手の 変形性関節症 変形性関節症 変形性関節症は軟骨と周囲の組織の損傷を伴う慢性疾患で、痛み、関節のこわばり、機能障害を特徴とします。 関節の軟骨と周囲の組織の損傷による関節炎は、加齢に伴い、非常によくみられるようになります。 痛みや腫れ、骨の過剰な増殖がよくみられ、起床時や動かずにいた後に生じて30分以内に治まるこわばり(特に関節を動かしていると治まりやすい)も一般的です。 診断は症状とX線所見に基づいて下されます。... さらに読む では、指先の関節の骨(ヘバーデン結節)と、指の中央の関節の骨(ブシャール結節)が大きくなります。これらの関節と親指の付け根がこわばり、ときに痛みを伴うことがあります。普通は手首、指の付け根、手の関節は侵されません。侵された関節は位置がずれることもあります。
( 手の病気の概要 手の病気の概要 手や指の病気には、ガングリオン、変形、神経や血管に関連する病気、変形性関節症、ばね指、キーンベック病、感染症などがあります。 骨折、その他のけが、関節リウマチ、腱炎、腱鞘炎(腱鞘滑膜炎)、ドケルバン症候群、レイノー症候群、ばち状指、複合性局所疼痛症候群、ある種の先天異常など、手や指に影響する他の病気については他の章で取り上げています。... さらに読む も参照のこと。)
診断
医師の診察
X線検査
血液検査
通常は、診察の結果に基づいて手の変形性関節症を診断できます。変形は、 X線検査 X線検査 筋骨格系の病気は、病歴と身体診察の結果に基づいて診断することがよくあります。医師が診断を下したり確定したりするのを助けるために、臨床検査、画像検査、またはその他の診断方法が必要になることがあります。 臨床検査は、筋骨格系の病気の診断にしばしば役立ちます。例えば、赤血球沈降速度(赤沈)は、血液を試験管に入れたときに赤血球が沈む速度を測定する検査です。炎症がある場合、通常は赤沈が上昇します。しかし、炎症は非常に様々な状況で起こるため、赤沈だ... さらに読む でも確認できます。
関節リウマチ 関節リウマチ(RA) 関節リウマチは炎症性関節炎の1つで、関節(普通は手足の関節を含む)が炎症を起こし、その結果、関節に腫れと痛みが生じ、しばしば関節が破壊されます。 免疫の働きによって、関節と結合組織に損傷が生じます。 関節(典型的には腕や脚の小さな関節)が痛くなり、起床時やしばらく動かずにいた後に、60分以上持続するこわばりがみられます。 発熱、筋力低下、他の臓器の損傷が起こることもあります。... さらに読む や他の種類の関節炎を否定するために、 炎症の徴候の有無を調べる血液検査 臨床検査 筋骨格系の病気は、病歴と身体診察の結果に基づいて診断することがよくあります。医師が診断を下したり確定したりするのを助けるために、臨床検査、画像検査、またはその他の診断方法が必要になることがあります。 臨床検査は、筋骨格系の病気の診断にしばしば役立ちます。例えば、赤血球沈降速度(赤沈)は、血液を試験管に入れたときに赤血球が沈む速度を測定する検査です。炎症がある場合、通常は赤沈が上昇します。しかし、炎症は非常に様々な状況で起こるため、赤沈だ... さらに読む
を行います。この検査の結果は変形性関節症の患者ではほぼ常に陰性です。
治療
痛みを緩和する対策
ときにコルチコステロイドの注射または手術
手の変形性関節症の治療としては、関節可動域を改善する訓練を温水中で行う(運動中の痛みを軽減しできるだけ関節を柔軟にしておくため)、安静にする、間欠的に副子で固定して変形を予防する、鎮痛薬や非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を用いて痛みや腫れを軽減するなどがあります。
ときに、痛みを軽減し可動域を広げるために、重症の関節にコルチコステロイドを注射しなければならないことがあります。
変形性関節症が進行して他の治療で効果がなければ、関節を手術で再建するか固定する必要がある場合もあります。変形性関節症に対する手術が必要なことが最も多い手の関節は、親指の付け根の関節です。