典型的には、患者は歩くときにかかとの後ろに痛みを感じます。
診断するために、腱の診察などが行われます。
ストレッチ運動、夜間用装具、ヒールリフト装具が役立つことがあります。
( 足の問題の概要 足の問題の概要 足の問題の一部は、例えば、足のけがで起こるように足自体から始まります。問題は、足のあらゆる骨、関節、筋肉、腱、靱帯に起こります。 足と足首の骨折が、かなり多くみられます。 他には、糖尿病、痛風、その他の関節炎など、体のいろいろな部位に影響を及ぼす病気が原因で起こる問題もあります。... さらに読む も参照のこと。)
原因は、かかとの骨に付着する部位でアキレス腱が絶えず引っ張られていることにあります。座っていることが多く太り過ぎていることや、運動による酷使によって、ふくらはぎの筋肉が拘縮したり、短くなったりしているとリスクが高くなります。ときに、アキレス腱付着部症の患者では、他の場所に関節炎がみられることがあります( 脊椎関節炎 脊椎関節炎 脊椎関節炎(脊椎関節症とも呼ばれる)とは、顕著な関節の炎症を起こす結合組織疾患のグループを指して使われる言葉です。これらの病気は、関節と脊椎を侵し、共通の特徴をもっています。例えば、背中の痛み、眼の炎症(ぶどう膜炎)、消化器症状、発疹を引き起こすことがあります。なかには、HLA-B27遺伝子と強く関連している病気もあります。これらの結合組織疾患は、多くの同じ問題を引き起こし、遺伝的特性が共通しているため、一部の専門医は、これらの疾患は原... さらに読む )。
患者は、歩くときにかかとの後ろ、靴の最も高い位置より下に痛みを感じるのが典型的です。
診断
医師の診察
アキレス腱付着部症の診断は、腱の身体診察の結果に基づいて下されます。アキレス腱のかかとの骨に付着する部分に圧痛があると、診断が確定します。診察時に、手で足首を上に曲げる(屈曲させる)と、通常は痛みが強くなります。
治療
ストレッチ運動、夜間用装具、ヒールリフト装具
10分間のふくらはぎの筋肉のストレッチ運動を、1日2~3回行うと役立ちます。手をつけるように、腕の長さの距離で壁に向かって立ち、膝を伸ばしたまま、つま先側を上げて足を曲げると、ふくらはぎの筋肉を伸ばすことができます。
歩くときのアキレス腱への負荷を最小限に抑えるために、長時間、安静にしていた後に起き上がるときは、足と足首を、可動域全体で約1分間活発に動かすべきです。
就寝中にアキレス腱を伸ばすための夜間用装具を使用することもあり、これは、ふくらはぎの筋肉が張りすぎるのを防ぐのに役立ちます。
ヒールリフト装具は、歩いているときの腱の痛みと、腱にかかる負荷を軽減し、股関節や背中の異常な動きを修正するために、一時的に両足に使用します。
腱付着部症がなかなか治癒しない場合には、体外パルス活性化療法(EPAT)が検討されます。この治療法では、音波の圧力波をかかとにあてる装置を使用します。圧力波が血行を促進し、それが治癒を助けることがあります。