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肺ランゲルハンス細胞組織球症

(好酸球性肉芽腫症;pulmonary granulomatosis X;肺ランゲルハンス細胞肉芽腫症;組織球症)

執筆者:

Joyce Lee

, MD, MAS, University of Colorado School of Medicine

医学的にレビューされた 2019年 9月
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肺ランゲルハンス細胞組織球症は、組織球や好酸球(白血球の一種)と呼ばれる細胞が肺の中で増殖する病気で、しばしば瘢痕化を引き起こします。

  • 症状がまったくない場合もあれば、せきや呼吸困難がみられる場合もあります。

  • 診断にはCT検査が必要で、場合によっては肺組織サンプルの分析(生検)も必要になります。

  • どのような治療が有効かについては、はっきり分かっていませんが、禁煙は役に立つ可能性があります。

ランゲルハンス細胞組織球症はランゲルハンス細胞組織球症の一種で、肺だけでなくその他の器官(下垂体、骨、リンパ節など)にも異常をきたす可能性があります。原因は不明で、まれな病気です。発症するのは、ほぼ例外なく20~40歳の白人の喫煙者です。肺ランゲルハンス細胞組織球症は、組織球(異物を取り込んで処理する食細胞)や、それほど多くはありませんが好酸球(通常はアレルギー反応に関与している細胞)の肺への侵入から始まります。

症状

症状がみられない患者の割合は約15%で、別の理由で胸部の画像検査を行って初めて、この病気であることが分かります。症状がある患者では、せき、息切れ、発熱、深呼吸で悪化する胸痛、疲労、体重減少などがみられます。肺嚢胞の破裂による 気胸 気胸 気胸とは、2層の胸膜(肺の外側と胸壁の内側を覆っている薄くて透明な膜)の間に空気が入り込むことによって、肺が部分的または完全につぶれてしまう病気です。 症状には、呼吸困難や胸痛などがあります。 胸部X線検査によって診断が下されます。 治療は通常、ドレーンやときに合成樹脂製のカテーテルを胸部に挿入して空気を抜くことです。 ( 胸膜疾患の概要も参照のこと。) さらに読む 気胸 (肺の虚脱)は、一般的な合併症です。この合併症は、肺ランゲルハンス細胞組織球症患者の10~25%にみられ、最初に現れる症状の原因である場合もあります。瘢痕化により肺が硬くなり、血液と空気との間で酸素を交換する能力が損なわれます。少数の患者に、喀血(せきとともに血が出る)がみられます。

骨の一部が痛んだり、病的骨折(骨が病気によって弱くなっているため、わずかなけがでも発生する骨折)がみられたりすることもあります。少数の患者では、組織球が脳の視床下部を侵し、 中枢性尿崩症 中枢性尿崩症 中枢性尿崩症(にょうほうしょう)は、バソプレシン(抗利尿ホルモン)の欠乏のために非常に薄い尿が過剰につくられる病気です(多尿症)。 中枢性尿崩症には、脳腫瘍、脳の損傷や脳の手術、結核、他のいくつかの病気など、複数の原因があります。 主な症状は、強いのどの渇きと多尿です。 診断は、尿検査、血液検査、水制限試験に基づいて下されます。 中枢性尿崩症の患者には、通常、バソプレシンやデスモプレシンという薬が投与されます。 さらに読む をきたします。その場合、薄い尿が大量に出るようになります。中枢性尿崩症のある患者は、他の患者に比べ、予後が悪い可能性があります。

診断

  • 胸部X線検査およびCT検査

胸部X線検査では、小結節、壁の厚い小さな肺嚢胞のほか、肺ランゲルハンス細胞組織球症に典型的な変化がみられます。CT(コンピュータ断層撮影)検査では、これらの変化が細部にわたって見えるため、診断の確定に役立つことがあります。 肺機能検査 肺機能検査 肺機能検査では、肺にためることができる空気の量、肺から空気を出し入れする能力、肺に酸素を取り込む能力を測定します。 肺機能検査は、肺疾患の具体的な原因を突き止めるというより、一般的なタイプや重症度を調べるのに適していますが、 喘息や 慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの特定の病気を診断するために使用されることもあります。 ( 肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および 呼吸器系も参照のこと。)... さらに読む 肺機能検査 では、肺に吸い込める空気の量が、正常値を下回っていることが明らかになります。

CT検査でも診断がつかない場合は、生検が必要になります。

骨のX線検査で骨の病変も見つかることがあります。

治療

  • 禁煙

  • コルチコステロイドまたは免疫抑制薬

診断からの生存期間は、半数の患者で12年を超えています。一般的な死因は、 呼吸不全 呼吸不全 呼吸不全は、血液中の酸素レベルが危険なほど低くなったり、血液中の二酸化炭素濃度が危険なほど高くなる病気です。 呼吸不全の原因としては、気道をふさぐ病気、肺組織を損傷する病気、呼吸を制御する筋肉を衰えさせる病気、呼吸を促す仕組みが抑制される病気などがあります。 激しい息切れ、皮膚の青みがかった変色、錯乱または眠気などの症状がみられることがあ... さらに読む または 肺性心 肺性心 肺性心は、肺の基礎疾患によって生じた 肺高血圧症(肺の中の血圧が高くなった状態)のために、右心室に拡大と肥厚が起きた状態です。右心室に拡大と肥厚が起きた結果として、 心不全に陥ります。 肺高血圧症とは、心臓から肺につながる動脈(肺動脈)の血圧が異常に高くなる病気です。肺疾患によって肺高血圧症が引き起こされる原因はいくつかあります。 血液中の酸素レベルが低い状態が長く続くと、肺動脈が収縮して肺動脈の壁が肥厚します。この収縮と肥厚により、肺... さらに読む です。肺ランゲルハンス細胞組織球症の患者は禁煙すべきです。 禁煙 禁煙 禁煙は非常に困難なことが多いですが、喫煙者が自分の健康のためにできる最も重要なことの1つです。 禁煙はすぐに健康上の便益をもたらし、便益は時間の経過とともに大きくなります。 禁煙する人は、イライラし、不安で、悲しく、落ち着きのない状態になることがありますが、これらの症状は時間の経過とともに軽減します。 禁煙は周囲の人々にも健康上の便益をもたらします。 ほとんどの喫煙者は禁煙したいと願い、禁煙を試みていますが、失敗に終わっています。 さらに読む することで、約3分の1の患者に改善がみられます。

肺ランゲルハンス細胞組織球症に明らかに有益といえる治療法はありませんが、コルチコステロイドや、シクロホスファミドなどの免疫抑制薬で治療されることがあります。

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