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急性気管支炎

執筆者:

Sanjay Sethi

, MD, University at Buffalo, Jacobs School of Medicine and Biomedical Sciences

医学的にレビューされた 2020年 7月
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やさしくわかる病気事典
本ページのリソース

急性気管支炎とは、気管と気管から枝分かれする気道(気管支)が感染症によって炎症を起こすことです。

  • 通常、急性気管支炎は、ウイルス性上気道感染によって発生します。

  • 症状としては、せきがみられ、粘液(たん)を伴うこともあれば伴わないこともあります。

  • 診断は、主として症状に基づいて下されます。

  • せき止め薬や解熱剤などの治療薬は、症状が治まるまで楽に過ごせるようにする目的で使用されることがあります。

  • 抗菌薬が必要になることはまれです。

気管支炎は以下のいずれかに分類されます。

  • 急性

  • 慢性

慢性気管支炎の患者で、息を吐き出すときの流量が低下している(気流閉塞)場合は、 慢性閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患は、気道が狭くなる状態(閉塞)が持続する病気で、肺気腫や慢性閉塞性気管支炎、またはその両方に伴って発生します。 この病気の原因として最も重要なのは、紙巻タバコの喫煙です。 この病気になると、せきが出て、やがて息切れが現れます。 診断は、胸部X線検査と肺機能検査によって下されます。... さらに読む 慢性閉塞性肺疾患(COPD) (COPD)であるとみなされます。COPD、または 気管支拡張症 気管支拡張症 気管支拡張症は、気道の壁が損傷を受けて、呼吸の管や気道の一部(気管支)が広がったまま元に戻らない状態(拡張症)です。 最も一般的な原因は、重度の呼吸器感染症や繰り返す呼吸器感染症で、これは肺または免疫系にすでに異常がある人によくみられます。 ほとんどの患者に慢性的なせきがみられ、せきとともに血が出たり、胸痛が現れたり、肺炎を繰り返したりす... さらに読む 嚢胞性線維症 嚢胞性線維症(CF) 嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)は、特定の分泌腺が異常な分泌物を産生し、それによって組織や器官、特に肺や消化管が損傷を受ける遺伝性疾患です。 嚢胞性線維症は、遺伝子の突然変異を親から引き継ぐことで発生し、粘り気の強い濃厚な分泌物が肺やその他の臓器の働きを妨げます。 典型的な症状としては、腹部膨満、軟便、体重増加不良のほか、せき、喘... さらに読む などの他の慢性肺疾患のある人に急性気管支炎の症状が現れた場合は、急性気管支炎ではなく、基礎疾患の急性増悪によるものとみなされます。

原因

急性気管支炎は感染によって生じ、感染の原因としては以下のものがあります。

  • ウイルス(最も一般的)

  • 細菌

気管支炎について理解する

気管支炎では、気管支壁が炎症を起こして腫れ、粘液量が増加します。その結果、気道が狭くなります。

気管支炎きかんしえんについて理解りかいしよう

気管支炎は冬に最も多く発生します。

細菌による気管支炎は20例に1例未満です。急性気管支炎を引き起こす細菌には、 肺炎マイコプラズマ Mycoplasma pneumoniae マイコプラズマ属細菌 マイコプラズマ属 Mycoplasmas細菌は気道、尿路、性器に感染症を引き起こす細菌です。 マイコプラズマ属 Mycoplasmas細菌は細胞壁をもたない点で、他の細菌とは異なります。ペニシリンなどの多くの抗菌薬は、細胞壁を弱めることで細菌を殺します。しかしマイコプラズマ属... さらに読む 肺炎クラミジア Chlamydia pneumoniae 肺炎クラミジア Chlamydia pneumoniae クラミジア属細菌は、性感染症(STD)、眼の感染症、気道感染症などの病気をヒトに引き起こす細菌です。 ヒトに病気を引き起こすクラミジア属 Chlamydia細菌は以下の3種類です。 クラミジア・トラコマチス Chlamydia trachomatis... さらに読む 、百日ぜき菌 Bordetella pertussis百日ぜき 百日ぜき 百日ぜきは、百日ぜき菌 Bordetella pertussisという感染力の強い グラム陰性細菌によって引き起こされる感染症で、せき込みが起こり、通常はそれに続いて、息を深く吸い込む際に長く高い音(笛声)が出るという一連のせきの発作がみられます。 百日ぜきは通常、小児と青年にみられます。... さらに読む の原因菌)などがあります。同じ地域の多くの人に同時に急性気管支炎が発生した場合には(集団発生)、原因が細菌である可能性が高くなります。

気管支炎
映像

症状

急性気管支炎を引き起こしている感染症は典型的には、鼻水、のどの痛み、疲労といった、かぜの症状から始まります。数日後、せき(通常、初めはたんがからまない乾いたせき)が出始めます。せきと一緒に少量の粘度の低い白い粘液が出ることがあります。この粘液は、しばしば白色から緑色または黄色に変化し、粘性が増します。たんに少量の血液が混じることがあります。しかし、このような色の変化も血液が混じっていることも、細菌感染を示すものではありません。炎症に関与している細胞が気道内に集まって、たんの色を変えているにすぎません。

知っていますか?

