(胸膜疾患の概要 胸膜疾患の概要 胸膜は薄くて透明な2層の膜で、肺を覆うとともに胸壁の内側も覆っています。肺を覆う膜の層は、胸壁を覆う膜の層と密着しています。この薄くて柔軟性のある2層の膜の間には少量の液体(胸水)があり、これが潤滑油となって、呼吸のたびに2層の膜はくっつくことなく滑らかに動くことができます。この液体が入っている空間を胸膜腔と呼びます。... さらに読む も参照のこと。)
ウイルス性胸膜炎は、コクサッキーB群ウイルスによる感染症で最もよく起こります。ときには、エコーウイルスが流行性胸痛症またはボルンホルム病として知られるまれな病気を引き起こすことがあります。この病気は、夏の終わりに流行し、青年や若年成人に発生します。
胸痛は、ウイルス性胸膜炎の最も重要な症状です。しばしば鋭い痛みがみられ、一般に息を吸ったときやせきをしたときに悪化します。流行性胸痛症では発熱や胸部の筋肉のけいれんもみられます。
通常は、胸部X線検査が行われます。
ウイルス性胸膜炎は数日で自然に回復しますが、さらに長引くこともあります。痛みの緩和には、鎮痛薬が有効なことがあります。