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筋骨格系の病気に関する病歴聴取と身体診察

執筆者:

Alexandra Villa-Forte

, MD, MPH, Cleveland Clinic

最終査読/改訂年月 2017年 12月
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病歴聴取

筋骨格系について調べる際、医師は筋骨格系の症状について問診を行いますが、発熱、悪寒、体重減少、発疹、眼の痛みや充血、心臓、肺、消化管の病気の症状など、他の症状がないかについても調べます。そのような他の症状は、様々な筋骨格系の病気が原因だったり、そうした病気に関連している場合があります。

痛み

筋骨格系の病気の症状として、最もよくみられるのは痛みです( 筋骨格系の痛みを参照)。医師は、患者に痛みの性質、場所、強さを尋ねます。また、痛みを悪化させたり、和らげたりする要因を挙げてもらい、痛みが新しく出たものか繰り返し出ているものかを尋ねます。医師は、痛みが悪化するのが、関節を最初に動かすときか、長時間動かした後か、痛みが起床時にあるのか、日中に生じるのかを確認します。うずくような痛みなのか、焼けるような痛みなのかも尋ねます。医師は、患者が関節内の深部や、他の筋骨格系の構造に痛みを感じるかどうか、確認する必要があります。痛みの種類と場所が判明することで、医師は原因を解明しやすくなります。

こわばり

筋骨格系の病気では、しばしば関節にこわばりが生じます(つまり関節を動かそうとしたときに抵抗を感じます)。「こわばり」があると医師に伝えると、具体的にどのような「こわばり」なのかをたずねられます。これは、「こわばり」という表現を、筋力の低下や極度の疲労の意味で用いる人が多いためですが、医師にとっては「こわばり」は関節を動かしにくいことを意味します。医師は、動きに伴って生じる痛みのために関節が動かしにくいのか、こわばりなのかを区別します。また医師は、いつこわばりを感じるかを患者に尋ねます。例えば、関節リウマチ変形性関節症など、関節の病気の中には、長時間安静にしていた後や朝の起床後に最初に動きだそうとする際に、こわばりを生じるものがあります。さらに医師は、患者がこわばりをどこに感じ、こわばりがどの程度持続するかを知る必要があります。例えば、炎症を引き起こす病気(関節リウマチなど)では、こわばりが長く(例えば1時間以上)、一方、炎症を引き起こさない病気(変形性関節症など)では、こわばりが強く痛みが持続する場合があるものの、短時間(例えば10分程度)で消失します。

疲労

医師は、疲労についても患者に質問します。疲労とは、休む必要性を強く感じ、活動を開始したり維持したりするのが困難になるほどエネルギーが不足した状態です。疲労は、筋力低下や動けない状態とは異なるもので、眠気と区別するための評価も行われます。疲労は、体の複数の臓器を侵し、炎症を引き起こす病気があることや、正常な睡眠を妨げている病気があることを表している場合があります。

関節の不安定性

関節に不安定性を感じることがありますが(例えば関節がぐらぐらしたりガクッとなったりする)、これは関節を安定させるための靱帯や他の構造が弱くなっていることを意味します。最もガクッとなりやすいのは膝関節です(膝折れ)。

身体診察

医師は、疑わしい病気やけがに応じて、身体診察時に特定の所見を探します。骨折の疑いがあるときは骨を調べ、その際には、患部(腕や脚など)の骨に、形状の異常が見つかることがあります。異常な形状があれば、骨ずれていることが疑われます。特に骨折、腫瘍、骨の感染症(骨髄炎)が疑われる場合は、医師は、骨と関節の表面を触診して、圧痛や熱感、関節内の貯留液、異常な形状がないか確認します。骨粗しょう症による脊椎の圧迫骨折や疲労骨折は、最初は非常に痛むことがありますが、異常な形状は認められません。骨の異常な膨らみがあれば、ときに腫瘍が示唆されます。骨髄炎が疑われる場合は、熱がないかを確かめます。

患者が筋力低下を訴える場合には、触診で筋肉の量、緊張(筋肉が使われていないときの弛緩の程度)、筋力、圧痛について確認します(運動神経を参照)。筋肉のひきつりや不随意運動がないかも調べ、それらが認められる場合は、筋肉の病気よりも、むしろ神経の病気が疑われます。医師は筋肉のやせ(筋萎縮)の有無も確かめます。これは、筋肉や神経の損傷、筋肉の使用不足(廃用性筋萎縮)が原因で起こり、長期間の床上安静などの場合にみられます。また、筋肉が大きくなっていないか(肥大)についても調べますが、これは正常な場合は筋肉に繰り返し負荷をかける活動や運動、例えばウェイトリフティングによって起こります。しかし、病気の場合、他の筋肉の筋力低下を補うために筋肉の働きが増大した結果として生じることもあります。正常な筋肉組織が異常な組織で置き換えられた場合にも、筋肉肥大は起こります(肥大はするが、筋力は強くならない)。アミロイドーシスや、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの一部の遺伝性筋疾患においては、筋肉が異常な組織で置き換えられることがあります。

筋力低下がある場合、医師はどの筋肉に筋力低下があるのか、またそれがどの程度かを確定します(筋力低下の検査を参照)。通常、顔面と頸部からスタートし、腕、最後に脚の順で体系的に筋力をテストします。正常であれば、両腕を広げ、手のひらを上に向けた状態で、腕が下がったり、回旋したり、ふるえたりすることなく、1分間この体勢を維持することができるはずです。手のひらが内側に回旋して腕が下がるのは、筋力低下の徴候です。筋力は、医師が押したり引いたりするのと反対方向に力を入れる方法で検査します。また、かかとやつま先で歩く、しゃがんだ姿勢から立ち上がる、椅子から立ち上がったり座ったりを素早く10回繰り返す、などの特定の動作を患者に行ってもらい、筋力の検査を行います。患者に上下左右に眼を動かすように指示し、うまく動かせずに、ものが二重に見える複視が生じていれば、片眼または両眼の筋力が低下しています。

医師は、患者の自動可動域を検査します。自動可動域とは、自分で関節を動かせる最大範囲のことです。自動可動域が制限されている場合は、筋力低下、痛み、またはこわばりと、物理的な異常(瘢痕化や腫れ)を示唆しているかもしれません。医師は、患者の他動可動域を検査します。他動可動域とは、患者が完全に力を抜いているときに、医師が患者の関節を動かせる最大範囲のことです。医師は患者の腕や脚を動かして筋肉の緊張状態も調べます。筋肉につながる神経が損傷を受けている場合、受動的な動きに対する抵抗(受動抵抗)が小さくなることがあります。脊髄や脳が損傷を受けている場合は、その抵抗が大きくなることもあります。筋力低下がみられる場合、筋腱をゴム製のハンマーで軽くたたいて、反射も調べます。筋肉につながる神経が損傷していると、反射が予想よりも遅くなることがあります。脊髄や脳が損傷していると、反射は予想以上に速くなることがあります。

医師は、どの関節、どの腕や脚が影響を受けているかに注目します。影響を受けている関節や脚や腕のパターンを見つけることは、原因を究明するのに役立つことがあります。

また、患部の関節をさらに詳しく診察します。例えば、関節を診察して、関節に液体がたまっているかどうか(関節液貯留)を判断します。特定の他動運動や自動運動について調べることもあります。関節が安定しているかどうかを確認するために、引っぱったり力を加えたりすることがあります。

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