  • 黄色または緑色のたんがからんだせきは、感染症の原因が細菌であることを意味するわけではありません。

急性気管支炎自体が重篤な合併症を引き起こすことはありません。しかし、気管支炎を引き起こす インフルエンザ インフルエンザ (流感) インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる肺と気道の ウイルス感染症です。感染すると、発熱、鼻水、のどの痛み、せき、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ(けん怠感)が生じます。 ウイルスは、感染者のせきやくしゃみで飛散した飛沫を吸い込んだり、感染者の鼻の分泌物に直接触れたりすることで感染します。... さらに読む などの一部の感染症では、肺組織の感染症(肺炎 肺炎の概要 肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)やその周辺組織に発生する感染症です。 肺炎は、世界で最も一般的な死因の1つです。 重篤な慢性の病気が他にある患者において、肺炎はしばしば最終的な死因となります。 肺炎の種類によっては、ワクチンの接種によって予防できます。 米国では、毎年約200~300万人が肺炎を発症し、そのうち約6万人が死亡していま... さらに読む 肺炎の概要 )に至る可能性があり、これは通常、高齢者か、 免疫 免疫系の概要 人間の体には、異物や危険な侵入物から体を守るために、免疫系が備わっています。侵入物には以下のものがあります。 微生物( 細菌、 ウイルス、 真菌など) 寄生虫(蠕[ぜん]虫など) がん細胞 移植された臓器や組織 さらに読む に異常がある人にのみみられます。

診断

  • 医師による評価

  • ときに胸部X線検査

急性気管支炎の原因を特定するための検査が行われることはほとんどなく、血液検査は役に立ちません。しかし、せきが2週間以上続く場合は、肺炎が発生していないか、せきの原因が別の肺疾患でないかどうかを確認するために胸部X線検査を行います。

治療

  • 症状を緩和する治療

解熱や全身症状の緩和のためにアセトアミノフェンまたはイブプロフェンを服用することがあり、また、十分な水分を摂取する必要があります。

抗菌薬は、ウイルス性気管支炎には役立ちません。ほとんどの急性気管支炎はウイルス性であるため、抗菌薬は、細菌による感染症であることが明らかな場合(例えば、集団発生中)にのみ投与されます。抗菌薬が用いられるときは通常、アジスロマイシンやクラリスロマイシンなどの薬剤が投与されます。

知っていますか?

  • 通常、急性気管支炎は、抗菌薬を使用せずに治療するのが最良です。

小児の場合、症状が非常に軽ければ、冷たい霧が出る加湿器やスチーム加湿器が役立つことがあります。喘鳴が聞かれる小児や成人では、吸入 気管支拡張薬 治療 治療 が有益なことがあり、これにより気道を広げ、喘鳴が緩和するのを助けます。

せき止め薬 せき止め薬 せきは、突然、肺から空気が強制的に排出されることです。せきは、医療機関を受診する理由として最も多いものの1つです。せきには、気道から異物を取り除く働きがあり、人はせきをすることで、吸い込んだ粒子から肺を守っています。人は意図的(自発的)にせきをすることもあれば、せきが自然(非自発的)に出ることもあります。(... さらに読む を使用して睡眠を妨げるせきを緩和することができます。しかし、これらの薬剤の有効性ははっきりしていません。去たん薬は、分泌物を柔らかくして、せきと一緒に吐き出すのに役立つと考えられる市販薬ですが、この方法が有用かどうかははっきりしていません。せき止め薬や去たん薬は通常、幼児には推奨されません(小児のせき 小児のせき せきには、気道から異物を取り除き、異物が肺に入るのを防ぐ働きがあります。異物は吸い込んだ粒子のこともあれば、肺や気道から排出された物質のこともあります。多くの場合、異物はせきをすることで肺と気道からたん(粘液、壊死組織片、細胞などの混合物が肺から吐き出されたもの)として吐き出されます。血液がせきで吐き出されることもあります。たんや血液を吐... さらに読む も参照)。

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