線検査で診断が下されます。MRI(磁気共鳴画像)検査やときにはCT(コンピュータ断層撮影)検査などの画像検査も行われ、特にX線所見がはっきりしない場合に行われます。

腫瘍が大きくなることや新たな症状が生じている場合は、一般的に、手術による骨軟骨腫の摘出が行われます。例えば、腫瘍により骨の増殖が妨げられたり、痛みが生じたり、隣接した神経、筋肉、血管、周辺組織が圧迫されたりする場合には、摘出するべきです。

類骨骨腫

類骨骨腫は、非常に小さな腫瘍で、10~35歳の人に多く発生します。脚の長管骨(太ももの骨とすねの骨)で最も多くみられますが、どの骨にも発生する可能性があります。

通常、痛みがあり、痛みは夜間に強くなり、低用量のアスピリンや他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の服用で軽減します。ときには、痛みによって患者が活動的でない状態が続くため、腫瘍周囲の筋肉がやせる(萎縮する)ことがあります。この状態は、腫瘍を除去すると改善することがあります。腫瘍が成長板(小児の骨の成長する部分)の近くに生じた場合、骨の成長が過度に刺激されることがあります。この過度な刺激によって腕や脚の成長する長さが左右で異なる可能性があります。

類骨骨腫を診断するために、医師はX線検査を行います。腫瘍の正確な位置を特定するために、放射性トレーサーを用いた骨シンチグラフィーも行われます。ときに、腫瘍の位置が特定しにくい場合があり、CT検査MRI検査など、追加検査が必要になることがあります。

腫瘍を永久的に治療するには、皮膚に穿刺し、CTで誘導しながら針のような高周波プローブを腫瘍に挿入します。次に、針のようなプローブを温める高周波で腫瘍を破壊します。施術中、患者には全身麻酔、脊椎麻酔、神経ブロックのいずれかを行います。予後は良好で、痛みはなくなるはずです。痛みを完全に取り除くもう1つの方法は、腫瘍の切除手術です。しかし、手術を受けるよりも、無期限に鎮痛薬を服用する方法を選ぶ人もいます。治療せずにやがて痛みがなくなることもあります。

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