毛細血管拡張症

(特発性毛細血管拡張症)

執筆者:James D. Douketis, MD, McMaster University
レビュー/改訂 2022年 9月
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毛細血管拡張症は、細い静脈が拡張して皮膚の上から透けて見えるようになったものです。

静脈系の概要も参照のこと。)

くも状血管腫の外観
脚のくも状血管腫
脚のくも状血管腫
毛細血管拡張症(脚のくも状血管腫とも呼ばれる)は、細い静脈が拡張することで、皮膚の上から透けて見えるようになったものです。

Photo courtesy of Robert S.Porter, MD.

顔面のくも状血管腫
顔面のくも状血管腫
通常、毛細血管拡張症では症状は生じませんが、非常に小さい場合でも、多くの人が外見に及ぼす影響を気にします。

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毛細血管が拡張した状態である毛細血管拡張症は、静脈瘤の有無にかかわらず、多くの人にみられます。毛細血管は、心臓から全身に血液を送る動脈と全身から心臓に血液を戻す静脈との間をつないでいる、極めて薄い壁でできた非常に細い血管です。

毛細血管拡張症は、静脈瘤内の血液による圧迫から生じることもありますが、一般的には、まだ解明されていないホルモンが原因と考えられています。ホルモンが原因だとすれば、毛細血管拡張症がみられるのがほとんど女性で、特に妊娠中に多くなることが説明できます。

通常、毛細血管拡張症は症状を引き起こしませんが、痛みや灼熱感が生じることもあります。毛細血管拡張症は外見から診断でき、検査は不要です。

くも状血管腫の治療

  • 注入療法(硬化療法)

毛細血管拡張症は通常、静脈瘤に対する治療と同様の注入療法(硬化療法)によって除去することができます。硬化療法では、テトラデシル硫酸ナトリウムなどの溶液をそれぞれの拡張血管に注入して刺激し、血栓を形成させて静脈を閉塞します。広範囲の毛細血管拡張症(多発性毛細血管拡張症)では、注入に痛みを伴うため、複数回の治療が必要になることもあります。皮膚は暗い色になることがありますが、通常この変色は治っていき、しばしば完全に消失します。

レーザー治療も効果的ですが、広範囲に行う場合は複数回の治療が必要です。この治療法では、レーザー光線を用いて細い静脈を破壊します。

最初の治療の後には、小さな拡張血管が残ったり、再発したりすることがあります。

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