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急性気管支炎

執筆者:

Sanjay Sethi

, MD, University at Buffalo SUNY

最終査読/改訂年月 2018年 1月
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急性気管支炎とは、気管と気管から枝分かれする気道(気管支)が感染症によって炎症を起こすことです。

  • 通常、急性気管支炎は、ウイルス感染によって発生します。

  • かぜの症状がみられた後にせきが出る場合は、一般に急性気管支炎が疑われます。

  • 主として症状に基づき診断が下されます。

  • せき止め薬や解熱剤などの治療薬のほとんどは、症状が治まるまで楽に過ごせるようにする目的で使用されます。

  • 抗菌薬は通常必要ありません。

気管支炎は以下のいずれかに分類されます。

  • 急性

  • 慢性

急性気管支炎の症状は通常、数日から数週間持続します。しかしながら、90日位まで続くものも通常、急性気管支炎として分類されます。気管支炎がそれ以上の期間、ときに数カ月から数年にわたって続く場合は、一般的に慢性気管支炎に分類されます。単に「気管支炎」といわれる場合、通常は急性気管支炎を指します。

慢性気管支炎があり、息を吐き出すときの流速(呼気流量)の低下が起こった場合は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の決定的な特徴とみなされます。ここでは、急性気管支炎についてのみ述べます。

煙、スモッグ、粉塵、煙霧(強酸、アンモニア、一部の有機溶剤、塩素、硫化水素、二酸化硫黄、臭素などの刺激物によるもの)を吸い込んだ場合も、気管や気管支の炎症が起こることがあり、急性気管支炎に似た症状が生じます。

原因

急性気管支炎は感染によって生じ、感染の原因としては以下のものがあります。

  • ウイルス(最も一般的)

  • 細菌

気管支炎について理解する

気管支炎では、気管支壁が炎症を起こして腫れ、粘液量が増加します。その結果、気道が狭くなります。

気管支炎について理解する

気管支炎は冬に最も多く発生します。

ウイルス性気管支炎は、インフルエンザウイルスなどの、いくつかの一般的なウイルスが原因となります。ウイルス感染症が治った後でも、それによって生じた炎症が残り、数週間ほど症状が続くことがあります。

細菌性気管支炎は、ウイルス性上気道感染症に続いて発生することがあります。急性気管支炎を引き起こす細菌には、肺炎マイコプラズマ Mycoplasma pneumoniae、肺炎クラミジア Chlamydia pneumoniae、百日ぜき菌 Bordetella pertussis(百日ぜきの原因菌)などがあります。多くの人に急性気管支炎が発生した場合には(集団発生)、原因が細菌である可能性が高くなります。

COPD、気管支拡張症、または嚢胞性線維症などの慢性肺疾患のある人に、気管や気管支の炎症が起こった場合、この炎症は急性気管支炎ではなく、基礎疾患の増悪によるものとみなされます。

症状

一般に、感染による気管支炎は、鼻水、のどの痛み、疲労、悪寒といった、かぜの症状から始まります。やや高い熱(37.5~38℃)に伴って背中や腰の痛み、筋肉痛が現れることもあり、特に感染の原因がインフルエンザである場合は、この傾向が強くみられます。せき(通常、初めはたんがからまない乾いたせき)が出始めた場合は、急性気管支炎の信号です。

ウイルス性気管支炎では、せきと一緒に少量の白い粘液が出ることがよくあります。この粘液は、しばしば白色から緑色または黄色に変化します。しかし、このような色の変化は、細菌感染を示すものではありません。炎症に関与している細胞が気道内に集まって、たんの色を変えているにすぎません。

知っていますか?

  • 黄色または緑色のたんがからんだせきは、感染症の原因が細菌であることを意味するわけではありません。

重度の気管支炎では、やや高い熱(38~39℃)が出て、3~5日続くことがありますが、インフルエンザによる気管支炎でない限り、これ以上熱が上がることはほとんどありません。せきは最も治りにくい症状で、治まるまでに2~3週間またはそれ以上かかることがよくあります。ウイルスが気管支内面の上皮細胞を傷つけることがあり、その修復には時間がかかります。

気道過敏性とは、一時的に気道が狭くなって、肺に出入りする空気の流れが妨げられたり、制限されたりすることで、急性気管支炎ではよくみられます。気流の阻害は、低刺激物質(例えば、香水、悪臭、排気ガスなど)や冷たい外気など、一般的な環境にある物質へさらされることで誘発されることがあります。気流の阻害の度合いが大きいと、息切れを起こすことがあります。喘鳴は一般的な症状で、特にせきをした後によくみられます。

高齢者では、発熱やせきではなく、錯乱や速い呼吸といった、気管支炎の症状としてはまれなものがみられる場合があります。

急性呼吸不全肺炎といった重篤な合併症が起こるのは、通常は高齢者か、免疫に異常がある人のいずれかにかぎられます。

診断

  • ときに胸部X線検査

医師は通常、患者の症状に基づいて気管支炎の診断を下します。熱が高いか長引く場合、またはその両方がみられる場合は、肺炎の徴候である可能性があります。診察時に喘鳴が聞かれることもあります。

断続性ラ音が聞かれたり、肺内部のうっ血が疑われたりする場合や、息切れがある場合などは、肺炎ではないことを確認するために胸部X線検査が行われます。

インフルエンザウイルスまたは百日ぜき菌 Bordetella pertussisによる感染症が疑われる場合は、これらの微生物を検出するため、のどや鼻からサンプルを採取することがあります。一般に、たんの検査が行われるのは、胸部X線検査や診察で肺炎の証拠が得られた場合にかぎられます。せきが2週間以上続く場合は、肺がんなどの肺疾患を除外するために胸部X線検査を行います。

治療

  • 症状を緩和する治療

成人では、解熱や全身症状の緩和のために、アスピリン、アセトアミノフェン、またはイブプロフェンを服用することがありますが、小児では、アセトアミノフェンまたはイブプロフェンの服用にとどめ、アスピリンを使用すべきではありません。小児がアスピリンを服用すると、ライ症候群のリスクが高まるためです。

急性気管支炎で、特に熱がある患者は、十分な水分を摂取する必要があります。

抗菌薬は、細菌による感染症(例えば、集団発生中)の患者を除き、気管支炎の治療には使用されません。抗菌薬が用いられるときは、たいていアジスロマイシンやクラリスロマイシンなどの薬剤が投与されます。

抗菌薬は、ウイルス性気管支炎には役立ちません。インフルエンザの症状が発生してから48時間以内に、オセルタミビルやザナミビルのような抗ウイルス薬を投与すると、インフルエンザ(急性気管支炎を伴うかどうかを問いません)からの回復が早まることがあります。

知っていますか?

  • 通常、急性気管支炎は、抗菌薬を使用せずに治療するのが最良です。

小児の場合、気流の阻害による症状が非常に軽ければ、冷たい霧が出る加湿器やスチーム加湿器が役立つことがあります。さらに重い症状の小児や喘鳴が聞かれる成人では、気管支を広げる吸入気管支拡張薬を使用することで、気道を広げ、喘鳴を緩和することができます。

乾いたせきがひどく、特に睡眠が妨げられる場合は、せき止め薬を使用して緩和することができます。しかし、これらの薬剤の有効性ははっきりしていません。また通常、大量のたんがからんだせきを抑えるべきではありません。去たん薬は、分泌物を柔らかくして、せきと一緒に吐き出すのに役立つと考えられますが、この方法が有用かどうかははっきりしていません。

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