( 特発性間質性肺炎の概要 特発性間質性肺炎の概要 特発性間質性肺炎は、同じような症状と肺の病変がみられる原因不明の間質性肺疾患の総称です。 この疾患のいくつかのタイプは、ほかのものよりはるかに重篤になります。 診断には、胸部X線検査やCT検査が必要で、通常は肺組織のサンプルの分析(生検)が行われます。 (間質性肺疾患の概要も参照のこと。) 特発性という用語は原因不明という意味で、間質性肺疾患の原因が特定できない場合に特発性間質性肺炎と診断されます。肺炎はよく感染症であると思われがちです... さらに読む も参照のこと。)
非特異性間質性肺炎の患者のほとんどは、40~50歳の女性です。原因や危険因子が不明な場合がほとんどです。しかし、結合組織疾患(特に、 全身性強皮症 全身性強皮症 全身性強皮症は、皮膚、関節、内臓の変性変化と瘢痕化、および血管の異常を特徴とする、まれな慢性自己免疫リウマチ疾患です。 指が腫れる、間欠的に指が冷たくなり青く変色する、関節が永続的に(通常は曲がった状態で)固まる(拘縮)などの症状のほか、消化器系、肺、心臓、腎臓の損傷が発生することがあります。 多くの場合、患者の血液中には自己免疫疾患に特徴的な抗体が認められます。 全身性強皮症に対する根治的な治療法はありませんが、症状と臓器機能障害に対... さらに読む 、 多発性筋炎 自己免疫性筋炎 自己免疫性筋炎は、筋肉の炎症と筋力低下(多発性筋炎)または皮膚と筋肉の炎症(皮膚筋炎)を引き起こす自己免疫リウマチ疾患のグループです。 筋肉が損傷すると筋肉痛が発生し、筋力低下によって、肩より上に腕を上げること、階段を昇ること、または座った姿勢から立ち上がることが困難になることがあります。 医師は、筋肉の酵素(筋酵素)の血中濃度を調べ、場合によっては筋肉の電気的活動性を検査し、筋肉のMRI(磁気共鳴画像)検査、筋肉組織の一部を採取して調... さらに読む
または 皮膚筋炎 自己免疫性筋炎 自己免疫性筋炎は、筋肉の炎症と筋力低下(多発性筋炎)または皮膚と筋肉の炎症(皮膚筋炎)を引き起こす自己免疫リウマチ疾患のグループです。 筋肉が損傷すると筋肉痛が発生し、筋力低下によって、肩より上に腕を上げること、階段を昇ること、または座った姿勢から立ち上がることが困難になることがあります。 医師は、筋肉の酵素(筋酵素)の血中濃度を調べ、場合によっては筋肉の電気的活動性を検査し、筋肉のMRI(磁気共鳴画像)検査、筋肉組織の一部を採取して調... さらに読む
)の患者、一部の 薬剤性肺障害 薬剤性肺障害 薬剤性肺障害は、1つの病気ではありません。多くの薬剤が、ほかに肺疾患のない人に、肺の障害を引き起こします。障害の種類は使用する薬剤によって異なりますが、多くの薬剤がアレルギー型の反応を引き起こすと考えられています。高齢者ではしばしば重症化します。アレルギー型の反応が原因でない場合、病気の範囲と重症度は、薬剤の用量や使用期間によって変わることがあります。 薬剤によって、せき、喘鳴、息切れ、その他の肺症状がみられます。症状は数週間から数カ月... さらに読む 、 過敏性肺炎 過敏性肺炎 過敏性肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)や最も細い気道(細気管支)の内部や周辺に発生する一種の炎症で、有機粉塵や、頻度は低いものの化学物質を吸い込んだことによる過敏反応が原因で起こる病気です。 微生物またはタンパク質を含む粉塵は、肺に過敏反応を引き起こすことがあります。 感作された物質に再度さらされると、4~8時間以内に、発熱、せき、悪寒、息切れなどの症状が現れることがあります。... さらに読む の患者と同様の変化がみられることもあります。
乾いたせきや息切れが数カ月から数年かけて現れます。微熱やけん怠感がみられることもありますが、高熱や体重減少、その他の全身症状はまれです。
診断
診断は、胸部X線検査とCT検査によって下されます。
肺生検
他の特発性間質性肺炎と同様、胸部X線検査とCT検査が行われます。 肺機能検査 肺機能検査 肺機能検査では、肺に空気を取り込む能力、肺から空気を出し入れする能力、肺で酸素と二酸化炭素を交換する能力を測定します。これらの検査は、肺の病気の具体的な原因を突き止めるというより、一般的なタイプや重症度を調べるのに適していますが、喘息や気腫のような特定の病気を診断するために使用されることもあります。 (肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および呼吸器系も参照のこと。) 肺の病気の評価では、肺が吸い込める空気の量や吐き出せる空気の量と速さを調... さらに読む では通常、肺に吸い込める空気の量が、正常値を下回っていることが明らかになります。血液中の酸素レベルは、安静時でも低いことが多く、運動時はさらに低下します。
ときに 気管支鏡検査 気管支鏡検査 気管支鏡検査とは、気管支鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を用いて発声器(喉頭)や気道を直接観察することです。気管支鏡の先端にはカメラが付いていて、これによって太い気道(気管支)から肺の内部を観察できます。 肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および呼吸器系も参照のこと。) 気管支鏡は、肺の出血源を探るために用いられることもあります。肺がんが疑われる場合は、気道を調べて、がん化しているように見えるところからサンプルを採取することもあります。気管... さらに読む を行い、肺の一部を生理食塩水で洗浄(気管支肺胞洗浄)した後、その洗浄液を回収して分析します。半数を超える患者で、洗浄液の中に正常より多くのリンパ球(白血球の一種)が認められます。
多くの場合、肺生検が必要です。
治療
コルチコステロイドと免疫抑制薬
通常はコルチコステロイドと免疫抑制薬が効果的です。生存期間は病気の重症度によって変わります。病気が軽度の患者は、しばしば診断後10年以上生存します。しかし、より重症の場合の生存期間は3~5年です。