( 特発性間質性肺炎の概要 特発性間質性肺炎の概要 特発性間質性肺炎は、同じような症状と肺の病変がみられる原因不明の間質性肺疾患の総称です。 この疾患のいくつかのタイプは、ほかのものよりはるかに重篤になります。 診断には、胸部X線検査やCT検査が必要で、通常は肺組織のサンプルの分析(生検)が行われます。 (間質性肺疾患の概要も参照のこと。) 特発性という用語は原因不明という意味で、間質性肺疾患の原因が特定できない場合に特発性間質性肺炎と診断されます。肺炎はよく感染症であると思われがちです... さらに読む も参照のこと。)
呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患と剥離性間質性肺炎は、いずれも特発性間質性肺炎の一種です。この2つの病気には多くの類似点があるため、同じ病気ではないかと考える専門家もいます。しかし、多くの場合、剥離性間質性肺炎の方が重症です。いずれの病気も、30代から40代の喫煙者にみられます。また、女性より男性に多くみられます(発生比率は、女性1人に対して男性で約2人です)。
せきがみられることもあります。多くの人は、ちょっとした運動でも息切れを起こします。
診断
胸部X線検査または胸部CT検査
いずれの病気でも、胸部X線検査では 特発性肺線維症 特発性肺線維症 特発性肺線維症は、特発性間質性肺炎の中で最も多くみられます。 特発性肺線維症になりやすい人は、主に50歳以上の男性で、通常は喫煙歴がある場合です。 症状には、せき、呼吸困難、疲労感などがあります。 治療は、呼吸リハビリテーション、肺移植、ピルフェニドンやニンテダニブなどの薬剤により行います。 (特発性間質性肺炎の概要と間質性肺疾患の概要も参照のこと。) さらに読む ほど重度の変化はみられず、最大20%の患者では何の変化も認められません。胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査でも、肺の変化が分かります。 肺機能検査 肺機能検査 肺機能検査では、肺に空気を取り込む能力、肺から空気を出し入れする能力、肺で酸素と二酸化炭素を交換する能力を測定します。これらの検査は、肺の病気の具体的な原因を突き止めるというより、一般的なタイプや重症度を調べるのに適していますが、喘息や気腫のような特定の病気を診断するために使用されることもあります。 (肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および呼吸器系も参照のこと。) 肺の病気の評価では、肺が吸い込める空気の量や吐き出せる空気の量と速さを調... さらに読む では、肺に吸い込める空気の量が減少していることが明らかになります。血液中の酸素レベルも低下します。
診断を確定するためには、しばしば肺生検が必要になります。
治療
禁煙
病気がどのように進行するかを常に予測できるわけではありませんが、いずれの病気でも禁煙すると予後は良好です。
治療の鍵は 禁煙 禁煙 禁煙は非常に困難なことが多いですが、喫煙者が自分の健康のためにできる最も重要なことの1つです。 禁煙はすぐに健康上の便益をもたらし、便益は時間の経過とともに大きくなります。 禁煙する人は、イライラし、不安で、悲しく、落ち着きのない状態になることがありますが、これらの症状は時間の経過とともに軽減します。 禁煙は周囲の人々にも健康上の便益をもたらします。 ほとんどの喫煙者は禁煙したいと願い、禁煙を試みていますが、失敗に終わっています。 さらに読む です。コルチコステロイドや細胞傷害性薬剤(アザチオプリンやシクロホスファミド)は、他の間質性肺疾患で効果がみられることもあるため、一部の医師は使用していますが、これらの疾患における有効性は明らかではありません。