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手根管症候群

執筆者:

David R. Steinberg

, MD, Perelman School of Medicine at the University of Pennsylvania

最終査読/改訂年月 2018年 8月
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手根管症候群は、正中神経が手首の手根管を通る所で圧迫され(締めつけられ)痛みが引き起こされる病気です。

  • 手根管症候群の大半は原因不明です。

  • 手の親指に近い指と手のひらが、痛くなったりチクチクしたりしびれたりします。

  • 診断は、診察と、必要な場合は神経機能検査の結果に基づいて下されます。

  • 通常、症状は、痛み止め、副子、またはときにコルチコステロイドの注射や手術で軽減できます。

手の病気の概要も参照のこと。)

手根管が管と呼ばれるのは、狭い通路になっていて、神経や腱がそこを通り、手首を通って手へと向かっているためです。手根管はそれを取り囲む靱帯、骨によってできています。正中神経は、手首の手のひら側にあり、手根管を通っています。この神経は、親指、人差し指、中指と、薬指の親指側に感覚を与えています。

手根管症候群は非常によくみられる病気で、特に30~50歳の女性に多くみられます。片手のみに起こることもあれば両手に起こることもあります。

原因

手根管症候群は、正中神経の圧迫(締めつけ)によって生じます。圧迫は、手根管の周囲や中の組織が腫れたり、手首の手のひら側に線維性の組織の束が生じた際に起こります。

妊娠中の女性や、糖尿病甲状腺機能低下症、特定のアミロイドーシス関節リウマチのある人も、手根管症候群が発生するリスクが高くなります。また、ドライバーの使用など、手首を伸ばした状態で繰り返し力を入れる動作を要求される仕事をしている人でもリスクが高くなります。不適切な姿勢でコンピュータのキーボードを使用することが、別の要因の1つである可能性もあります(ただし、これには議論があります)。振動に長時間さらされること(例えば特定の電動工具の使用による)も、手根管症候群の原因になるといわれています。しかし、ほとんどの場合、発症の原因は不明です。

症状

手根管症候群の症状としては、違和感、しびれ、チクチクする感覚、痛みが、親指側の3本の指と薬指の中指側半分にみられます。手全体に影響が出ることもあります。ときには、前腕部にも、痛み、焼けつくような感覚、チクチク感が生じます。手の置き方が原因で、しびれやチクチク感を伴う、焼けつくような痛みやうずくような痛みによって、就寝中に目が覚めることがよくあります。患者は、正常な感覚を取り戻そうとして手を振ることがあります。時間とともに、動かさないでいる手の親指側の筋力が低下し、筋肉が萎縮することがあります。

診断

  • 医師の診察

  • ときに神経伝導検査

手根管症候群の診断は、主に侵された手と手首を診察することで下されます。医師は、問題が手根管症候群であることを確認するために、神経伝導検査を行うことがあり、特に手術を考慮している場合によく行います。

適切なキーボードの配置

コンピュータのキーボードを使うときの配置が不適切だと、手根管症候群になるか、その一因になることがあります。損傷を予防するために、手首を中間位に保つべきです。つまり、手と前腕をつなぐ線をまっすぐにします。手の位置は前腕よりもわずかに低くしてもかまいません。しかし、決して手の方を高くせず、手首を上に曲げないようにします。キーボードは比較的低い位置に置くべきで、手の位置を肘よりもわずかに低く保ちます。手首を支えるためにリストパッドを使うこともできます。

適切なキーボードの配置

治療

  • 副子

  • 基礎にある病気の治療

  • ときにコルチコステロイドの注射

  • ときに手術

手首の関節を過度に反らせることや、正中神経を過度に圧迫する姿勢を避け、コンピュータのキーボードの角度を調節すると、ときに症状をいくらか緩和できることがあります。手首用の副子で手を中間位に固定することや(特に夜間)、効き目の穏やかな痛み止めを服用することが、しばしば役に立ちます。

手首用の副子

手首用の副子は、手を中間位に保つことができるため、手根管症候群による痛みの軽減に役立ちます。

手首用の副子

原因となっている病気(関節リウマチや甲状腺機能低下症など)を治療すると、症状の軽減に役立ちます。

コルチコステロイドを手根管に注射すると、ときに長期にわたって症状が軽減します。

痛みがひどい場合や、筋萎縮や筋力低下が認められる場合は、手術が正中神経の圧迫を取り除く最善の方法です。手術によって、正中神経を圧迫している線維性の組織の束を切り取ることができます。

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