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グッドパスチャー症候群

(グッドパスチャー病;Goodpasture症候群;抗GBM病)

執筆者:

Marvin I. Schwarz

, MD, University of Colorado Denver

最終査読/改訂年月 2018年 6月
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  • 一般に、息切れや喀血がみられます。

  • 診断を下すには、血液や尿の検査と胸部X線検査が必要です。

  • コルチコステロイド、シクロホスファミド(化学療法の薬剤)、血漿交換などを用いて、肺や腎臓の永続的な損傷を防ぐようにします。

免疫系 免疫系の概要 人間の体には、異物や危険な侵入物から体を守るために、免疫系が備わっています。侵入物には以下のものがあります。 微生物(細菌、ウイルス、真菌など) 寄生虫(蠕[ぜん]虫など) がん細胞 移植された臓器や組織 さらに読む の重要な機能に、感染に対する防御があります。免疫系は、感染から体を守るために、微生物を自己に対する異物と認識し、その微生物と結合するタンパク質(抗体)を産生して、微生物を体内から除去できるようにします。自己免疫疾患 自己免疫疾患 自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。 自己免疫疾患の原因は不明です。 症状は、自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって異なります。 自己免疫疾患を調べるために、しばしばいくつかの血液検査が行われます。 治療法は自己免疫疾患の種類によって異なりますが、免疫機能を抑制する薬がしばしば使用されます。 さらに読む では、自己の組織が異物であるかのように体が誤って反応してしまいます。肺の自己免疫疾患では、肺の組織が免疫系の攻撃を受けて損傷します。肺が侵される自己免疫疾患では、しばしば他の臓器、特に腎臓も侵されます。

症候群とは、同時に起こる一群の症状や異常のうち、その原因として複数の異なる病気が考えられるものです(あるいは別の症候群が原因となることさえあります)。グッドパスチャー症候群は、一般に腎臓の損傷とびまん性肺胞出血(肺腎症候群 肺腎症候群 肺腎症候群とは、びまん性肺胞出血(繰り返すまたは持続する肺の中での出血)と糸球体腎炎(腎臓の微細な血管が損傷し、むくみや高血圧をきたし、尿中に赤血球が出る病気)が組み合わさったものです。 肺腎症候群は、ほぼ常に自己免疫疾患によって引き起こされます。 診断検査として、尿検査のほか、血液検査を行って体が自己の組織に反応していることを示す特定のタンパク質(抗体)を検出したり、ときに肺または腎臓から組織を採取して分析することがあります。... さらに読む )を引き起こす、特殊な自己免疫疾患 自己免疫疾患 自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。 自己免疫疾患の原因は不明です。 症状は、自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって異なります。 自己免疫疾患を調べるために、しばしばいくつかの血液検査が行われます。 治療法は自己免疫疾患の種類によって異なりますが、免疫機能を抑制する薬がしばしば使用されます。 さらに読む です。ときに腎臓のみまたは肺のみが侵されることがあります。

グッドパスチャー症候群は、通常若い男性にみられます。遺伝的にこの病気にかかりやすい人もいるようです。このような人では、タバコの煙や一部の溶媒などの、生活環境に存在する物質や、ウイルス性の上気道感染または肺炎(比較的まれ)によって、自己の体の特定の部位に反応し破壊するタンパク質(抗体)が作られることがあります。これらの抗体は、一般に、肺胞や肺の毛細血管、腎臓のろ過装置などに損傷を与えます。また抗体によって炎症が誘発され、肺機能や腎機能が低下します。

症状

グッドパスチャー症候群の最も一般的な症状には以下のものがあります。

  • 喀血

グッドパスチャー症候群の他の症状には以下のものがあります。

  • 息切れ

  • せき

  • 発熱

  • 意図しない体重減少

  • 疲労

  • 血尿

症状は急速にひどくなることがあります。ときに症状があまりにひどい場合は、肺が機能しなくなり、重度の呼吸困難をきたしたり、あえいだり、皮膚の色が青っぽく変化したりする(チアノーゼ)ことがあります。肺が機能しなくなると、体の組織が十分な酸素を受け取ることができず、死に至ることもあります。

また、大量の血液が失われる可能性があります。同時に、腎機能が急速に低下することもあります。

肺出血に関連する症状は、腎臓の損傷に関連する症状の数週間前、または早ければ数年前に起こることさえあります。

診断

  • 胸部X線検査

  • ときに内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を肺に挿入し(気管支鏡検査)、液で洗浄する(気管支肺胞洗浄)

  • 血液と尿の検査

  • 腎組織の生検

肺疾患に関連する症状がみられる人では、多くの場合、胸部X線検査が行われます。胸部X線検査では、肺出血による異常な白い斑点が両方の肺にみられます。症状や胸部X線所見から肺出血が明らかでない場合(例えば、喀血がない患者)、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を肺に挿入し(気管支鏡検査 気管支鏡検査 気管支鏡検査とは、気管支鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を用いて発声器(喉頭)や気道を直接観察することです。気管支鏡の先端にはカメラが付いていて、これによって太い気道(気管支)から肺の内部を観察できます。 肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および呼吸器系も参照のこと。) 気管支鏡は、肺の出血源を探るために用いられることもあります。肺がんが疑われる場合は、気道を調べて、がん化しているように見えるところからサンプルを採取することもあります。気管... さらに読む 気管支鏡検査 )、液で肺を洗浄(気管支肺胞洗浄)する必要があるかもしれません。

尿検査では、血尿と尿タンパクがみつかります。血液検査では、しばしば貧血がみられます。

臨床検査では、血液中に特徴的な抗体が見つかります。

医師は通常、腎臓の組織片を採取して、分析します(生検)。組織を顕微鏡で観察すると、特有のパターンで抗体が沈着しているのが分かります。

治療

  • 血液中から有害な抗体を除去する(血漿交換と呼ばれる)処置

  • コルチコステロイド(メチルプレドニゾロンなど)とシクロホスファミドの静脈内投与

  • ときに、透析または腎移植

グッドパスチャー症候群の患者は、急速に肺機能が大きく失われ、腎臓の機能が完全に停止して死に至ることがあります。

また、コルチコステロイドやシクロホスファミドを高用量で静脈内に投与して免疫系の活動を抑制します。免疫系を抑制する別の薬剤であるリツキシマブは、シクロホスファミドを使用した結果、重い副作用が現れた患者に使われることがあります。

症状が治まるまで、多くの患者が支持療法を必要とします。例えば酸素投与を行ったり、一定の期間、人工呼吸器による呼吸の補助が必要になる場合があります。血液や血液製剤の輸血が必要になることもあります。

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