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アキレス腱の滑液包炎

執筆者:

Kendrick Alan Whitney

, DPM, Temple University School of Podiatric Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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アキレス腱の滑液包炎は、液体で満たされた袋(滑液包)の炎症で、かかとの後方の皮膚とアキレス腱の間の滑液包(アキレス腱後方の滑液包炎)か、アキレス腱がかかとの骨に正面側で付着する部分の滑液包(アキレス腱前方の滑液包炎または果後部の滑液包炎)に起こるものです。

  • 典型的な症状としては、腫れ、熱感、痛み、かかと後方の圧痛などがあります。

  • 診断は、症状と診察結果のほか、ときにX線検査の結果に基づいて下されます。

  • 治療の目標は、炎症の軽減と、アキレス腱の滑液包炎の位置に応じて、かかとの後方の圧迫をなくすことです。

足の問題の概要も参照のこと。)

アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつないでいる腱です。滑液包炎とは、滑液包(液体で満たされた平らな袋で、皮膚、筋肉、腱、靱帯と骨がこすれる部分で衝撃を吸収し摩擦を軽減する)の痛みを伴う炎症です。

アキレス腱後方の滑液包炎は、主に若い女性にみられますが、男性でも発症します。靴のかかとの後ろを支える硬い部分に、かかとの後ろの軟部組織が繰り返し圧迫される歩き方をすると、滑液包炎を起こしたり、悪化させたりすることがあります。かかとの後方に向かうにつれて、鋭く内側へと細くなっていく靴(かかとの高い靴やパンプスなど)が、かかとの後ろの骨の腫大(パンプス瘤またはハグルンド変形と呼ばれる)を引き起こしたり、悪化させたりすることがあり、これがアキレス腱後方の滑液包炎の一因になります。

アキレス腱前方の滑液包炎(アルベルト病または果後部の滑液包炎とも呼ばれる)は、アキレス腱の緊張を増す、あらゆる状態によって引き起こされる可能性があります。かかとの損傷(例えば硬い靴や足に合わない靴が原因で起こるもの)や病気(関節リウマチ痛風など)も原因となることがあります。

かかとの滑液包炎

正常な状態では、かかとの滑液包は、アキレス腱とかかとの骨(踵骨)の間に1つしかありません。この滑液包が炎症を起こし、腫れて痛むことがあり、結果として、アキレス腱前方の滑液包炎を生じることがあります。

異常な圧迫や足の機能障害があると、アキレス腱と皮膚の間に、防護的な滑液包が形成されることがあります。この滑液包も、炎症を起こし、腫れて痛むことがあり、結果として、アキレス腱後方の滑液包炎を生じることがあります。

かかとの滑液包炎

症状

症状は、滑液包炎の原因と位置によって異なります。

アキレス腱後方の腱滑液包炎

アキレス腱後方の滑液包炎の初期症状は、かかとの後ろの発赤、痛み、熱感などです。後に、皮膚の一番上の層がすり減ることがあります。数カ月後、隆起した赤色、または肌色の領域(結節)のように見える、圧痛のある軟らかい滑液包ができ、炎症を起こします。アキレス腱後方の滑液包炎が慢性化した場合、その滑液包は硬くうろこのようになることがあります。

アキレス腱前方の滑液包炎

損傷か痛風の後に滑液包が炎症を起こした場合は、症状が突然出現します。他の病気で滑液包炎が発生した場合は、症状は徐々に現れます。かかとの後ろに痛み、腫れ、熱感が発生します。歩いたり、靴を履くのが困難になります。わずかな発赤、腫れ、圧痛がかかとの後ろにみられます。炎症を起こした滑液包が大きくなると、腫れが、かかとの両側面へと広がります。

診断

  • 医師の診察

  • ときにX線検査

どちらを診断する際も、まずは診察を行います。

アキレス腱後方の滑液包炎については、医師は赤色、または肌色の結節を探します。

アキレス腱前方の滑液包炎については、医師は腱とかかとの骨の間を強くつまみ、痛みが起こるかどうかを調べます。X線検査では、腱の滑液包炎は診断できませんが、かかとの痛みの他の原因(例えば、かかとの骨の骨折、関節リウマチや他の炎症性関節炎によるかかとの骨の損傷など)を否定するために、X線検査を行うことがあります。

治療

  • 両方に対して、患部の加温または冷却、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイドと麻酔薬の混合液の注射

  • アキレス腱後方の滑液包炎に対して、履物の変更、ときに手術

両方に対して、患部の加温または冷却、NSAIDの投与、炎症を起こしている滑液包へのコルチコステロイドと麻酔薬の混合液の注射を行うと、一時的に痛みと炎症を緩和できます。医師は混合液を腱に注射しないように慎重に行います。この治療後は安静にします。

アキレス腱後方の滑液包炎に対しては、治療の目標は、炎症を軽減し、かかと後部の圧迫や動きを減らすように靴の中の足の位置を調整することです。かかとを上げて圧迫をなくすために、フォームラバーやフェルトでできたヒールパッドを、靴に入れることがあります。痛みのある滑液包に、ゲル状の保護パッドをあてたり、靴の後部を広げて炎症を起こした滑液包の周囲にパッドをあてたりすると役立つことがあります。炎症が軽減するまで、後ろのない靴を履くこともあります。ときには、特別な靴(ミッドソールのかかと部分を安定化するようにデザインされたランニングシューズなど)、靴の中に入れる器具(装具)、またはその両方を使用すると、かかとの後部を刺激する一因となる足やかかとの異常な動きをコントロールするのに役立ちます。かかとの後ろやアキレス腱への刺激を和らげるパッド付きの靴もあります。

これらの治療で効果が認められなければ、かかとの骨の一部を手術で切除しなければならないこともあります。

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