Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

読み込んでいます

間質性肺疾患の概要

執筆者:

Joyce Lee

, MD, MAS, University of Colorado Denver

最終査読/改訂年月 2017年 6月
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
本ページのリソース

間質性肺疾患は、びまん性実質性肺疾患とも呼ばれ、間質腔が傷害されるいくつかの病気をまとめた総称です。間質腔とは、肺胞(肺にある空気の袋)の壁や、血管と細い気道の周りの空間を指します。間質性肺疾患は、肺組織に炎症細胞が異常に集積する結果、息切れやせきが生じる病気で、それぞれの病気の画像所見は似ていますが、それ以外の点で関連性はありません。間質性肺疾患の中には、極めてまれなものもあります。

間質性肺疾患の初期には、間質腔に白血球やマクロファージ、タンパク質を豊富に含む液体が集積して炎症を引き起こします。炎症が持続すると、正常な肺組織が瘢痕化(線維化)した組織に置き換わることがあります。肺胞が進行性に破壊されるにつれて、肺胞部分に壁が厚くなった嚢胞(蜂の巣に似ているため、蜂巣肺と呼ばれます)が残ります。こうした変化によって生じた病気を肺線維症と呼びます。

間質性肺疾患には様々な病気があり、原因もそれぞれ異なっていますが、類似した特徴がいくつかみられます。いずれも、血液中に酸素を運搬する能力が低下し、肺の硬化や萎縮が生じるため、呼吸が困難になり、せきが出るようになります。しかし、血液中から二酸化炭素を除去する機能は、一般に影響を受けません。

icon

まれな間質性肺疾患

疾患名

症状

治療

備考

重度の症状が数週間から数カ月かけて徐々に現れることもあれば、突然現れることもある

息切れ

せき

症状を引き起こしている薬剤を中止する

コルチコステロイド(ときに効果的)

多くの種類の薬剤が原因となる可能性がある。

高齢者では重症化することが多い。

一部の薬剤が肺に与える影響は、全身性エリテマトーデスによる影響と類似している。

病気の範囲と重症度は、薬剤の用量や使用期間によって変わることがある。

肺胞出血症候群(肺内部への出血)

最もよくみられるのは、喀血(せきとともに血が出る)

慢性的な失血による貧血

腎不全(ときに)

コルチコステロイドや細胞傷害性薬剤(シクロホスファミドなど)

失血のため必要であれば輸血

血液中の酸素レベル低下には酸素投与

これらのまれな病気では、毛細血管から肺の中へ血液が漏れ出し、原因は自己免疫反応であることが多い。

患者は、グッドパスチャー症候群多発血管炎性肉芽腫症全身性エリテマトーデス、特発性肺ヘモジデローシス(肺に鉄が沈着する)、薬物反応などを有することがある。

大量出血により死亡する可能性もある。

呼吸困難

せき

胸痛

ときに血を伴うせき

肺移植

シロリムス

この病気はまれで、若い女性に発生する。

妊娠中に悪化することがある。

icon

間質性肺疾患の種類

種類

自己免疫疾患

強直性脊椎炎(まれ)、ベーチェット病(非常にまれ)、グッドパスチャー症候群、混合性結合組織病、多発性筋炎と皮膚筋炎、再発性多発軟骨炎、関節リウマチ、全身性強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス

感染症

真菌、マイコプラズマ(細菌の一種)、寄生虫、リケッチア、またはウイルスなどによる感染症や結核

有機粉塵

鳥の糞やカビ

薬剤関連

アミオダロン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルバマゼピン、クロラムブシル、コカイン、シクロホスファミド、金製剤、メトトレキサート、ニトロフラントイン、サラゾスルファピリジン、スルホンアミド系

化学物質関連

アルミニウム粉末、アスベスト、ベリリウム、金属、二酸化硫黄、タルク

治療用または工業用の放射線関連

がんに対する放射線療法

特発性*間質性肺炎

その他の病気

*特発性とは、原因が不明であることを意味します。

診断

  • 胸部X線検査とCT検査

  • 肺機能検査

  • 動脈血ガス検査

間質性肺疾患では、これよりはるかに一般的な病気(肺炎慢性閉塞性肺疾患など)と同様の症状がみられるため、最初は間質性肺疾患が疑われないことがあります。間質性肺疾患が疑われる場合は、診断検査が行われます。検査は疑われる病気の種類によって異なることもありますが、一般的には似たような検査が行われる傾向にあります。

ほとんどの場合、胸部X線検査胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査肺機能検査が行われ、動脈血ガス分析もよく使用されます。CT検査は、胸部X線検査より感度が高いため、より特異的な診断を下すのに有用です。また、分解能を最大限に高めた技術を用いたCT検査(高分解能CT検査)も行われます。肺機能検査では、多くの場合、肺に吸い込める空気の量が異常に少ないことが明らかになります。動脈血ガス検査では、動脈血中の酸素と二酸化炭素レベルを測定し、動脈血の酸性度(pH)を判定します。

医師は、診断を確定するために、気管支ファイバースコープと呼ばれる器具で肺の小さな組織片を採取し、顕微鏡で調べる検査(肺生検)を行うことがあります。この方法で行う肺生検を、経気管支肺生検と呼びます。これより大きな組織サンプルが必要になることもあり、その場合外科的に採取しなければならず、場合によっては胸腔鏡を使用すること(胸腔鏡下肺生検と呼ばれる方法)もあります。

血液検査が行われることもあります。通常、血液検査で診断を確定することはできませんが、他の類似疾患を調べる検査の一環として行われます。

ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP